見出し画像

2022年10月2日〜劇的に優勝を逃して

2022年10月2日

福岡ソフトバンクホークスは141試合目終了時点でマジック1まで来ていたのに、1日の西武戦では優勝まであと4アウトまで来ていたのに、最終戦の143試合目で超劇的に優勝を逃した。

シーズン最終戦、ZOZOマリンスタジアムで千葉ロッテマリーンズ相手に3-5の逆転負け。

三森、柳田のホームランに先発板東の快投。幸先自体は良かったが、6回裏の山口航輝の逆転3ランが試合の決め手となった。

その後3点ビハインドで迎えた8回表、あと一歩のチャンスまで辿り着くも追加点は1点止まり。

9回表はロベルト・オスナの前になすすべなく三者凡退。

直前に楽天との試合を終えていたオリックスが勝利していたため、ソフトバンクの敗北によりV逸が確定した。

143試合目まで優勝が決まらなかった2022年のパシフィック・リーグ。

優勝が掛かる最終戦まで、ソフトバンクとオリックスの試合進行がほぼ一緒。

点差も互いに大差にはならず、最後まで結果が読めなかったのは運命のいたずらだろうか。

ZOZOマリンスタジアムでは、試合が終わってもオリックス・バファローズが優勝したというアナウンスが流れることはなかった。

純粋にロッテな勝ち試合として演出が行われ、まるで優勝したのはロッテなのではないかという感覚にすら陥った。

それくらいに現地が一番現実から遠かった。

異様な空気の中、井口監督の退任発表が行われますます事態は混沌としていた。

ZOZOマリンスタジアムから海浜幕張駅に向かう道中、プロ野球ファンになって10数年で最もやりきれない気持ちになった。

秋の夜風に吹かれながら、虫が鳴く中敗北を噛み締めながら歩く1.5キロ。

とても悔しかった。

その悔しさを感じて、自分は思ったよりもホークスのことがちゃんと好きだったんだなとも思った。

近年ホークスの黄金期慣れをしてしまい、勝ちや優勝への新鮮なありがたみをどこかで忘れていた。

ホークスが優勝する年は圧倒的な強さを発揮し、独走する展開になることが多い。

そんな年は個人成績でも傑出した選手が出てくることが多い。

一方2022年のホークスは、中盤以降かなり苦しい中でなんとかやりくりしているといった感じだったので、「優勝する年の感じには思えないな」というのが8月末くらいまでの感想だった。

劣勢の展開をひっくり返すような逆転勝ちはほとんど記憶になかった。鷹の祭典は合計1勝8敗という悲惨な勝率だった。BIGBOSS相手に全く勝てない期間もあった。

また最終的にパ・リーグ球団で唯一個人タイトル獲得者を輩出できなかった。

千賀の防御率1.94は立派だが、最優秀防御率の山本は1.68とその遥か上を行っていた。

その他の個人タイトルも惜しいものすらなかった。

改めてこれでよく優勝目前まで行ったなと感じるが、開幕8連勝の貯金がやはり大きかった。

それに毎月のように中心選手が移り変わる状況で、ユーティリティ性を高く発揮した選手、期待の若手、配置転換後も活躍した選手たちによってチームは支えられていた。

9月12日〜16日に熾烈な首位争いに参加していた西武と楽天相手に5連勝したあたりから、ようやく優勝が意識できた。

しかしその後の9月17日〜9月19日オリックス3連戦で1勝もできなかった。

これが非常にショックが大きかった。

特に19日の対オリックス最終戦で9回裏2アウトから同点に追いつかれて、劇的なサヨナラ負けを喫した時、「ああ天王山で1勝もできないで、最後こんなに象徴的に負けて、これはもう優勝はないかな」となんとなく思ってしまった。

最終結果を踏まえても、やはりこの試合の負けは大きかった。

ソフトバンクとオリックスの勝敗は全く同じ76勝65敗2分で、両チームの対戦成績で優勝が決まったというのも凄い。

シーズンいろんな負け試合に対して、たらればがよぎる。

それでもオリックス戦後は6勝2敗でマジック1まで辿り着いた。

マジック1になってからの2連敗は、自分にはとてもチームの文句を言うことはできない負け方だった。

だからこそ、やり場がなくてしんどかった。

もしかすると力なく大敗して優勝を逃した方が、簡単に文句が思い浮かぶような負け方だった方が、精神衛生上はまだ楽だった可能性すらある。

選手の頑張りが明らかに伝わってくる負けというのは、本当に観ていて辛かった。

「今年は優勝できなくても…」程度に数週間前まで思いながら観ていたのに、いざ目の前でこんな展開で逃すとたまらなく悔しかった。

そんな感情になって、自分は思った以上にしっかりホークスファンだったんだなと気付かされた。

8年前の10.2決戦ではホークスの方がいい思いをさせてもらった。

あの時のオリックスとファンはどれほど辛く悔しかったのか。

その後は昨年優勝するまで苦しんだ期間が長かったオリックスと8年越しにこんな熾烈な優勝争いができたなんて、なんだか感慨深い。

オリックス・バファローズになってから初の2年連続のAクラスが連覇。

長年オリックスを応援していた人たちが報われて本当によかったとは心底思う。

リーグ戦がこんなにも激戦だったのにCSがあるのは野暮だと思ってしまう若年性老害だけど、やっぱりファイナルでオリックスと戦うところまでは行って欲しい。

CSも20年近くやってるわけだから、今更とやかくいうことも野暮か。2位以下だった年のCSってどこか真っ向から応援できないんだよな。

終盤まで熾烈な優勝争いした2位のチームは、なぜかCSのファイナルステージに行けないことが多い気がするけど、なんとかそのジンクスは打ち破ってほしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?