西瓜、あどけなく。

あの時僕は、友達と西瓜割りをしていた。

僕は目隠しをして、その辺にあった木の棒を高く振りかざしていた。

「右だ!左だ!」

興奮したような声が、今でも鼓膜を緊張させる。

あれから何年が経ったのだろうか。僕はまだ、西瓜を割れずに彷徨っている。

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