生理バッジと「生理ちゃん」の取り扱い その1

noteの記入具合を試してみようと記事を載せてみます。

そのうち創作ネタにでも使えるかな〜と思っていたアカウントで、初めて記事がコレ…というのに抵抗感はありますけど…

元からのブログも別に社会問題を考えるブログじゃないんですよ。

まあ賛否両論湧き上がるくらいにはみんな其々に思うところがあった題材ですよね。

生理ちゃん肯定派の皆様にはキツイ内容かもしれないので以下自己判断でお願いします。


生理バッジと「生理ちゃん」の取り扱い その1

11月21日に出た大丸梅田店のmichikake フロアオープン紹介記事により、翌日には「違うだろ!」と大炎上した生理バッジ。
私も「はあ!?」と思ったわけだが、流れをなんとなく追っていると数日で取りやめになり、そこで終了かと思いきやまだしつこく形を変えて継続する予定とのこと。
この継続についても話題が決着して注目が逸れることを避けたようにも見えるが、余りにもいろいろ問題が付随しているように思え、ちょっと纏めて吐き出させて〜という感じになり、個人的感想を整理…出来るか分からないけれど一応纏めて書き出したい。

この生理バッジ問題は、ツキイチ生理ちゃんという漫画キャラとのコラボにより、より混迷度を増し、一定の注目を浴び、嫌悪感増し増しでお送り致されることになる。

まずは生理バッジそのものについて考えてみる。

売り場のコンセプトはなかなかステキに思える。
性に関する話題や生理について、もっとオープンに語られるような社会へ是非とも向かっていってほしい。
なぜ今現在あまりオープンにできていないかというと、非常にセンシティブなプライバシーに関わる問題であると共に、社会的な忌避感がある事が大きい。
そしてその忌避感の中には性や生理に関する話題を完全にエロコンテンツと捉える層が確実に居るという事が大きな要因を占める、と思う。
自分自身がそうなのか、或いはそういう人物を知っているか、知識として危機感嫌悪感があるのかどうかは個人差がある。

生理と生理中の女性を特別にエロコンテンツと捉える特殊変態趣味層は確実に居る。
セクハラ思考から性加害思考まで強弱様々である。
一般的、常識的範囲内と思われる性嗜好の人々からは想像できないゲスコンテンツが検索をかければ広がっているのが今の日本社会の現実なのだ…。げんなり。

セクハラまでは想定できる人でも、ストーカーやさらに深刻な性加害まで危機意識がある人はどうやら少数派に見える。特に若いだろうと推測される女性。
まったくもって心配である。
現在の社会状況で現実目の前の女性が生理中であると不特定多数に公開される危険性を軽く見積もりすぎている。

実際今回もこの件に釣られた変態の書き込みが見かけられたようだ。

日本の老舗百貨店がどの程度そういったことから女性従業員を守ってくれるのか?
社内セクハラ然り、接客上のトラブル、変態をおびき寄せた為に起こり得るトラブルには?

このセンシティブな内容のバッジを、フロア500名にキャラ面が生理中明示のバッジである旨を説明不足でただ配っていたという情報からも、対策不足である事がわかる。
或いは良いことをしているという自己満足で従業員の心身の安全をおろそかにしている意識が垣間見える。
もっと悪質であるとするならば、炎上宣伝の為に従業員を犠牲にしたとも取れる。
また、こういった企業内での任意がどれほどのものかも大変疑わしく、少しでも強制力がある側からの企画は慎んだ方が良いだろう。

そもそも生理に関して語るのに、生理周期を晒す意味はない。
この点に関してネットでほぼ全否定を受けた為に、後の記事で大丸側は客とのコミュニケーションの為という大義名分を無言で取り下げている様子なのも大変に感じが悪い要因になっている。

社内で生理中の女性を気遣うコミュニケーションの為という大義名分は取り下げていないようだが、多くの人が指摘しているように譲歩して体調不良バッジで事足りるはずだ。
個人情報の取り扱いと人権意識に関してこと性が絡むとおかしなことになるというのはここ最近の流れで起こりがちな事例であり、性差別に関しての問題が根深いことを物語っている。

確かに生理に纏わるあれこれは非常に分かりづらい。
女性同士でも個人差があまりにも激しく、男性には本当に分かりづらいだろう。
そして生理中のみが辛いわけでもない。
個人的なことで言えば、私の母は殆ど生理痛が無く、姉は若い頃は始まった途端に動けなくほど酷く、私も毎回唸ることしか出来ずに寝込む時期があった。
生理が軽い場合は生理中も煩わしいとか漏れが心配だとかくらいしかないだろうが、生理が重くなるか軽くなるかは生理ではない時期から影響しており、全時期を通じて女性の身体に繊細な気遣いは必要である。
PMSの方が辛い人もいれば、排卵痛や機能性不正出血による腹痛、ホルモンバランスの増減に誘発される偏頭痛などもあり、月経にまつわる不調は生理中だけとは限らない。
そして先ずは寝込むほど、周囲にアピールしなければならないほど辛かったら婦人科へ行くべき。
私も昔ピルを1ヶ月だけ試したが、それだけでもずいぶん症状が軽くなった。
偏頭痛が誘発される副作用があり、薬の種類を変えてまた試す気にはならずにやめてしまったが。

という感じで生理中の公開は意味がない上に危険を冒しすぎると思う派なのだが、自分は付ける派の方々は、毎回着け続けていてある時突然止まった場合の事まで考えているのだろうかも疑問だ。
様々な理由で生理はあっさり止まることは周知の事実なのに、自分の身に起こった場合の想定は出来ているのだろうか?
過労で?病気で?ストレスで?妊娠で?その時周囲にどう伝えるか伝えないのか?
伝えられるのか伝えられないのか?
不特定多数への開示では仮に伝えたくとも伝えられない場合も多いだろう。
伝えられない場合はどう思われ、自分は心理的にどのような状態でどこまで耐えられるのか?
ここまでセンシティブで重い問題を抱えている生理バッジに自己満足以外の意義をどう見出すのか?

トライアンドエラーが認められる社会は良いかもしれないが、私はこれはトライしてはいけない類のものであると判断する。
危険でも意義不明でもなんでもやれば良いというものではない。

話題作りとしても思いやりのないやり方であり、地道な労力をすっ飛ばした乱暴な軽薄さを感じる。


ここでまた問題があったように思えるのは、このような難しい問題への提起である売り場にもかかわらず、どうやら専門家の監修がなかったらしい事だ。
商業的戦略で安易に取り扱っている感じが強く、余り情報がないが一階フロアでの大規模な緊縛展示といい、倫理面で企業的に問題があると思わざるを得ない。
こちらも性に関してオープンにしていくのと、性差別的な面が強いコアでマニアックな趣味の一般公開は違うという認識の欠如に見えてしまう。

(緊縛については、一種の芸術であるという事に異論は無く、愛と信頼の表現としても利用可能であるとは思うが、性加害と肉体の性的物化とも切り離せず、取扱注意の劇物だろう。精神的に未熟な人には触れて欲しく無い分野だし厳密なゾーニングが必要な筈。)


生理ちゃんとのコラボバッジといい、梅田大丸は性に対する先進的な考えを広めるというよりは、集客力への期待とともにそれを標榜してセクハラがしたいだけかもしれない、という暗澹たる気持ちだ。

客寄せは重要だが社会における企業倫理や大企業の社会貢献への義務について思いを馳せたくなる一件だった。

ここまで暗澹たる気持ちにさせておきながら、さらなるポテンシャルを秘める生理バッジ📛
すごいぞ生理ちゃん生理バッジ!

今回追い討ちをかけるように「うわっ!!」となったこのバッジの嫌悪感最大理由である生理ちゃんについては回を分けようと思う。
生理バッジというもの自体の話でこんなに長くなるとは思わなかった……

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