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別冊・旧東海道を歩いてみた。 #4 長距離歩くならロスタイムを考慮せよ


まだ東海道を挑んでいたときのことです。数名の同僚に「東海道歩いている」と言ったことがあります。
すると、ある男性が「1日30kmなら6時間で着くね。だったらできるね」と言いました。

ほぼ、できません。

十中八九、6時間での到着は難しいと思います。よほどの健脚でなければ。仮にその時間で到着できたとしても、翌日の下半身のダメージは相当なものになっているはずです。

街中、特に都会に住んでいる人は早歩きに慣れていると言われ、時速5キロ程度で歩いていると言われていますし、それ以上のペースで歩いている人も多いと思います。
ただ、街道を歩く場合は次の点を考慮しなければいけません。

赤信号での一旦停止
休憩による停止
道に迷った場合のロスタイム
写真撮影等による一旦停止
観光地に立ち寄る場合のロスタイム
予想外のトラブルによるロスタイム

私はすべて経験済みですが、これらはトータルすると結構時間を取られていることを思い知ります。

①赤信号での一旦停止

特に交通ルールは遵守しましょう。
土地勘のないところを歩くので、視界に入っていない思わぬところから、自転車や車が出てくることがあります。私は、赤信号のときは水分補給やストレッチ等のチャンスと思い、休んでいました。

②休憩による停止

慣れていない間は、こまめに休憩を入れたほうがダメージは少ないかと思います。慣れてくると10~20kmはノンストップで歩けるようになりますが、最初のうちは適度に休み、足のマッサージをこまめに入れるだろう、ということを想定しておくと良いでしょう。

また、長距離に適した歩き方をしていない場合、踵や脛が痛くなり、にっちもさっちもいかなくなってしまいます。(東海道1日目の私がそんな感じでした)幸い、東海道や中山道の場合、京方・江戸方いずれにせよ、序盤は比較的交通の便の良いところを歩くので、痛くなっても途中で中断することも可能ではあります。

また、夏場は陽射しが強いと気温とは関係なく、ゴリゴリ体力が消耗されます。休憩を摂る頻度もグッと上がることを想定しておきましょう。

③道に迷った場合のロスタイム

いくら地図でこまめに確認をしていても、道を間違えることは多々あります。(私も、しょっぱなの大津宿を通らずに膳所まで行ってしまい、慌てて大津宿に引き返すという大きなロスタイムを経験しています)

東海道は比較的「旧東海道はこっち」という看板が多くありますが、特に田舎道になると街道を示す看板等の目印が乏しくなります。割り切って、街道から外れてもゴールを目指すという思考に転換するのも大事ではあると思いますが、実際に歩いていると、道に迷った場合はいくらかのロスタイムがあったと思います。

④写真撮影等による一旦停止

私はやたら写真を撮りましたので、このロスは相当あったと思います。また、友人知人との連絡をする人もこの項目に含まれると思いますが、小さな積み重ねでかなりの時間がかかっているのではと思います。

私の写真の多さは、noteの各記事でお分かりでしょう(笑)

⑤観光地に立ち寄る場合のロスタイム

個人差はあると思いますが、神社仏閣や城郭、ご当地名物や交流館などに立ち寄る場合、1回あたり30分~1時間程度のロスタイムは発生します。私は計画段階で、立ち寄る場所についてはあらかじめ目星をつけ、計画に組み込んでおきました。

好奇心旺盛な方は、この誘惑に負けてフラフラ寄ってしまう可能性もある、ということをよく覚えておいてくださいませ。

⑥予想外のトラブルによるロスタイム

旅の途中でのケガ、病気等が考えられます。また、起きてほしくないですが、交通トラブルもあり得ます。こういう事態になったら、その日はリタイア(一時中断)を検討することになると思います。
とはいえ、小さなケガ程度であれば対応できるよう、絆創膏やスプレー、塗る痛み止め等の救急キッドは持ち歩いていました。

旅の前に、自分の歩く速さを知っておこう

私の場合ですが、アプリ(ASICS Runkeeper)の計測によると、旧東海道における平均歩行速度は時速4.6~4.8kmでした。長距離を歩いている割には速いのではと思います。(昼食休憩時はアプリを止めています)

アプリは、「現在の歩行スピードは」というアナウンスも流れ、ずっとペースを確認していたのですが、後半はやはりペースダウンするものの、序盤は時速5.5km、中盤で時速5km、後半で時速4.8~5km程度で歩いていたようです。このペースで歩けるようになったのは、浜松宿以降(大体48%ほどの到達率)のことです。それまでは、もう少しゆっくりペースでした。

ただし、このアプリを導入したのは四日市宿(4日目)以降であり、ある程度長距離歩行に体が慣れてきた段階でのことです。初期の頃(三条大橋~鈴鹿峠~亀山宿)は、足の痛さで途中から歩けなくなり、休憩もバンバン入れていましたし、ノロノロ歩いていたので、長距離歩行に慣れていない人(特に筋力の少ない女性)は、時速4.5kmで歩く想定はしないほうが良いかと思います。(私自身、初期の頃はおそらく時速4km未満で歩いていたと思います)

とはいえ、歩くスピードは、ある程度早い方が足腰のダメージも少なくて済むように感じています。街道を歩きながら、少しずつ自分にとってちょうどいいペースから、少し早歩き程度で歩けるようになっていくと、歩き旅がより楽しめるのではないかと思います。

楽しい旅のために、ぜひとも無茶な計画を立てないようにしてくださいね! 余裕をもって、もし予定より早くゴールできたらご褒美でゆっくり温泉・銭湯に浸かる、美味しいものを食べる等、自分を甘やかしてあげてくださいね!

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