Thomas Müller 25 🇩🇪

前書き

　明後日にユーロ開幕戦を控える今日この頃、皆さまはいかがお過ごしですか。ドイツ代表が対戦するスコットランド代表はなかなかの難敵。どんな試合になるか楽しみで仕方ありません。

　また今日6月13日といえば我らがキングスレイ・コマンの誕生日。28歳を迎えたコマンのユーロでの活躍、非常に楽しみですね。

　本記事ではトーマス・ミュラー選手がどのような選手なのかを深ぼっていきます。2024/25シーズン限りでの引退も噂される同選手。2008年のデビューから現在まで16シーズンにわたってバイエルンで活躍した彼の歩みを振り返ります。

⚫︎これまでの歩み

1. ユースで過ごした期間

　トーマス・ミュラーは1989年9月13日に生を受けた。イタリアに程近いヴァイルハイム・イン・オーバーバイエルン出身のミュラーは、1993年から2000年まで地元のTSVペールでプレーする。2000年にTSVペールからバイエルンのD-ユーゲントへと移籍すると、バイエルンの各ユースを経て、A-ユーゲントまで昇格を果たすこととなる。

　下部組織での最後のシーズンとなった2007/08シーズンのA-ユーゲント・ブンデスリーガで18ゴールを挙げる活躍を見せるなど、高い期待に応えるプレーを披露し続けたミュラーは、2008/09シーズンの開幕戦でトップチームでの出場機会を得ることとなる。

2. デビューシーズン

　2008/09シーズンの第1節、ミュラーはバイエルンのトップチームのベンチに呼ばれる。当時のバイエルンの監督はユルゲン・クリンスマン。ミュラーはバイエルンのトップチームに呼ばれた最初の試合で、クリンスマン監督のもと、出場機会を得るのである。

　2008年8月15日に行われた同試合の対戦相手はマルティン・ヨル監督率いるハンブルガーSV。イヴィツァ・オリッチやナイジェル・デ・ヨングなどスター選手を擁した当時のハンブルクには、同試合の1週間後にマンチェスター・シティへと移籍を果たすヴァンサン・コンパニも在籍していた。

　79分にミロスラフ・クローゼとの交代で出場を果たした当時18歳のミュラーは彼らしいプレーを披露する。味方との連携を見せながら、裏への攻撃を展開し、守備にも精力的に走る。試合は2-2の引き分けに終わったものの、同じく18歳のクロースとともにバイエルンの若手が育ちつつあることを予感させた。

　ミュラーは2008/09シーズンを通じて、公式戦で5度の出場機会を得た。とくに2009年3月のチャンピオンズリーグ・スポルティング戦ではコーナーキックのこぼれ球を押し込み、公式戦初ゴールを挙げた。しかし出場機会を得ていたものの、「期待の若手」の一人にすぎなかったミュラーが翌シーズンに「飛躍」を果たすこととなる。

3. 名将のもとでの「飛躍」

　クリンスマンが指揮したバイエルンはブンデスリーガを2位、DFBポカールとチャンピオンズリーグをそれぞれ準決勝敗退で終えた。「無冠」でシーズンを終盤を迎えたバイエルンは4月末にクリンスマンを更迭し、7月にAZからルイ・ファン・ハールを招聘する。

　またバイエルンは2009/10シーズンに向けて大規模な選手の刷新を図った。ルカ・トーニやルーカス・ポドルスキ、ルシオなどを放出し、マリオ・ゴメスを3000万ユーロ、アリエン・ロッベンを2500万ユーロ、イヴィツァ・オリッチをフリーで獲得したのである。

　大型補強を行なったうえ、すでにリベリーやクローゼを擁したこともあって、ミュラーがバイエルンで出場機会を得るのは難しいのではないかと思われた。しかし彼は2009/10シーズンのブンデスリーガ34試合すべてに出場を果たしてみせる。

　2009/10シーズン、ミュラーが飛躍を遂げるきっかけとなった2試合がある。ブンデスリーガ第4節・ホームでのヴォルフスブルク戦と第5節・アウェーのドルトムント戦である。

　前シーズン王者であったヴォルフスブルクとの一戦はミュラーがブンデスリーガ1部で初めて先発出場し、フルタイムで試合に出た試合となった。前半は右ワイドのポジションで精力的に走ってチームに貢献し、後半ロッベンがベンチから出てくると中央にポジションを移してプレーして見せた。

　ミュラーの適応力の高さが評価されたことは間違いない。ユーティリティな選手を好むファン・ハールにとってミュラーは貴重な選択肢となった。

'Louis van Gaal was my biggest influence' – Muller | Goal.com

⚫︎プレースタイルあるいはアビリティ