ヒートテンション加工

ヒートテンション加工は非常に便利な加工方法です
理論は 部分的に加熱することにより膨張するのですが、その周りは変化がなく拘束されているので圧縮され縮む事なのですが 理論はともかく部分的に加熱すれば縮むと理解しても 間違いではありません。
ちなみに420度で1m辺り1ミリの縮み。

造船で鉄板を微妙なカーブを作る時にもこの技術が使われていますが、これを帯鋸に応用すれば端の部分を加熱し他の部分より縮める事により ロールで中心部を伸ばした事と同じ状態が作れる訳です。
メリットはロールを入れないので歪みが出にくい 腰入れと背盛りを同時に行える等
デメリットは 加工方法を間違えると鋸の強度や安全性が低下する、局部的に作用しているので 研磨等で除去されるとそれ以前の状態に戻る、亀裂が発生し易い状態になりやすい等。


写真 かなりブレていますが、色とかわかりますよね? 指の部分は接合部、接合は外注です、満足出来る技能が無い私は外部の協力が欠かせません かなり綺麗に仕上げてくれます。

加工方法はロール台の定盤にヒート器具を取り付ける方法、又は専用機械を使います
加工温度はテンパー色で青色 中心部、白色程度を最高温度とします (450度以下) 調整はヒート器具の場合は火力調整や炎の遠近 専用機械では インバーター制御で速度を変え加工温度を決めます。
ポイントとして 温度管理が重要になります。赤色が発色した場合は強すぎで素材が柔らかくなります。

便利な利用方法として 破損時の局部的な腰抜けなどの場合は 伸びている部分(際)にヒートを当てる事により伸びを縮め元に戻す事ができます。

ロールテンションとヒートテンション どちらを使っても目的は一緒なので優劣を決める必要がありませんが 加工所などの場合には 省力化でヒートテンションを採用している所が多いでしょうか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?