思い出の思い起こし方、について。1パターン

最近、あるものを変えてみました。
変えた、というよりも、戻してみた、というのが正解。

たまたまお店で見かけて、懐かしさから。


いつもはもう少しいいものを、買ってる。
使用感から何から、今のは今ので気に入ってる。
けど、迷う間も無く懐かしいものを買ってた。


買ってから何日も、保管してた。
今使ってるのがなかなか終わらなくて。

終わりかけで、早めに用意した、それ。
やっと使える。
ドキドキしながら開封する。懐かしい香り。
少し濃い匂い、にドキドキする。

さっそく、使ってみる。
一瞬で鼻の奥に届く匂い。
懐かしい匂い。
そう、これこれ、これだよ、懐かしい。


今のとは違う手触り、懐かしい、手触り。
なんだろう。
この気持ちは。

優しくなれそうで、トゲトゲしていて、
それでもって包み込まれているかのような、
いや、爽快に過ぎ去っていく、変な気分。
そんな、匂いだった。



それはシャンプーの匂い。
それも学生の頃に使っていたもの。
今のとは違う。

ふと香る、このシャンプーの匂いに
大学生の頃にしてきた
バカみたいに長い話し合いのことや
バカみたいに騒いだ飲み会
そして、バカみたいに嫌いだった活動のことを
ちらりと思い出す。


匂いのように、意識せずとも、ふとあらわれて
ふと消えていく。

その一瞬で、その瞬間だけ、
頭の中がどこかへ飛んでいく。




別に綺麗な思い出ではないんだけど、
思い出したいわけではないんだけど、
心のどこかで忘れたくないような気がして、

また、使ってみようと思った。
いつか、忘れた頃に、見かけたときに。

何もかも無くしてしまいたいときに。

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