Money Forward Cloud Award 2021 受賞インタビュー「クロロク社会保険労務士法人」
クロロク社会保険労務士法人
栗本 裕司 様(代表社員)
事務所概要
2011年1月設立。新しい価値を提供しようとする企業に共感し、創業間もないスタートアップやベンチャー企業から上場企業に至るまで、数多くの人事労務をサポート。既存の社労士業務に囚われず、お客様の課題解決を実現する社会保険労務士法人。
賞について
HR部門改革 CHALLENGE賞
どんな賞か
マネーフォワード クラウドを利用して、労務部門の改革を実現した事務所に贈られる賞です。
受賞理由
2016年から主にマネーフォワードクラウド給与のご利用を開始し、現在は顧問先様全社に導入いただいております。
顧問先の多くがIPOを目指している企業ということもあり、クラウドベースのツールを求められる事が多いがクロロク様はそれを高い次元で提供されていらっしゃいます。
特に給与計算ではCSVを出し入れしやすい特徴を活かし、GoogleスプレッドシートやGAS(Google Apps Script)等の活用でレビューの精度や速度を高める事で実務面での効率化を図り事務所の生産性を大幅に効率化されました。
その結果、業務量に比例して従業員数を拡大せずとも高品質な給与計算を実現されています。
かねてより業務に必要なツールはクラウドが中心だったため、初回の緊急事態宣言が出た翌日から完全リモートワークを実行されるなど、環境の変化にも柔軟に対応されてきました。
事務所見学会やセミナーの開催など、他の事務所様へのノウハウの共有も積極的に行われています。
ーこの度は「マネーフォワード クラウドHR部門改革 CHALLENGE賞」の受賞おめでとうございます。受賞についてお知りになられた時の感想を教えてください。
この度は素敵な賞をいただきましてありがとうございます。受賞の知らせを聞いたときは「なぜ弊社なのか?」と驚きました。
ただ、受賞理由を伺い、SaaSを使った業務効率化、顧問先への価値提供に注力してきたことを評価いただけたことが分かり、ここまでマネーフォワード クラウドを使い続けてきて良かったと思いました。
今振り返ると、導入当初の2016年頃はSaaSを導入している士業の方は周りにはおらず、相談する相手もいませんでした。しかし、あの時にクラウドを理解し、SaaSに振り切ったからこそ、このような賞を頂けたと思うので、導入して正解だったと思います。
ークラウドソフトが現在ほど普及していない段階からマネーフォワード クラウドをお使いいただいていますが、導入の背景を教えていただけますか?
元々、私は士業として仕事をしている意識はなく、お客様を支えるパートナーでありたいと考えていました。しかし、オンプレミスやインストール型のソフトだと、給与計算等の委託された業務がお客様に見えず、ブラックボックス化してしまうことに課題を感じていました。
また、弊社のお客様はベンチャー企業やスタートアップと呼ばれるような企業が多く、給与計算以外で既に何らかのSaaSを導入されていることも少なくありませんでした。
こうしたお客様から刺激を受け、同じ目線で仕事をする意味でも、給与計算を筆頭に社内のコミュニケーションツールなどもSaaSに移行しようと決意しました。
ー導入にあたって苦労したこと、それを乗り越えるために工夫したことはありますか?
まず、導入を検討する過程で既存ツールとの機能比較を行いました。使っていたソフトや他のクラウド型給与計算ソフトを比較し、業務での利用イメージを持つことができたのでマネーフォワード クラウド給与を導入しました。
しかし、導入当初は現在ほど機能が充実していなかったため、導入後にできないことに直面することもありました。そんな時に、どんな業務フローを組めば足りない機能を補えるのかを考えて、柔軟に対応することが大変でした。
また、初めはSaaSという新しい概念を受け入れるのも大変でした。従来のソフトとは、インプット・アウトプットする情報や方法が異なり、社内でもクラウド型のメリットを活かしてフリーアドレスにするのか等、様々な変更や意思決定に迫られました。
現在では、マネーフォワード クラウド給与で統一されていますが、移行期は同時に2つのソフト・業務フローを併用することになり、一時的に生産性が下がることもありました。
従業員にもソフトの移行の意味や価値を理解してもらうために、SaaSという概念や料率変更の自動対応などのクラウド型ならではのメリットを丁寧に説明することを心がけました。
その後、マネーフォワード クラウドへの移行が進んだことや従業員数が増加したことをきっかけに、業務を平準化したり、アップデート情報に対応したりするために業務マニュアルの作成を行いました。
最初の設計は私が行ったのですが、現在では従業員同士が、新しいリリースにアンテナを張り、機能のアップデートなどに気づいたタイミングで再設計してくれるようになりました。
ー マネーフォワード クラウド以外のSaaSやGoogle Apps Scriptなどを組み合わせて効率的な業務を推進されているとのことですが、具体的にどんな業務で活用されているのでしょうか?
GASを使った自動化を推進する際は、日次や週次のように定期的に発生する業務や繁忙期に発生する業務など、効率化するメリットの大きさから優先順位をつけて取り組みました。
具体的には、計算のレビューやタスクの洗い出し、電子申請の結果の取得などです。また、人事労務SaaSのSmartHRが公開しているAPIを活用して、データの取得作業なども自動化してきました。
現状は外部のエンジニアの方に委託し、要件定義をするところからコーディング、実装までをお願いしています。ただ、タスクのリマインドなど、細かな日常業務での自動化も進めていくために、今後自分でプログラミングを学習する計画を立てています。
ーマネーフォワード クラウドによってどんな効果がありましたか?
SaaS導入前と比較して、給与計算業務の納期が半分になったので、社内の生産性が大幅に向上しました。また、お客様に対しても、労務領域の月次決算に対応できるようになり、喜んでいただけました。
先程、お客様から刺激を受けてSaaSの導入をしたとお話しましたが、今では弊社がマネーフォワード クラウド給与を提案したことで、SaaSに興味を持ち、バックオフィスの効率化に取り組んでくださったお客様も出てきました。
給与計算業務は従業員の方に直接的な影響を与えてしまうので、お客様としてもツールの切り替えには慎重になることかと思います。だからこそ、使い慣れた私たちが支援することで、会計・労務を中心とした経営管理業務のDX推進に寄与できたのであれば光栄に思います。
ー最後に、今後マネーフォワード クラウドを活用していこうとしている方にメッセージをお願いします。
新しいツールを導入し始める時は、どうしても業務的な負荷がかかります。しかし、テクノロジーを理解し、アップデートされる情報や機能を吸収していくリターンは非常に大きなものでした。
DXという言葉が世の中で叫ばれるようになり、お客様も多かれ少なかれDXの必要性を認識しているはずです。
ですから、まずは社内でDXを推進し、業務効率化の体制を整えるところから始め、そこで得た経験を共有し、捻出されたリソースで価値提供することで、共に成長できるような土壌を作ることができるのではないかと思います。マネーフォワード クラウドの導入はきっとその突破口になるのではないかと思います。
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