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2000文字も1行から

天狼院書店ライティング・ゼミ、第二回課題の結果は…。

不合格、でした。
思った以上に凹んでます。

タイトルに悩んだ文章でしたが、タイトルは関係ありませんでした。
それでもここ「note」という、自分でアップできる機会があるというのは
ありがたいものですね。

もし宜しければ、貴方のお時間を頂けましたら幸いですm(__)m

※投稿時のタイトル「自分と他人の文章の文字を数えてみた結果」を改題。


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2000文字も1行から

ライティング・ゼミに申し込んだ後で考えたのは、
私に2000文字の文章が書けるか、という問題だった。

それで、何年も前に書いた自分のブログを開き、
少し長めの記事の文字数を数えてみた。
数えると言ってもPC上だから簡単だ。
全部コピーして、MicrosoftのWordに貼り付ければ、勝手に数えてくれる。

結果、だいたい3桁。少し長くて1200くらい。
あ~やっぱり。2000文字には程遠い。
唯一、1800近くになったのが、その頃不満に思っていたことを、
心に浮かんだまま「ひたすら書き殴った」記事だった。
自分の気持ちを心の底から押し出すように書いて初めて、
ようやく1800文字。
これはよっぽど気合を入れないと、2000文字なんて書けないぞ。


早く第一回の課題を書かなきゃと焦る気持ちとは裏腹に、
現実逃避だとわかってはいたが、
そのまま私は他の人の記事の文字数を調べ始めた。

フォローしている絵日記ブロガーさんが、
初めて「note」に記事をアップしたとあったので早速読んでみる。
クスッと笑えてとても面白い。
文字数は5000を超えていた。
ブログの文章は短いけれど、さすが、
イラストエッセイの本まで出している人は才能が違う。

その後もふらふらとネットをさまよう中で、
2016年代にライティング・ゼミに参加した人のブログを見つけた。
そこから飛んだWEB掲載記事を読むと、
合格しているだけあって当然面白い。
文字数は、2000台も3000台も、4000台さえあった。
その頃の課題の文字制限範囲は今より広かったのだと小さな発見をしたが、そんなことより。

ブログ主の課題は、16本中15本が掲載されていた。
私にこんな文章が書けるのか? 一抹の不安がよぎった。

ライティング・ゼミの講師である川代さんの文章も、読んで数えてみた。
テレビ番組で取り上げられたという
「元彼が好きだったバターチキンカレー」は5279文字。
なんとなくクリックして読んだ
「ガールズバーで一番人気だったあの子はちゃんと幸せになれたのかな」は5544文字。

どちらも長文なのに全く飽きさせない、というより、
まるでサスペンス小説でも読んでいるかのような気分で、
先へ先へと「読まされた感」が凄かった。
初めに持った「行間の余白が少ないから読みにくそうだな」という印象は、跡形もなかった。

そして累計35万PV(そのページの閲覧数)を誇るという
「親にまったく反抗したことのない私が、22歳で反抗期になって学んだこと」は
圧巻の10286文字! なんと1万字超え! 

とはいえページを開いた全員が、
この長い記事を最後まで読んだかはわからないぞ? 
と一瞬思ったが、同じく一瞬でその疑問は消えた。
私自身、1万字超えとは知らないまま軽い気持ちで読み始め、
最後まですんなり読み切ったのだから。
さすがの筆力に脱帽。許されるなら「す、すげぇ」の顔文字を使いたい。

数えたのはネット上の記事だけではない。
プロのエッセイストはどの位の文字数を書いているのかと、
本棚の奥から随分昔に買った文庫本を引っ張り出してみた。

阿川佐和子著「いつもひとりで」文春文庫
(単行本は大和書房より2000年刊行)

阿川佐和子と言えば、作家阿川弘之の娘さんであり、
テレビ・ドラマにも出るタレントであり、
著名人との対談をまとめた「聞く力」は
累計170万部のベストセラーという、
エッセイスト・小説家という肩書には収まらない才女である。
私はこの方の、才女という言葉のイメージからは程遠い
(と言っては失礼かもしれないが)、
ユーモアに溢れた飾り気のない文章が好きなのだ。

この本は3章に分かれた、全54本のエッセイ集。
本だからWordに貼り付けることは出来ない。
かといって、さすがに自分で入力する気にはならなかった為、
単純に各エッセイの「行」を数えてみた。
(ひとりの手作業なので間違っている所があるかもしれないが、
ご容赦頂きたい)

1章 20本 全1072行
2章 18本 全807行
3章 16本 全1116行
全章 54本 全2995行

この行数を本数で割れば「平均値」がわかる。
しかしそれだと突出して長いもの、短いものに影響されてしまう。
そのため「中央値」(データを小さい順に並べた時、ちょうど真ん中の順位になる値)をMicrosoftのExcelで算出した。
その値に1行39文字を掛け算すれば、1エッセイの文字数中央値がわかる。
結果は

1章 46行 1794文字
2章 40行 1560文字
3章 61行 2379文字
全章 47行 1833文字

また、最も短いものが2章内『「死ねばぁ」の愛』24行で936文字。
最も長いものが3章内「阿川一家のクルージング珍道中」207行で8073文字だった。

実際は、文の途中で改行された、1行39文字以下の部分が多々ある為
もっと少ないはずだが、大体の傾向がわかれば十分だ。
こうして数えてみて、やはり課題の「1800文字以上2999文字未満」には
意味があるのだと、決して疑っていたわけではないが、
改めて実感できた次第である。


そして、今の私がこの本を引っ張り出したのは、必然だったらしい。
「あるあるへえー」という1833文字のエッセイに、こんな会話があるのだ。

場面はご友人の文章教室。そこへゲストとして招かれた阿川さんは、
講師であるご友人が「文章を書く時は設計図を作ることが大事」と
話すのを聞き、ギョッと驚く。

「やっぱり設計図って必要ですか」
「そりゃ、ある程度の構成を頭でまとめてから書き出すほうがいいんじゃないの」
「でも私の場合、設計図を組み立てようと目を閉じて考えているうちに、寝ちゃうんです。だから何も考えず、とりあえず一行目を書き出す。それから考えることにしてるの」

お友達には「ま、そういうやり方もあるでしょうね」と「軽くいなされ」、阿川さんは「にわかに不安になってきた」が、
この教室は「自分のために大いに役立った」そうだ。
(ちなみにタイトル「あるあるへえー」はエッセイを書くコツ。
終わり際には阿川さんご自身の考えが述べられている)


この本は、Wikipediaによれば阿川さんの14冊目のエッセイ集である。
それだけ本を出していて、
文字数3桁の文章から長編小説まで自在に書けるプロが
「何も考えず、とりあえず一行目を書き出す。それから考える」のだ。
素人の私が頭で考えるばかりで、まずは一行目を書き出さなくてどうする。


もうひとつ、別の著者の、記憶に残っている一文がある。
誰のなんという本かは残念ながら覚えていないし、一言一句同じでもない。
ただ、コピーライターとエッセイストの両方を経験した人の言葉なので、
さすが、なるほど確かに! と、強く印象付けられたのだ。それが

「たくさんの情報を一行に凝縮するのがコピー。
一行を膨らませるのがエッセイ」


2000文字の課題は、エッセイと同じだ。
だからまず、一行を書く。一行から、膨らませる。
千里の道も一歩から。
2000文字も、1万文字を超える記事も、長編小説も、
み~んな、一行からだ。
面白い記事を書くことは、その次の段階。まずは書かなきゃ始まらない。


そうして書き始めた第一回課題は、
3000文字近くになってしまい自分でも驚いた。
特別「心の底から押し出すように」書いたわけでもないのに。
しかも合格し、WEBに初掲載された。
先に合格した人の素晴らしい文章を読んで、
自分はダメだとかなり落ち込んでいたのに。

筆がどう進むか、いや今の時代は、指がキーボードの上でどう動くかだな、
それも書いてみなけりゃわからない。

この指が、どんな言葉を紡ぎだすかを楽しみに、
何をどう書こうかと悩みながら今日もキーボードに指を置く、
私なのである。


≪終わり≫

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆

最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。

この文章を書いたことが、
自己紹介(プロフィール)の画像に繋がりました。

とにかく「まずは一行から」と思って、
次の課題はコンテンツになるように、頑張ります。


【2021/6/26 深夜1時追記】

少しでもクリックしてもらえるように画像を変更。
そのついでにちょっと追記。

この記事で伝えたかったことは、
阿川さんの言葉「何も考えず、とりあえず一行書き出す」と、
最後に出てきた「一行を膨らませるのがエッセイ」でした。

後者はおそらく林真理子さんの言葉だと思いますが、
記憶が曖昧だったのでお名前は書きませんでした。

同じ2000文字の課題に立ち向かうゼミの仲間たちに、
「こういうこと言ってるプロが居るよ~」
「まずは一行から、お互い頑張ろうね~」と、
完全素人が、おこがましくも伝えようと思い、書き始めました。

文字を数えるというのも、実際にやったことで、
阿川さんの各エッセイが課題の文字数と似ていたことがわかり、
これも「なるほど!」と思いました。
だからゼミの仲間たちも、同じように思ってくれるかな~と。

しかし細かい数字の羅列は「第三者」には興味が無いもの。
途中で読むのをやめたくなる=コンテンツとして弱いもの、
なのですね……。

自分としては最後の文章が気に入ってます。

この指が、どんな言葉を紡ぎだすかを楽しみに、
何をどう書こうかと悩みながら今日もキーボードに指を置く、
私なのである。

こんな風に最後を締めることになるとは、自分でも思わなかったので。
自己紹介「はじめまして」は、この課題を書いた後にアップしました。

天狼院書店のメディアグランプリには掲載されなかったけれど、
自分で思いもかけない言葉が出てきたことは、よかったと思ってます。

月曜〆切の課題も、あらかた書き上げました。
土日に推敲する予定です。

さて次回は合格か、不合格か。
どちらにしてもお時間ありましたらまた、お読み頂けると嬉しいです(^^)

それでは。(人-ω-)゚*。★おやすみなさい★。*゚


※2021/6/27 深夜1時 再追記
読みやすくするため、文章の改行を増やしてみました。


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