対抗戦アリーナ第二回公式CS グランドファイナル ヤヨイ VS 赤猫

対抗戦アリーナ第二回公式CS。スペシャルリアルカード、新カードデザイン権利、そして栄誉を称えるゲーム内称号を賭けた決勝の場に残ったものが2人。
片や、ヤヨイ。デッキ構築やプレイの言語化に定評があり、本大会前に毎日開催されていたデイリー大会で上位常連の実力者。前大会、第一回公式CSの決勝の舞台の地に立ち、敗れてしまうも、本大会はここまで無敗で勝ち上がってきた。
片や、赤猫。本大会のダークホース。前大会は3回戦でドロップと惜しい結果に終わったが、毎日フリーマッチをプレイするプレイヤーからは「よく当たる」と言われる通り、多くの練習を重ねて敗者サイドから決勝の場に這い上がってきた。

本大会はダブルエリミネーションのルールで開催されている。簡単に言えば、2回負けたら終わり、というルール。つまり、ヤヨイは1回でも勝てば優勝、逆に赤猫は2連勝しなければ優勝できない。

1度勝者サイドで対戦しているこのカード。1戦の敗者サイドを挟んでの再戦となる。決勝という場の緊張、かつここまでプレイし続けてきた疲労、それらを抱えながら、試合は始まった。

赤猫がDiscord通話に参加していなかった都合、ヤヨイ目線での記録となる。

デッキ分布発表で最大の母数を記録し、文句なしのトップメタと言えるゲーム開発部ヴェリタスのミラー対決となる。

早々に引き直す手札を決定したヤヨイに対し、1分近い時間を悩みマリガンを確定した赤猫。

先行を獲得したのはヤヨイ。《花岡ユズ》を出撃させてターンを返す。

やや返しづらい初動だが、《小鈎ハレ》なら返せると観衆から声が上がる中、赤猫が繰り出したのは《才羽モモイ》。辛いハンドかと心配されたのも刹那、即座に神秘解放。そのまま《Pixel Time》が放たれる! ゲーム開発部の出撃効果は不発だったが、《モモイ》がデッキから重なりLv3へ。何度も環境を揺るがした攻撃・制圧時のコスト6以下の<ミレニアム>を踏み倒す効果を発動可能になった。そのまま《ユズ》に攻撃し、飛び出したのは《各務チヒロ》! 5枚のうちから2枚を回収し、そのまま5点の制圧を決める。エンドフェイズ時に《チヒロ》の効果で1コストに軽減された《音瀬コタマ》を出撃させターンが返る。おおよそ後攻1ターン目とは思えない盤面を展開した上に後続まで確定しているであろうこのブン回りに観衆はどよめいた。

先行2ターン目、ヤヨイは《Unwelcome School》の回収する部活を1分以上悩んだ末、<ゲーム開発部>の回収を確定。《小塗マキ》を出撃させ、攻撃・制圧時効果を使いまわされる危険性のある《モモイ》を撃破しターンを返す。かなり苦しいターンだが、《Pixel Time》を持てているため、何とか1ターン耐えたいという所だ。

続く赤猫の2ターン目、《イタズラ☆ストレート》を発動。3枚を回収し《小鉤ハレ》を出撃。盤面の<ヴェリタス>が4枚になる。《ハレ》で《マキ》を撃破し、《天雨アコ》を出撃させる。後でわかったことだが、通常《アコ》は1枚とされているテンプレから外れて赤猫のリストには4枚採用されていた。 より手札の循環に重きを置く構築だったのだろう。真ん中に6点、右に2点ので制圧が決まり、ヤヨイの制圧度は15/4/13となる。さらにエンドフェイズ時に《チヒロ》の効果で再度《チヒロ》が重なる。さらに後続の2枚を確保しターンは返る。

トップが《チヒロ》なら確実に盤面は返る。そうガヤに話されていたヤヨイのドローは《イタズラ☆ストレート》。《Pixel Time》からつながるカードを引きたいところだったところにシャーレの重複は苦しい。
うろたえずに《ハレ》の前に《才羽モモイ》を出撃しそのまま神秘解放。《ハレ》を疲労させ、そのまま《才羽ミドリ》を《アコ》《チヒロ》のいる真ん中へ出撃。ヤヨイも《Pixel Time》を発動し、《花岡ユズ》を《ミドリ》と同じエリアに出撃。それぞれ神秘解放を果たした<ゲーム開発部>。Lv3になった《モモイ》で《ハレ》を攻撃時に《天童アリス》を出撃!《コタマ》と《アテナ3号》の出撃する右エリアに着地させ、《チヒロ》のAP低下を解く順で盤面を全て取り切る。ゲーム開発部が揃い踏みして盤面を返し、エンドフェイズ時に全員で神秘解放していく本来の<ゲーム開発部>の姿(《モモイ》は3枚採用の為不発ではあったが)に、観衆は得も言われぬ「エモさ」に包まれた。

盤面はなくなったが手札は7枚もある、《各務チヒロ》の強みが残った赤猫の後攻3ターン目、まずは《イタズラ☆ストレート》で2枚を回収。《ミドリ》《ユズ》の待つ真ん中に《小鉤ハレ》を出撃させ、左に《アテナ3号》を展開。《小塗マキ》を真ん中に出撃させ、《ユズ》だけをとりターンは返る。

ヤヨイの先行4ターン目、《イタズラ☆ストレート》で回収するカードを選ぶ中、観衆は「《チヒロ》の出撃時効果のめくり方にもよるが、もうリーサルあるのではないか?」と気が付く。《チヒロ》・《マキ》・《プラナ》を回収し、《才羽モモイ》の制圧時に《各務チヒロ》を右に出撃し、《チヒロ》と《ハレ》を回収する。しかし時間がない! 《天雨アコ》を出撃させて効果で手札を整えたのち《才羽ミドリ》で《マキ》を殴り、効果で《Pixel Time》を詠唱! しかしこのシャーレは演出も効果処理も長い! ギリギリ《ハレ》を《アコ》でとることに成功し、何とか盤面を返し一命をとりとめたものの時間切れ、制圧できたはずの右の制圧度は15のままだ。
エンドフェイズ時に《小鈎ハレ》だけ出撃させ、赤猫へとターンが返る。

赤猫は《才羽モモイ》を左に出撃させ、効果で右の《チヒロ》を疲労させる。その後真ん中に《ミドリ》を出撃させ、そのまま放たれたのは《時計じかけの花のパヴァーヌ》! 真ん中にデッキから《天童アリス》が出撃し、《ハレ》を撃破。盤面に4体ある<ミレニアム>を種に、《コタマ》と《チヒロ》を出撃。しかし、ヤヨイの《各務チヒロ》の効果とレベルの上がった<ゲーム開発部>の面々の硬さからこれ以上盤面を取ることが出来ない! 攻撃していない《モモイ》で《アテナ3号》を殴ればデバフが1減る可能性を観衆は考察するも、赤猫には制限時間も思考時間も足りない! ギリギリ《ハレ》で疲労している《チヒロ》を殴り1ダメージだけ与え、メインフェイズが終了する。
エンドフェイズ時の《チヒロ》の効果で真ん中へ《ユズ》が飛び出し、《アリス》もまた大量の<ミレニアム>のおかげで神秘解放する。

だが、万事休す。《アリス》で誘発型制圧禁止効果を持つ《音瀬コタマ》とAP低下効果を持つ《各務チヒロ》を同時撃破し、左に《プラナ》を出撃させ、《天雨アコ》によって強化された攻撃で《モモイ》を撃破。《小鈎ハレ》を右に出撃し、《チヒロ》を神秘解放させ、打点が揃う! 左7点右15点が決まり、ヤヨイがストレートで対抗戦アリーナ第二回公式CSの優勝者へと輝いた。

Winner:ヤヨイ

複雑化した対抗戦アリーナは、もはや制限時間は120秒では全く足りない。誰もがそう思うであろう中、実際にこの試合でも両プレイヤーが時間切れになっている。その中でも、妥協して盤面を取りに行く判断をド壇場で素早く行ったヤヨイの先行4ターン目が、勝負の分かれ道だったのではないだろうか。

前大会準優勝からのリトライ、前大会途中敗退からのリトライ、そんな2人の超ハイレベルなミレニアムミラーは、ヤヨイの勝利となった。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?