paiza×Qiitaコラボキャンペーン第2弾、罠かもしれない…?
問題の解答の公開は、paizaの利用規約違反かも…?
paiza×Qiitaコラボキャンペーン
現在、paiza×Qiitaコラボキャンペーンの第2弾が開催されている。
これは、対象の問題を解き、キャンペーンの条件 (キャンペーンへのエントリーを含む) を満たした記事を投稿することでプレゼントが貰えるチャンスが得られるというものである。
よく考えずに参加しようとすると、問題を解いた解答コードやその解説などを記事として公開してしまいそうである。
paiza系サービスの利用規約と対象問題
ここで、paiza系サービスの利用規約 (アーカイブ) を確認してみる。
すると、以下の項目があることがわかった。
この項目は、「当社(paiza株式会社)がpaizaで出題した問題」について、
内容
当該問題に対する解答
解答へのヒント等の示唆
カンニング等の不正を助長する内容
を不特定多数に対して公開することを禁止していると解釈できる。
規制の対象は「paizaで出題した問題」であり、「現在スキルチェックとして挑戦可能である」などの条件は無いようである。
一方、今回のキャンペーンの対象問題は「paizaラーニング」に掲載されている。
これは、「paiza」(スキルチェックサービス) とは別のサービスであり、利用規約上も別の章になっている。
「paizaラーニング」については、利用規約上問題の解答などの公開は禁止されていないようである。
しかし、今回のキャンペーンの対象問題は、以下の3種類である。
過去にスキルチェックに出題されていた問題
paizaのリアルイベントにて使用した問題
スキルチェックの各ランク相当の難度の問題
ここでいう「スキルチェック」とは「paiza」のことであると考えられ、「過去にスキルチェックに出題されていた問題」については確実に「paizaで出題した問題」であるといえるだろう。
また、「paizaのリアルイベントにて使用した問題」についても、「paizaの」となっており、「リアルイベント」については利用規約上特に言及が見当たらない (独立した章になっていない) ことから、「paiza」に含まれ、そこで使用した問題は「paizaで出題した問題」である可能性が高そうである。
よって、これらの種類の問題については、解答などの公開はpaizaの利用規約違反となる可能性が高いと考えられる。
「スキルチェックの各ランク相当の難度の問題」については、あくまで「相当」であることから、実際のスキルチェックの問題と直接関係はなく、「paizaで出題した問題」にあたらない可能性がある。
利用規約違反を避ける方法
今回のキャンペーンへの参加において、以下の方法を用いることで、利用規約違反を避けた記事を投稿することができるかもしれない。
スキルチェック見本問題を選択する
前述の通り、スキルチェック見本問題 (スキルチェックの各ランク相当の難度の問題) は、解答などの公開が禁止されている「paizaで出題した問題」にあたらず、記事で扱っても利用規約違反にならない、という可能性がある。
該当の問題が本当に規制対象外だと思う自信が十分あるのであれば、これらの問題の解答や解説を記事にしてもいいかもしれない。
感想や一般論のみを記事にする
キャンペーンのページをよく見ると、以下の記述がある。
すなわち、「感想」の投稿も歓迎されそうである。
ここで、参考としてAtCoderのルールを見てみると、
とあり、問題の内容の情報を含まない「感想」をSNSに投稿することは、解法に関する内容を投稿してはいけないコンテスト中においても許容されることがわかる。
同様に、「paizaで出題した問題」についても、問題の内容の情報を含まない感想だけであれば、公開しても利用規約違反にならないと推測できる。
とはいえ、感想だけでQiitaへの投稿に適した記事が書けるか、というのは別問題である。
また、キャンペーンのページにおいて「こんな投稿をお待ちしています」とされている項目には、以下が含まれる。
これらに該当する内容で、具体的な問題の内容には言及しない記事であれば、利用規約違反にならず、かつQiitaへの投稿に適した記事が書ける可能性がある。
とはいえ、特に低いランクの問題には単純な入出力とわずかな計算だけで解けるものもあるため、(paizaとの関係を示唆しながら) 言語の基本的な構文を紹介するだけでも問題の重要な部分に関する「解答へのヒント等の示唆」などに該当し、利用規約違反となる可能性もある。
利用規約の解釈を見直す
利用規約の今回のキャンペーンにおける記事投稿の障害となりそうな部分を、もう一度見直してみる。
これまで、掲載が禁止されている内容の項目の一つとして「カンニング等の不正を助長する内容」があると解釈してきた。
しかし、「不正を助長する内容」が、「問題の内容、当該問題に対する解答、解答へのヒント等の示唆およびカンニング等」全体にかかっていると解釈することを検討してみる。
この解釈では、スキルチェックとしての出題が終了した問題の解答などを公開しても、「不正を助長する内容」には該当せず、利用規約違反にならない可能性が出てくる。
とはいえ、この解釈では「カンニングを掲載する行為」の存在が考えられるが、これは意味がよくわからない。
「助長」の対象として「カンニング等の不正」があると解釈するほうが自然であり、この新しい解釈案の正当性は怪しい。
他の利用規約違反の可能性
paiza系サービスの利用規約には、各サービスに共通の事項として、以下の項目もある。
そのため、問題の情報を利用 (法律には違反しない「引用」も、「私的利用」ではないため、当然含まれる) した記事を公開する行為は、利用規約違反になる可能性がある。
記事を公開する際は、問題の情報の利用にならないよう、注意するべきだろう。
というか、それを言ったらこの記事も利用規約や問題の種類の情報を利用しており、ヤバいか…?でもこれらはサービスの本質じゃないし、「サービスを通じて入手した情報」ってほどじゃないか…?問題の種類の情報は問題に関係するし、かなり黒よりのグレーかも…?
まとめ
paiza株式会社がpaiza (スキルチェックサービス) で出題した問題の内容や解答などを不特定多数に公開する行為は、paizaの利用規約違反となる可能性が高そうである。
この規制の対象となる「paizaで出題した問題」について、「現在スキルチェックとして挑戦可能である」などの条件は無い。
そのため、Qiita記事投稿キャンペーンがあるからといって、該当の問題 (スキルチェックの過去問など) の解答や解説などを公開してしまうと、paizaの利用規約違反になると考えられる。
また、「paizaで出題した問題」に該当しなくても、paizaラーニングなどの問題の情報を利用 (引用を含む) した記事の公開は利用規約違反になる可能性がある。
キャンペーンに参加するかどうか、また参加する場合に公開する記事の内容については、自己責任でよく検討するべきだろう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?