THE W 2023感想

保険をかけておく
 僕は賞レースが好きだし、賞レースにかけられたネタに対して一般人がやいのやいの言っているのを見るのも、採点への不満を見るのも好きだ。川上洋平は以前映画レビューに点数を入れていたが、入れなくなってしまった。XにKOCの採点をちょろっと載せたところ、2つしかいいねが来なかった。しかし、その2つはカゲヤマの2人だった。しかもM-1の準決勝で彼らは「素人のレビューが参考になる」と叫んでいた。どうせ誰も見ないから炎上もしないし、感想を並べておこう。点数付きで。

まいあんつ 85
 面白かったが、アキトとどうしても比べてしまう。大声だけで、フレーズとしての面白さに欠けるギャグがあったのではないか。その意味で、「ドロップではなくギャロップ」、「ジンギスカンパーティーをしていた女性を探している」は笑ってしまった。あと自動ドアに挟まれた顔と、紹介Vでのゴリラ踊りがかわいかった。

はるかぜに告ぐ 90
 コンビ名が好き。序盤、「明日警察に行く」だけでびっくりしすぎているので少し冷めてしまった。もっと小さなツッコミでよかった。あととんちゃんの声がhump backだった。頑張ってほしい。岸和田に対してちょっと見下した気持ちがないと、笑えなさそう。たまたま岸和田に対してそう思ってなかったから、はまらなかった。ヒコロヒーやウエストランドが東京の街を叩いているのは笑ってしまうが。

スパイク 92
 2人の声がいい。松浦さんのカラっとした声、小川さんのしっとりした雰囲気の声のバランスがいい。デュクシに大してすかさず「当ててください」のツッコミがいい。これまでよりリアリティがあり、いそうな客だなと感じた。また、30分の残業、手取り額など、売れっ子芸人にはない庶民感覚がすてき。

やす子 96
 明るい声が楽しい。いつまでも癒されながら聞いていられる。「大佐が咲いた」からずっとわくわくしていられる。さらにイラストもうまい。意味のない虹も微笑ましい。怪文チェックの後半は、結婚式のプランナーから新郎に代わる和牛を彷彿とさせ、ドキドキできた。複数回の視聴に耐えられる、元気をくれるネタだった。毎年出てほしい。

ハイツ友の会 94
 イラっとくる内田さんの話し方、時々似た人がいる。本人は気づいていないのだろうが、ハイツ友の会がそれを痛いと感じるのが素敵。途中から攻守が入れ替わる構成がよい。ちなみに清水さんは食事中に背筋が伸びていて上品な感じ(今日見たわけではないけど)。

紅しょうが 89
 今年の稲田さん、濃いめのメイクが素敵。テレビで見るより、舞台での生の迫力に笑わされた観客が多かったのだろう。劇場番長と呼ばれるコンビは、この迫力で人気なのではないか。常識人面した稲田さんが派手な私服を着ているなど、最近人間としての面白さを知って、好きになってきた。

変ホ長調 92
 まさに蘇った伝説。M-1での酷評にもめげず、続けていることに価値がある。誰にでも作れそうな、突飛さのない面白いネタ。この日常系のネタが作れたらと悔しく思っている芸人も多いのではないかと思う。一人でのんびり見て、クスクス笑えるようなコンビが賞レースで勝ち進んでいるのが嬉しい。

梵天 86
 ちょっとお姉ちゃんが怖い。そこまで目を見開かなくてもいい。妹の声のトーンはもう少し抑揚があってほしい。溜めて解放のボケの割に、爆発が足りず、ちょっと薄いネタに感じる。もう少しテンポ早く、ボケを詰め込んだものの方が受けるのでは?

ゆりやんレトリィバァ 93
 コメディアンに成長したゆりやん。僕は一度優勝した芸人は再挑戦しないでほしいと思っているのだが、それは置いておいて。ちょっとゆりやんのファンに受けるようなネタ、という感じはする。幅広く笑わせるネタかは微妙。僕はファンですが。ケイティ・ペリーに乗せて、楽しく展開していくネタ。表情も楽しい。後味の悪いシュールな終わり方は嫌いだが、今回は面白すぎる。ただ、水卜さんの驚き方がわざとらしい。

妖怪 95
 「くだらないよ~」の煽りから始まるネタ。期待が高まる。過去大会ではあまりはまらず、冷めて見てしまった。ドラムの音がちょっと大きい。あぁ~しらきの問題ではないだろうが。登場までの焦らしが長くつまらないが、妖怪が出て来るならあれもありだろう。今後の人生を賭けたネタという感じがする。強い。かまいがちですっぴんを披露していたが、角刈りになるなら何でもよかったのだろう。芸人という感じがする。報われてほしい。もうあのサックスの音楽を聞くだけで笑ってしまう身体になりそうだ。

ぼる塾 94
 はるかちゃんがにこにこしていて、癒される。田中の票に喜んでいるのも。それぞれしっかりキャラが立っていて、愛せるキャラクターという感じ。はるかちゃんも田辺さんもあんりも、そこにいて欲しいなと感じる。単独ライブ行ってみたいな。

エルフ 97
 僕はよく賞レースで泣くのだが、今年はエルフで涙があふれた。普段はネタではなく芸人の熱さに泣くのだが、今年は人々を奮い立たせるネタに感動した。荒川の声が明るくて、荒川と一緒にはるちゃんを応援したくなる。エルフのネタは毎回メッセージ性があって、後味がよい。ただ笑うだけでない。学びを得るネタである。こんなネタが作れる荒川は、人間としての深みがすごいのだろう。有村架純とも思えるし、ゴリラでないともいえない。何か間違いがあって荒川と付き合えないかなあ。これだけ気合の入った女性と。

 最終決勝に関していいたいことはないです。エルフ贔屓が止まらないので。「生きてるみんな全員!」というメッセージだけで、ネタをやる価値がある。アートに関しての造詣もあるのかな。

おわりに
 何となく川島が審査員として威厳が足りないと感じるのは、僕が彼のファンでないからだろうか。M-1の宮迫と同じ感情だ。審査は野田から発表か、塚地から発表か、絞ってほしい。山里の司会はよかったが、ネタに対してのコメントがない今田や浜田の司会に慣れているため、あまり自我を出さないでほしいと思ってしまった。応援ブースがつまらない。今回好きだったCMはぺこぱのドッグフード。結局、印象に残ったのはちいかわの泣き方だった。


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