Money Forward Cloud Award 2021 受賞インタビュー「税理士法人TOTAL」
税理士法人TOTAL
高橋 寿克 様(代表社員)
村野 綾乃 様(マネージャー)
鈴木 智子 様
ー「所内オペレーション改革 CHALLENGE賞」の受賞おめでとうございます。受賞のご感想を教えてください。
受賞の連絡をいただいた時は驚きました。職員が日々頑張ってくれていることは知っていましたが、他の事務所様の様子を知る機会もないため、このような賞を受賞できるほどだとは思っていませんでした。
現在でこそ、STREAMEDは使うことが当たり前のサービスですが、導入当初は所内のクラウドへの抵抗感も強く、職員にも一時的に負担をかけることもあったので、努力が実を結び、みんなの励みになるような機会でした。
今回の受賞を1つの成功体験として、より一層クラウド化の推進に注力していきたいと思います。
ーSTREAMED導入以前からクラウド化を目指し、そのために職員様の意識改革に取り組んだとのことですが、どのようなことに取り組まれたのでしょうか?
将来を見据えた時に、今後作業そのものの価値は下がっていくということは所内でも度々説明していましたが、以前は所内全体でクラウドへの理解が遅れている状況でした。
今後、クラウドを理解してもらうだけでなく、内発的に業務の変化を楽しんでもらうために、所内でオンラインミーティングを実施しました。所長クラスの会議や毎週の全体ミーティングで、クラウドの必要性などを説明しています。
全ての人が変化を好むわけではないので、何度も繰り返し発信し、徐々に意識を変えていく必要があると思います。
ーそのような取り組みの中、STREAMEDを導入された経緯を教えていただけますか?
STREAMEDを導入する前、所内では作業量が増加しても、採用が追いつかないという課題がありました。また、お客様ごとに資料回収の方法もバラバラで、資料の前裁きは属人化し、時間もかかっていました。
このような課題に直面している時にSTREAMEDを知って、試さない手はないと思って利用を開始しました。
ーーSTREAMEDを導入する上で工夫したポイントはありますか?
STREAMEDの導入推進のために、所内で担当者を設置するところから始めました。事務所の目指す方向性を理解してくれており、新しいツールや変化に抵抗感がない方を選ぶことができたからこそ、ここまで利用を拡大することができました。
しかし、注意しなくてはならないのは、推進担当者に任せきりにするのではなく、同時にマネジメントをする人たちが導入の必要性について発信することです。そうしないと、推進担当者への風当たりが強くなり、導入が上手くいかなくなってしまうからです。
所内で普及させる時は、ツールの導入に抵抗感がある人でも使いやすいように、段階的に進めることを意識しました。
最初の段階では、利用する証憑は通帳のみ、アップローダーを使わずWEB版のみというように、利用ハードルを下げました。その代わりに、利用をルール化することで、定着させていきました。
その後の利用状況を管理し、導入を推進するために、所内の顧客管理システム上で確認できるお客様ごとの作業件数とSTREAMEDの利用件数を照らし合わせて導入の進捗を定量化しました。
利用が進まない拠点に対しては、所長に報告して随時働きかけてもらい、活用促進を図りました。
時には、利用率が低い拠点には直接訪問し、課題のヒアリングとフォローアップ研修を実施しました。操作方法だけでなく、導入から効率化実現までにどのくらいの期間がかかるのかなど、導入時の不安要素を解消するように努めました。
こうした取り組みによって、現在ではSTREAMEDが業務の一部として受け入れられ、意識的にSTREAMEDのスキャンのための作業時間をカレンダーに登録しているスタッフも見受けられるようになりました。
ーSTREAMEDの導入によって所内ではどんな変化がありましたか?
本来入力のために机に向かっていた時間を他の業務のために割けるようになり、時間を有効活用できるようになりました。また、日々の仕事のやり方も変わりました。
これまでは、資料の前裁きから、入力まで一連の業務でしたが、STREAMEDを挟むことでその流れが分割されました。業務が細切れになったことで、各業務の優先順位をつけて仕事を組み立てるなど、仕事のやり方も変わりました。
また、入力業務にかかる工数が短縮されたことで採用する人材にも変化がありました。導入前は増加する作業量に対応するために、人材を採用していましたが、現在では専門性やコミュニケーション能力をより重視するようになりました。
お客様の身近なパートナーになるために、前向きな話をお客様に寄り添ってできるような人柄や性格を採用し、育てて行きたいと思っています。
ーSTREAMED導入によってお客様への変化はありましたか?
STREAMED導入にあたって、資料回収ファイルを導入しました。お客様側で証憑を支払い手段ごとなどに分けてファイルに収納してもらうようにしました。
当然、手間が増えたと思われることもありましたが、資料をまとめやすくなるなど、お客様にとってのメリットを説明し、ご協力いただいております。
しかし、いくらお客様にメリットがあるとはいえ、既存のやり方を変えていただくことになるので、信頼関係がないと依頼しづらいのも事実です。そのためにも、普段から密にコミュニケーションをとって、関係性を構築しておくことが重要になると思います。
ー今後STREAMED導入やクラウド化をする方へひとことお願いします。
お客様から現状のやり方を変えることに不満を抱かれると心配する方もいらっしゃると思いますが、意外と社内の意識やモチベーションを変えていくことが課題になる可能性もあります。
そのためには、信頼関係を築いた上で、トップが繰り返しメッセージを発信し、現場がフォローする体制を築かなくてはなりません。
弊所もまだ道半ばで、STREAMEDやクラウド化は今後も注力していくべき課題だと思っています。税理士は将来性を不安視されることもありますが、この仕事ほど、経営者や資産家と相対できて感謝される仕事はないと思っています。
私たちは会計データからお客様が考えてないようなことまで考え、共有することで価値を届けることができます。また、同業他社や事業のフェーズ毎の課題などの知見なども持っています。
積み重ねてきた知恵を活かして、お客様の良きパートナーでいられるように、スタッフと共に変化に対応していくべきだと思っています。
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