Exhibitとは何?

Exhibitとは、別紙とか付属文書などという意味を持っており、本文を補完する役割を果たしています。CBAにはこのExhibitがA~J-2まで存在しています。

このうちのExhibit AがNBAの統一契約書になるのですが、この中にも10項目のExhibitが存在しています。この10項目のうちのいずれかを契約書に添付することで、その契約に一定の効果が発生することになります。

Exhibit 1 サラリー

Exhibit 1には契約の年数と選手のサラリーが記載されています。
その他オプション、基本報酬、インセンティブ、サインボーナス、支払いスケジュールなどの項目で構成されています。

すべての契約にExhibit 1が含まれています。
しかし、ミニマム契約もしくはツーウェイ契約を結ぶ場合、ミニマム契約にはExhibit 1Aを、ツーウェイ契約にはExhibit1Bを添付する必要があります。

Exhibit 2 サラリーの保証

Exhibit 1に記載したサラリーのうち、どの程度を保証するかをExhibit 2に記載します。チームが選手をスキル不足(通常、チームが選手を解雇する際に使用される理由)と判断してウェイブする場合、サラリーを完全に保証するか、部分保証とするか、無保証とするかを明記します。

また、怪我や病気、死亡、精神疾患といった深刻な問題に対しても保証することができます。ただし、サラリーの保証は交渉次第のため、怪我や病気の場合は全額保証されるが、精神的な問題については保証されないという契約もあり得ます。
アルコール依存症、重罪、禁止薬物の使用など原因により選手が上記の状態に陥った場合、保証の対象外となる可能性があります。

さらにExhibit 2にはストレッチ条項の詳細が記載されており、チームはウェイブした選手の保証サラリーを一定の期間にわたって分散させることができるようになっている。

Exhibit 3 過去の負傷の除外

Exhibit 3が契約に含まれると、選手のサラリーを受け取る権利は、Exhibit 3で定めた怪我の再負傷または症状の悪化により、チームが選手をウェイブする場合に制限または排除されます。

各シーズン2/1~シーズン最終日までの間にチームがウェイブした場合、この規定は適用されません。

Exhibit 4 トレードボーナス

Exhibit 4は、一般的にはトレードキッカーやトレードボーナスと呼ばれています。
選手がトレードされた場合、30日以内にどれだけの支払いを譲渡元のチームから受け取ることができるかを記載します。チームは15%を上限として、任意の金額を設定することができます。

Exhibit 5その他の活動

一般的に統一選手契約は、NBAチームのために練習すること、試合でプレーすること以外の選手の行動を制限しています。
しかしExhibit 5を契約に含めることにより、オフシーズンのピックアップゲーム、練習、ウェイトトレーニングなどを行うことが可能になります。
極めて一般的なExhibitで、 "Love of the Game条項 "とも呼ばれています。

Exhibit 6 身体検査

Exhibit 6は選手が身体検査に合格するまで、締結された契約は「無効であり、何の効力もない」と規定しています。
選手は3日以内に身体検査を受けることになっています。

Exhibit 7- 統一選手契約パラグラフ7(b)の代替条項

統一選手契約パラグラフ7(b)によると、選手がチームのために予定された最初の試合の日に良好な身体状態にない、またはシーズンの開始時もしくはシーズン中に良好な身体状態を維持できない場合(練習または試合に参加した直接の結果である場合を除く) チームドクターの判断により、チームは選手を出場停止にする権利を持っています。
しかし、Exhibit 7を契約に含めると、選手はチームドクターの「プレーできる状態ではない」という判断を確認するために、独立した医師による診察を受けることが認められます。

選手からExhibit 7を要求されることは、ごく一般的になっているようです。

Exhibit 8 サイン&トレード

サイン&トレードとは、チームがトレード目的で自チームのフリーエージェントと再契約することです。このルールでは、選手は再契約してすぐに他チームにトレードされます。
これは、「48時間以内に特定チームへのトレードが成立しない場合、契約は無効となる」と書かれたExhibit 8を契約書に添付することで実現します。

サイン&トレードは、1つの独立した取引として扱われるため、トレードが完了しない場合、契約は無効となります。

Exhibit 9 1シーズン、無保証のトレーニングキャンプ契約

Exhibit 9は、キャンプ招待選手が負傷した場合のリスクを軽減するものです。一般的にチームは負傷した選手のサラリーを負担しなければなりません。そのようなリスクは、NBAフランチャイズがトレーニングキャンプのロスターにプロスペクトを加えるのを妨げることになりかねなません。

そのリスクを抑えるためにExhibit 9があります。Exhibit 9の契約中に選手が負傷した場合、チームは$15,000を支払うだけでよく、それ以上の支払いをすることなく選手をウェイブすることができます。


また、レギュラーシーズンのロスターに登録されると、実質的にExhibit 9は終了となるため、シーズンが始まると利用できなくなります。

Exhibit 9の詳細はこちら

Exhibit 10 NBAGLボーナスと選手のツーウェイ変換

Exhibit 10とは、チームが選手(無保証の1年ミニマム契約)をツーウェイ契約に変換することを可能にするものです。

Exhibit 10で契約を結び、シーズン前にウェイブされた選手は、Gリーグでプレーすることができます。そして、その選手がGリーグチームに60日以上在籍すれば、Exhibit 10ボーナスを受け取ることができます。
ちなみにGリーグに所属している選手は、厳密にはNBAのどのチームとも契約できるフリーエージェントです。

※間違いがあれば是非ご指摘お願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?