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5話 始まった高校サッカー

高校入学時の身長は156cm、体重はだいたい45〜47kgの間くらいだと思う。
中学3年間で20cmは伸びたのだが、伸びてもこの大きさだ。
フィジカル面でいったら到底高校生レベルではない。笑

中学時代は沼津から通っていたが、高校からは親元を離れ寮に入ると決めた。
高校からは朝練が始まるので、沼津からでは始発に乗っても朝練には遅れてしまう。
そこで差がつくのが嫌だった。両親にもお願いをして寮に入った。

静学は高校から入学して挑戦する選手たちも多い。
自分たちの学年は他学年に比べると外から入ってくる選手は多くなかったが、特徴のあるいい選手が入ってきた。

自分たちの学年の静学中は創部初の全国大会2回出場を果たすなど強い代だった。
しかし、高校になると周りのレベルが一気に高くなる。
自分が特に違うと感じたのはフィジカル面。
当たり負けはよくするようになったし、技術だけでは抜けなくて、一瞬のスピードも必要だと感じるようになった。

高校の練習でもドリブル、リフティングには時間をかけ、よく走った。
そして、今までよりも意識高く練習に向き合った。

1年生では関東ルーキーリーグという大会があり、全国高校サッカー選手権に出たことのある常連校が集まってリーグ戦を行う。
静学は関東ではなかったが、参加していた。

ルーキーリーグの試合はそれぞれの高校のグランドでやることも多く、静学グランドで開催される際には必ず張り出される幕があった。

''とんでもない選手になれ''

これを見るとワクワクした。

ここで活躍すれば、

『静学のトップチームに早い段階で呼ばれて試合に出れるかもしれない』

『高校で活躍をすれば、プロになれるかもしれない!』

胸が躍った。

基本1年生グループはルーキーリーグや遠征で試合をするが、シーズンの途中に数名だけトップチームへ帯同が発表される。

今でもよく覚えている。それは北海道遠征だ。茨城の大洗フェリーターミナルから北海道へ向かい、北海道の高校やユースと試合をした。その遠征で自分はトップチームいきのチケットを手に入れた。

確かにその遠征は、調子が良かったと思う。
しかし、それを作ったのは日々の練習や生活、そして明確な目標があったからこそトップチームに上がれたのだと信じていた。

トップチームに上がる時は、周りの1年生を差し置いて上のチームにいく喜びや、今の自分じゃ絶対に敵わない選手たちとやれる緊張感があった。

案の定入ってみると、技術、スピード、フィジカル全て敵わなかった。

もちろん公式戦への出場はなく、
良くてベンチに入ったくらいだった。

今まで常に上の方を走り続けたサッカー人生だったが、ここで2年生、3年生との力の差を痛感した。

公式戦を戦う先輩たちを見て、

『こんな選手になりたい』

『これくらい上手くなりたい!』

と憧れながら練習に励んだ。

練習量は中学時代の方が多かったかもしれないが、高校は周りの質が高いため頭も心も疲れた。そして、寮の仕事もあるため自主練は少ししかできずに帰ることもあった。

そんな中で自分はこう考えていた。

『自分にしかできないことはなんだろう?』

『小さくて体も弱いけれど違いを生み出せることはなんだろう?』と。

それは、アイディアの部分だった。
他の人が普通にやるところを''魅せる''プレーで違いを出そうと思うようになった。そして、それがいつしか自分という選手のプレースタイルを作り上げたと思っている。

冬になり、
3年生が引退するということで、来年こそは試合に出て活躍する。と心に決めていた。

3年生引退後に結成された新チームで臨む新人戦。

静学の10番はもちろん大島僚太君。
僚太君は2年生の頃から試合に絡んでいて、当時から本当に上手な選手だった。
周りの選手もレベルが高かった。

しかし、初めての公式戦であった新人戦では結果が出なかった。
(決勝にもいけなかった)

試合に負けた後、バスで学校まで帰り、そのまま自転車に乗ってグランドに行き練習をしたのをとてもよく覚えている。

そんなスタートだったこともあり、常に危機感を持っていて、とにかく必死に真面目に練習するチームとなった。

僚太君を中心に3年生はみんな真面目で、後輩に対して、優しくあり厳しいところもあった。

静学ではよく''ヌルい''という言葉を使う。
チームの温度を下げたり、やる気がなかったり、真面目に取り組まない時に使うのだが、3年生はとにかく''ヌルい''選手には厳しかった。

先輩達の意識の高さがチームをまとめ、強くて面白いチームに成長をさせてくれた。
その当時、静学という伝統校のチームの在り方を学んだ気がする。

その甲斐もあり、静学創部初の全国高校総体出場、高円宮杯全国3位、全国高校サッカー選手権出場を成し遂げた。
さらに、自分たち後輩には来季のプレミアリーグ参入、というプレゼントまで残してくれた。

高校2年生の終わりには、身長162cm、51kgと少しは大きくなったが、周りと比べると小さくて細かった。

しかし、試合で自分の持ち味を出せるようになり、試合に出してもらえるようになった。
貴重な経験をたくさん積めた。

高校の2年間で学んだ事。
それは、

''大きな壁が現れた時に逃げずに自分らしくあることを思考する事''

''強いチームの結束力と厳しさ''

である。

そして、静学での最終学年。
6年間の集大成は次の6話で話そうと思う。
人生が大きく変わった1年についてじっくりと。

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川崎フロンターレ16番 長谷川竜也です!Note始めました👍