背盛りに付いて

基本の目立て技法に付いて 何回かに分けて 私の解釈も入れつつ書いていこうと思います。
まずは 背盛り(バック) 一般に1.5厘程度 狭い鋸ですと2厘 ノーテンションは0と言われているようですが、北米は、鋸幅に関係なく一定です。

 品質管理の観点で言えば鋸幅に関係なくバック量は常に一定にしてください。

同じ鋸を作る重要なポイントになります バック量が変化した=腰が変わった事を意味します、一目瞭然 たったこれだけで鋸の変化が把握出来るようになります。  

不調の元になる原因の一つをバック量を計測するだけで判断できます 普段使うバックゲージは1.5と0(0は新のこ調整とノーテーション用)の二種類だけにしてください。鋸により個体差が有るとトラブル発生時の原因を探る作業が難しくなります、面倒くさい作業に思えるかも知れませんが、職人なら出来てあたりまえです。

背盛の意味を分解して考えてみますと

鋸の変化から、製材による発熱により刃側を中心に鋸が伸びる 前側部分が伸びるので バック量が変わりますね。
次に製材抵抗で後退する力ですが これがどの程度の力なのか知らないのですが バック(背盛)があれば鋸車は前向き傾斜ですので鋸が後退出来ない事になり、後退する応力に対抗できると言われてます。

逆にマイナスバックに成ってる場合ですが、製材中の発熱や何かの理由により鋸が後退した場合 鋸車は鋸を支えてくれませんから大きく後退する事になると思います 危険ですので制作すべきではないと思います(経験が有りませんので想像で書いてます)

次に精度ですが 確か1m辺り100分の5ミリ以内だったような?
実際は、測定すれば完璧ですが、そこまでしなくても実際に回して揺れない鋸を作るのを目的としてください。

背盛り(バック)に関しては 多少試してみたけど、判りません 極端な事をしなければ何でもいいのではと思っていますが最初に書いた理由により統一してください 普通は1.5 ノーテーションは0 これで十分使えます 

同じ鋸を作る基準の一つ、バック量は統一してください 腰の把握と管理が簡単になります

それ間違ってるよって方が居るかと思いますが 可能でしたらデータを添えてコメント頂けると助かります 

優れた研究で藤井義久氏の「帯のこの挽き曲がりに関する研究」 リンク先のp57参照によりますと
http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/78232/1/D_Fujii_Yoshihisa.pdf
「背盛りされた鋸では鋸前縁での引張応力が高くなり、歯先での鋸の剛性が上昇する」とあります。 
では意地悪な疑問として バックを出せば出すほど強度が上がるのですか?その鋸は使えるのですか? 

本や伝聞が100%正しいとは限りません 漫然と受け入れるのではなく何故そうなんだろうと考えてみる事が大切だと思います 


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