ならざきさん企画。ものかきさんにちょうせんじょう。
ならざきさんが作られた元のお話しを一部変えてみようという企画です。次のURLの元文章を読んでからどうぞ。https://note.mu/muturonarasaki/n/n1302d3ed591a
以下、一部を変えたお話し。
お題 「夏休み」
「ジイチャン、アッタ・・・アッタ・・・」
首に巻いた大蛇に額を噛みつかれた私に、隣で手に持った孫の隼人をつまらなさそうに指で小突いていたはずの巨人が、突然元気良く声をかけてきた。
「お?どれどれ――」
大蛇の毒により二重に見える巨人の手元を覗き込むと、孫の隼人の肌の色がうっすらと変わっていくように見える。
「お、チアノーゼだな」
「チアノ・・・・ゼ・・・?」
不思議そうに私を見つめる巨人に、私は笑う。
「酸欠により皮膚や粘膜が青紫色を帯びること、だったかな」
「エーッ?!ヤッター!」
私の答えに、巨人は隼人を握りしめながらバンザイした。勢いが良すぎてふらついている。
「おいおい、転ぶなよ」
「オレ、ハシルノ、スキ・・・!」
巨人がそう言って駆け去っていくのを見送った私は、改めて手元の孫を見つめる。
孫の脇腹から出ているのは、何かの骨のようだった。
「・・・肋骨だ!」
私は一人呟くと、首に巻きついた大蛇をいったん棚に置き、タコで額の毒を吸い取った。
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