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『汎愛奇譚集』についてぼんやり

今日がラスト稽古休みなのでぼんやりしています。やることはたくさんありますが、用事なくぼんやりする時間が創作には欠かせません。こういったnoteの記事もぼんやりした時間から生まれます。さすがに今日は短く行きます。
さて、今週末から三週間にかけて出演する「汎愛奇譚集」ですが、公式からの説明にはこうあります。

「汎愛」というのは「分け隔てない愛」、博愛ととても似た意味です。ハンアイという響き、「反愛」「範愛」「飯愛」「煩愛」「半愛」など色々連想できて、私はとても興味深く好きです。今回は、分け隔てない愛による「ちょっとおかしな、嘘じゃないみたいな嘘の話」をお送りします。そしてなんと1作品1000円ぽっきり。ただ、俳優たちもスタッフ陣もとっても最高です。1000円なのに最高。これはもう、私たちの真心でしかないのです。安いけど、素晴らしいものをお届けします。

木村美月の企画3「汎愛奇譚集」https://mitsuki-no-kikaku.site/

あまのじゃくの自分は、「分け隔てなく」愛するなんてことがありうるのかなんてまず思っちゃいます。分け隔てなくというと、人によって態度を変えないだとか、出会ったすべてのものを愛するみたいなことが想像されるわけですが、人間にそもそもなにかを愛するということができているのか。……なんか冷笑的で嫌だな、自分。でもいまはそこはどうでもいいです。私の興味は「分け隔てなく」の方にあります。

正しく厳密に「分け隔てなく」などということが可能か。理想としては、可能だと思います。ここに全人類がとかの主語がついたらもう途方もない理想になりますが、それはもはや人間でない別の種族の話になると思います。個人が人生の中で出会う人のことを分け隔てなく愛するということ自体は不可能なことではないと信じます。そう信じて行動する人間のことが素敵だとも思います。一方でそれをむずかしいと感じて、できないのも、人間らしいと感じる私がいます。前者は理想的すぎて現実離れしているし、後者は現実的すぎてちょっといやです。だから私はこの狭間に放り込まれた人間のことを観てみたいと思います。その人のことを愛することができるのか、できないのか、わからない、どうにもなるような気がする、言葉ではぴたりと言い当てられない位置にいる人間。そんな狭間を描き出せないものかと格闘中です。狭間はあるいはまた、家族、生と死、人間といった言葉で分け隔てられたそこにも当然あるようなものでして……


木村美月の企画第3弾『汎愛奇譚集』

作 木村美月(阿佐ヶ谷スパイダース)
A 『ある不器用な家族の冒険』
演出 山崎元晴 | 出演 八頭司悠友 志甫まゆ子 椎名慧都
B 『午後の死』
演出 木村美月 | 出演 宮地洸成 渡邊りょう 椎名慧都
C 『東京猫』
演出 渡邊りょう | 出演 木村美月 八頭司悠友 宮地洸成 志甫まゆ子 

◯日程
2024年3月1日(金)~3日(日)/8日(金)~10日(日)/15日(金)~17日(日)

◯ご予約・詳しいスケジュールはこちら↓
チケット取扱 こりっちチケット
https://ticket.corich.jp/apply/302639/miy/

※受付開始・開場は開演の15分前より。2作品以上続けての観劇可。
※各上演時間はいずれも30分程度を予定しております。
※土日は昼の部と夜の部の合間にイベントを開催。イベント内容はX(旧Twitter)やHPにて発表

◯会場 下北沢 スターダスト
小田急線・京王井の頭線下北沢駅より徒歩1分
〒155-0031 東京都世田谷区北沢2丁目19−10 3F

◯スタッフ
舞台協力 内間遼 桂川裕行/照明協力 北澤真/音響協力 Rioかおり/衣装協力 志甫まゆ子
宣伝美術 たかはしともや/HP作成 内田百香/CM・映像製作 山河図/写真・宣伝動画 Aka Eva
制作協力 雨宮嵐/企画・製作 木村美月の企画

◯料金
料金 前売・当日 各1,000円
(全席自由・日時指定・税込)


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