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山の辺の道を歩いてみた。

※この記事は2020年10月に行ったときのものです。

「旧東海道を歩いてみた。」の合間に、いい季節になってきたので、今年(しまった、記事かいたのは2020年です)も山の辺の道を歩いてきました。

山の辺の道は、奈良県にあります。全長でいえば30キロほどですが、メインであるいわゆる南コース、「天理~桜井」は約16キロのハイキングコースです。(北は天理~奈良市。少し歩きにくいとされている。が、私は行ったことがない)

「今年も」、そう、結構行ってます。多分10回以上は行っています。今回は「天理~桜井」のコースで行きました。「桜井~天理」もOKです。

距離だけで見れば、16キロと相当長いように感じますが、アップダウンが少なく、また休憩スポットやトイレスポットもちゃんと整備されているうえ、いたるところに看板があるので、初心者向けと言えます。また、途中で体調不良等でリタイアする場合も、少し歩けばバス停やJRが通っているので安心です。民家を通り抜けていくところもあり、農家は野菜や果物の無人をやっており、のどかな風景がひろがっています。

また、高齢者の方の集団ハイキングもよく見かけます。一気に16キロは歩けないので、歩きやすいところだけだったり、東海道のように少しずつ前進する(今日はここまで、次は続きから…というもの)方法をとっているようです。

なんにせよ、それほど気合は込めなくてもいい気軽さで臨めるので、ちょっと東海道の合間に行ってきました。

天理駅を出発! 山の辺の道ルートまで歩く。

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◆8:47 天理駅着
ちょうど学校の時間とバッティングしたらしく、途中の近鉄電車の中は学生でいっぱいだった。天理駅でも学生がゾロゾロ。そうか、天理大学とか天理高校かな?

ハイキングするには早い時間だったので、ハイカーらしい姿はちらほら見かけた程度。

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近鉄の改札口を出たところで、「てくてくまっぷ」を入手。ちなみに近鉄沿線でハイキングする場合は無料でこのような「てくてくまっぷ」をゲットできるので、近鉄沿線でのハイキングをするときは役に立つ。

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天理駅前コフフン
古墳とひっかけているらしい。来るたびに公園が整備されていっている気がする。現代と古代の調和がなんだかおもしろい。

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本当に駅前に公園があって、綺麗になったなーと思う。このコフフンを背にして、スタート。

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おお、てくてくマップの看板バージョン!
山の辺の道は太い青色のコース。そこまで約2.3キロを歩いていかなければならない。

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まず、この「天理本通」の商店街を通り抜ける。
休日の朝なので、人通りはまばら。

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9:12 天理教本部
この日は何か行事があったのか、人の出入りが多かった。もともと多いところだけど、詰所にもたくさんの人の出入りがあったので、何かイベント?行事?があったんだろうと思っていた。

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どーん!!天理大学!!
天理はちょっと異国に来た気分になれる。

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道に埋まっていた山の辺の道の案内。
まだ石上神宮には着いていない。

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基本的に天理から石上神宮に向かうには、迷うことはないけど、途中石上神宮に行くのに左折する看板が小さくて見落としがちではある。この手前のコンビニ(ファミマ様)が、最後のコンビニスポット。まあ、大概は駅前のコンビニでいろいろ(お昼ごはんなど)買いそろえてしまうと思うけど…

これから、ちょっとした坂を上っていく。

山の辺の道へ(石上神宮~大神神社)

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9:27 石上神宮(いそのかみ・じんぐう)着!
日本最古の神社と言われている。山の辺の道は日本最古の道と言われているので、最古コンビ。

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石上神宮は、本殿に向かうのに鳥居に対して正面を向いていない。何かあるのかな?

ハイカーらしき人を見かけたけど、山の辺の道から外れていった。別のハイキングコースがあるのかな?

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神社ってニワトリがたくさんいるよねぇ~

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まだら模様。というのか、この白黒の感じがアイスクリームの「クッキー&クリーム」に見えてしまった。ゴクリ。

さて、いよいよ山の辺の道出発であります!

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このような標識があちこちに建っているので、素直に従っていけば迷うことはない。また、南北に向かうので、途中やむを得ず右折・左折することがあっても、方角さえ押さえていれば、正規ルートにすぐに戻ってこれるはず。

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自然いっぱい。

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農作業をしている人もいた。
市街地に住んでいる人なら、なんとものどかで癒される風景。

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柿の木。おいしそう。出荷も近いかな?

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◆9:53 天理農園
山の辺の道を紹介するメディアの取材が多く入るところ。コーヒー飲んだり、アイスクリームを食べたりできる。奥には農園があって、季節に合わせて「○○狩り」ができるんだとか。

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田んぼ、そしてその向こうに広がるのが奈良盆地。その山の向こうが大阪。大阪はこんなにのどかなところは、ないわけではないけど、とっても少ない。

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◆10:04 夜都伎(やとぎ)神社
少し急な階段を昇れば、神社に着くが、今回は先を急ぐ。(終わったら飲みたいから/笑)

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民家を通り抜けるところもある。この写真、なんとなく東海道っぽくないですかね??

東海道よりは道に迷わない。看板が多いのと、ハイカーが多いのですれ違うから、まず大丈夫。

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民家の軒先で野菜などを売っていた。千切り大根も売っているのか。買えば良かったなぁ。

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たまには、こんな風に惑わせる標識があるけど、「衾田陵」に向かうのが正解。気になったら「竹之内環濠集落」に行ってもいいと思う。

写真の後ろに写っているのはビニールハウス。山の辺の道は農地の間を縫って進んでいく。

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おおっ、柿だ! そろそろ食べごろです。

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◆10:29 西山塚古墳
堀があって、古墳の形がはっきりわかる、「ザ・古墳!」という感じの古墳。

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そして、ずんずん歩いて行く。
景色が東海道とは違っていて、田舎道なんだけど、それがどことなく、「東海道もその昔はこれに近い感じだったのかな?」なんてことを思っていた。

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栗と柿が売っている。お代は箱にいれましょう。ちゃんといれましょう。(秋に行ったので、柿が売っていました)

買いたいところだけど、荷物が重くなるのが困るなぁと思い、財布くんと相談したが、あいにく100円が見つからず断念。

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「やあ、元気?」

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◆10:38 大和神社御旅所
ここまで来ると、かなり進んだなぁと実感が湧いてくる。

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コスモスの見える休憩所。時間帯がまだ早いのでハイカーはだれもいなかったけど、ここはきっと絶好のランチスポットなので、早い者勝ちのはず。

そういや、職場の人たちと来たとき、ここで女性の先輩がおにぎり食べながら日本酒を飲み始めたのを思い出した。あまりに衝撃的だったので、妙に覚えている(笑)

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◆10:58 崇神天皇陵
大きい。さすが天皇陵。多分、この時代は天皇というよりは「大王」なのかな? 天皇家が「一豪族」であった時代だったっけ?

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景行天皇陵の前に、畑からひょっこりこんな看板が。
「大和三山を見渡す絶景スポット」とのこと。これは行かなきゃ!

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おおっ!絶景スポット!!
分かりますか? 大和三山ハッキリ見えている!!
写真左の方に「天の香久山(あまのかぐやま)」、少し離れて右二つ重なり合うように、左から「畝傍山(うねびやま)」「耳成山(みみなしやま)」が。写真左のほうが、飛鳥・吉野方面となり、「畝傍山」「耳成山」の奥に見えているのが金剛山です。

天の香久山といえば、百人一首の持統天皇を思い出す。
「春過ぎて 夏来にけらし 白妙の衣干すてふ 天の香久山」

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もう、半分以上は来ているはず。
少し高台に向かって歩き、檜原神社に向かうところ。

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青垣と呼ばれるところ。集落が見えている。
空の青、自然の緑、そして民家が調和しているのどかな田舎の風景。

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◆12:00 檜原神社
元伊勢と呼ばれるところの一つ。伊勢神宮はいろいろなところを経て、伊勢に落ち着いたので、その変遷となった地が「元伊勢」と呼ばれて残っている。

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さて、ここからいよいよクライマックスへ。
大神神社に向かう前に、「狭井(さい)神社」に向かうところ。このあたりから森に入るので、ちょっとしたトレッキング気分を味わえる。

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◆12:20 狭井神社
ここと大神神社はセットで行く人も多いはず。

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狭井神社では、「三輪山」に登山できるのと、そのご神水をいただける。

○三輪山
三輪山は山自体がご神体なので、安易な気持ちで入山しないように、かなり厳しく宮司さんから念押しをされる。入山する際には、社務所に申し出て、入山料を収め、入山の証である「襷」をもらわなければならない。

神聖なところなので、写真撮影等は厳禁。私も前に行ったことがあるが、そこに広がるのは手付かずの自然である。見たことのない原生林が広がっていて、まるでジブリのようなものだ。ただし、手付かずなので頂上に行っても何もみえない。ただ神聖なところを登るだけ、なのだ。

宮司さんの感じから察するに、おそらく、パワースポットブームで気軽に登ろうとする人がいたんだろうなぁ、と思った。確かに、チャラチャラした気持ちで行ってしまってはいけない雰囲気のあるところだった。

私は全く霊感がないけれど、確かに「いい気が流れている」ように感じた。私は、「これがマイナスイオンってやつかー!」と感動していたけど、いわゆるスピリチュアルな感性の強い人は「いい気だ!」なのかもしれない。

ちなみに、今はコロナウイルス感染症対策のため、午前中(9時から12時)しか入山できないらしいので要注意。所要時間はだいたい20-30分程度。

○ご神水
以前はコップが用意されていたが、感染症対策で紙コップが用意されていて、使い捨て方式になっていた。以前は上の写真の左奥に入って行って水を飲むことになっていたが、社務所にも水が用意されていて、そこで飲むこともできるようになっていた。

ペットボトルなどに水を汲んでいる人もいたが、社務所で水を購入することもできる。

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◆12:28 大神神社(おおみわ)着
大神と書いて「おおみわ」と読む。スピリチュアルブームのときには、全国各地から多くの女子がこぞって来たとか…。ここも「すごく良い気が流れている」らしいけど、私はただ手を合わせるのみ。

写真のとおり、参拝もソーシャルディスタンスを守る人たち。すばらしい。

境内のベンチで少し休憩。

一旦、ここがゴールとなる。ここから先は、JR三輪駅に向かうか、近鉄桜井駅に向かうか分かれるところだけど、私は帰りの電車の都合で近鉄桜井駅に向かった。

大神神社~近鉄桜井駅へ

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◆ 平等寺
こちらの寺から抜けることもできる。以前来たとき、とても愛想の良いご住職が、いろいろ説明してくださったことを思い出した。

ここから先は標識が一気に少なくなるけど、「海石榴市(つばいち)」と書いてある方へ向かって歩いて行った。近鉄桜井駅に向かうには、若干遠回りにはなるので、まっすぐ向かいたい場合は立ち寄らなくてもいい。

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おお! 東海道でよく見かけた石碑じゃないか! お久しぶり!!

伊勢街道…かな? 左に向かうと伊勢に行く、とうことらしい。確かに方角的には合ってる。江戸時代の石碑のようだった。

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◆ 仏教伝来の地碑
仏教伝来の地は奈良、そうだそうだ。都があったからね。そうだよね。ここがそうなのか、と少し驚く。

このあたりは大和川を上っていったところなので、水運が盛んだったらしい。なので、渡来人がここまでやってきて、そして仏教を広めたっていうことなのかな?

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◆ 海石榴市(つばいち)
このあたりには港があったとか。そう、仏教伝来の地とほぼ同位置にある。看板によると、「伊勢詣で」「長谷寺詣で」の宿場町であったのと、源氏物語で玉鬘が九州から京都に向かう途中に立ち寄ったところ、とのこと。

歴史ファン、源氏物語ファンとしては、いわゆる「聖地巡礼」「ロケ地めぐり」みたいで楽しい(笑)

東海道の宿場町を現在巡っているので、もうちょっと宿場町の名残を見られたらというのも、ほんの少しないわけでもなかったけど。

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卑弥呼っぽい女性のタイル。大神神社の近くには、箸墓古墳があり、これは卑弥呼の墓といわれている古墳の一つ。邪馬台国が大和にあったとしたら…ここだ、と有力視されてますね。

昔、卑弥呼で大河ドラマ作ったら。。。という話になったものの、
「多分2時間ドラマで十分」
と結論づいてしまった。

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◆ 桜井駅着
そんなこんなで桜井駅に到着。
ほどよい疲れ具合がとても気持ち良かった。

この1週間後に東海道を歩いたのだったが…疲れはやはり溜まっていたらしい。無理はしないようにネ。



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