白金燐子 -「音」と共に進む少女- 第1部

みなさん、こんにちは。Meziroです。

長らくお待たせいたしました。今回からついに、私が今最も愛を注いでいる白金燐子のお話です。
「Flamme」の円盤を観て、もっと燐子のことを知りたい、知ってもらいたいと思って記事を書こうと決めましたが、かれこれ約2か月経ってしまいました。ストーリーを読み返すのって、結構大変ですね…。

この記事では、燐子がガルパのストーリーの中で何を得て、どのように成長したかを、彼女自身の魅力とともにお伝えしていこうと思います。ただ、すべての内容を一つの記事にしてまとめると、とてつもない長さになるので、今回の記事は3部構成にします。

第1部 初期~『チョコレートは誰のため?』
第2部 『再演のプレリュード』(Ringing Bloom)
第3部 『花咲く学び舎その片隅で』~『ノーブル・ローズ―歌、至りて―』
※本記事は、燐子のカードが実装されたイベントのイベントストーリーを基に書いています。

また、今回の記事を書くにあたり、2つのテーマを設定し、そのテーマを中心とした内容で進めていきます。
一つ目は、「音」です。バンドの話なんだから音の話をするのは当たり前だろと思われるかもしれませんが、彼女は特に「音」というものに敏感で、そこから色々なことを読み取れる素質があるのです。そのあたりの話は記事本文をご覧下さい。
二つ目は、「前進」です。このテーマについては今はあまり詳しく話せないので、本文をお楽しみに。


燐子は、私が初めて出会った去年の12月から、私に多くの感動を与えてくれました。今の私にとっていなくてはならない存在と断言できます。とても大切な存在です。そんな彼女の魅力を今回の記事で一つでも多く伝えていけたらと思います。


第1部 初期~『チョコレートは誰のため?』


1.Roseliaに入って

まずは、ガルパが始まったときの彼女のプロフィールから確認しましょう。
「とてもおとなしく、引っ込み思案な性格。引きこもりで消極的だが、「これ」と決めたものを極めるタイプ。ピアノとオンラインゲームはその賜物。」
これを読んでもらえればわかるとおり、燐子は基本的に前へ出るタイプではありません。人と話すことも、新しいことへ挑戦することも苦手です。
燐子自身も、

「わたしね……小さいときから……何か……始めたり……新しいことって……苦手で……」

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とあこに話しています。

しかし、そんな彼女も、これからのストーリーの中で色々な影響を受けて、前進していきます。

燐子が最初に変化を見せるのは、あこに友希那たちの練習風景の動画を見せてもらったときです。燐子がその動画に何気なくピアノを合わせると、突然これまでに感じたことのない楽しさが込み上げてきます。今まで一人でピアノを演奏していた燐子ですが、ここで初めて他の人と音を合わせる楽しさを実感したのです。

その後、燐子はあこから友希那たちのバンドに入らないかと勧められて、オーディションを受けることになります。もともと高い演奏技術と表現力を持っている燐子は、オーディションを問題なくクリア。しかし、ライブに出る予定を聞き、人混みや人前に出るのが苦手な燐子は臆してしまいます。もちろん、友希那にとってそれは加入の最低条件なので、ライブに出る気がない人はバンドにはいらないと告げます。すると、自分の意思を伝えるのが苦手なあの燐子が、大きな声で食い下がります。
彼女にとって、ピアノをあの映像と合わせたときに感じた高揚感は、とても忘れられないものになっていたのです。ライブに出なければならないとしても、このメンバーと演奏したいと、そう強く思わせるほどに。

そして、初ライブ本番、燐子は直前までの緊張が嘘のように演奏を楽しむと同時に、そんな新たな自分の姿を発見しました。また、一度目の解散の危機を乗り越えたあとのライブでも、

「歓声も…ライトも…気にならない…わたし…Roseliaでいるときは、すこしだけ…強くなれるみたい…」

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と感じています。
あれだけ人前に出ることが苦手だった燐子が、Roseliaとしてステージに上がっているときは自信を持って演奏できている。すでに燐子にとってRoseliaは自分を前進させてくれる、そんな大きな存在になっていたのです。

さて、Roseliaに入って変わり始めた燐子ですが、次のストーリーでさっそくその変化が行動に現れます。友希那が、父の作った曲(のちの『LOUDER』)を歌えないと言った日の夜、燐子はあこと共に「やりたい」と直談判しに行ったのです。以前の燐子であれば、そんな勇気のいることはできなかったでしょう。

では、なぜ燐子はそこまでして『LOUDER』をやりたかったのでしょうか。その理由は2つあります。

1つ目は、「友希那の歌声が好きだから」。燐子は友希那の歌声を、

「繊細で、力強くて……ときには音楽を求めすぎるあまり、まるで恋い焦がれているかのような焦燥感を感じる……」

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と評しています。燐子は友希那の音楽に対する熱意を歌声から強く感じ取っており、その歌声に敬意を払っています。だからこそ、友希那の父が音楽への純粋な気持ちをぶつけた『LOUDER』という曲をぜひ友希那にも歌ってほしい、そう思ったのです。

2つ目は、「大きな決断や覚悟の先には、まだ見ぬ世界が広がっていると知っているから」。燐子にとって、Roseliaに入ることが大きな決断であり、覚悟でした。その結果、燐子の世界は広がり、彼女自身も変わり始めています。
そして、友希那にとっても『LOUDER』を歌うことは大きな決断であると燐子は確信しているからこそ、その決断をすることで新しい世界を広げて、高みへ進んでほしいと思ったのです。

ここで、もう一つ注目したいのは、友希那の歌声への感想です。Roseliaを結成してからまだ日が浅いにもかかわらず、燐子は友希那の歌声に関してここまで詳細な感想を述べています。普通の人であれば、短期間聴いた人の歌声について、ここまで叙情的な感想は出てこないと思います。
それはつまり、燐子が歌声や楽器の音から自然と感情を読み取ることができることの証左なのです。そして、この点こそが、幼少期からずっと音楽と共にあった燐子だからこその大きな魅力であり、私が彼女に惹かれた大きな原因の一つです。

また、Roseliaになかなか入れてもらえないあこに対しても、

「言葉だけじゃ、伝わらないのかもしれないね」
「あこちゃんや私が、友希那さんの歌を好きになった瞬間みたいに、音で伝えられたら、いいのになって思った」

と言っています。彼女にとって、音楽は気持ちを伝えるための重要な方法でもあるのです。
ちなみに、このような「音」と感情の関係性は、のちのストーリーに大きく影響していきますので、みなさんも頭の片隅に置いておいてください。


2.さらなる一歩

さて、それから燐子はRoseliaと共に成長を続けていきますが、そんななかふたたび転機が訪れます。

バンドの練習後に新しいことに挑戦するのが苦手な性格を克服したいと話す燐子。そんな燐子にあこが部活の体験入部を勧めます。

次の日、その話を小耳に挟んでいた紗夜とともに、さっそく燐子は色々な部活を体験していくことになります。茶道部、テニス部など、最初は慣れない場所に緊張する燐子ですが、剣道部でのイヴのある一言から変化が始まります。

「新しいことを知るということは、『知らなかった自分』から、『知っている自分』に変わる……つまり、成長しているってことだと思うんです!」
「この前読んだ本にも書いてありました!『ほんの少しの変化。その積み重ねが、やがて大きな歴史を創る』と……人も、きっと同じなんだと思います!」

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ここで燐子は少しずつでも前進していくことが重要だと気づき始めます。

そして、最後の弓道部。弓道部員である紗夜に指導を受け、燐子は何回も弓を引きます。しかし、未経験者の燐子はなかなか的にはあてられず、手にも傷がつきはじめてしまいます。

バンドに支障が出てしまうと判断した紗夜は、ここで切り上げようとします。しかし、燐子は申し訳なさそうに、しかし確かな意志をもって紗夜に続けさせてほしいとお願いします。
まだ的には当たらないかもしれない。けれど、それを積み重ねればいつか必ず。燐子は小さな積み重ねが必ず実を結ぶと信じるようになったのです。
結果、矢は的に命中。小さな努力が結果へと結びついたのです。

そして、物語の最後には、ある時期からずっと避けてきたコンクールに意を決して出場するとあこに打ち明けます。

これが燐子の歩み方です。その一歩一歩は小さくても、その積み重ねが自分を先に進めてくれると信じています。これからの燐子はこの歩み方を続けていきます。

また、このストーリーでは2つ重要な要素があります。

一つ目は、「正射必中」という考え方を学んだことです。これは、弓道部の体験の中で紗夜から学んだ考え方で、「正しく射られた矢は、必ず的にあたる」というものです。また、紗夜は燐子に、心を静かにして、自分を見つめることが大事だとアドバイスしています。そして、紗夜からその考え方を学んだ燐子は、持ち前の集中力で見事に的を射ることができました。
この考え方は、のちのストーリーに大きく影響してくるので、こちらも頭の片隅に置いておいてください。

二つ目は、紗夜から燐子へのこの一言です。

「白金さん。貴方は怖いことから逃げてしまっていたとしても、自分が逃げているということを知っていますよね。」
「それはつまり、自分自身から逃げずに、ずっと自分と向き合い続けている証拠だと思います」

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燐子は気弱で控え目な印象が強いですが、強い芯を持った子です。この点も燐子の大きな魅力です。紗夜は、体験入部のなかでその本質を見抜きました。特に、紗夜は日菜との一件で自分の音を信じられない過去があります。そのような経験があったからこそ、燐子の自分と向き合える強さに気づいたのです。


3.Roseliaにとっての燐子

メンバーそれぞれが成長しながら、前に進んでいくRoselia。しかし、あるとき綻びが生じ始めます。

話はRoseliaが大規模フェスへの出演オファーをもらったところから始まります。Roseliaが目指すFUTURE WORLD FES.に匹敵する規模のフェスなだけあり、メンバーも気合が入ります。
しかし、本番当日、ステージで演奏するRoseliaに対してオーディエンスの反応はイマイチでした。どうしてそうなったのか考えた友希那は、緊張感が足りなくなっていると結論づけ、他のメンバーに対して以前のような厳しい言葉をかけるようになります。

次第に重くなっていく練習の空気。そして、ついに耐えきれなくなったあこは「こんなの、Roseliaじゃないっ!!!!」と言って出て行ってしまいます。しかし、友希那は4人だけで練習を続けようとします。すると、ここで燐子が大きな声でこう言います。

「きっと……わたしたち……どれだけ練習したって……音なんか……あいません……!」
「こんな演奏……誰も……振り向いてくれません……!」
「だって……誰も……みんなの音、聴いてないから……っ!!」

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このシーンこそ、私が白金燐子というキャラクターに大きく惹かれたきっかけです。

私はこのストーリーを初めて読んでいたとき、あこが出て行ってしまったあと、燐子はあこのことを思って友希那に何か言うのだろうなと思っていました。しかし、彼女の口から飛び出したのは、「音」の話でした。
燐子は、どんなときでもバンドの「音」を聴いていて、誰も周りの音を聴けていないことを読み取っていたのです。しかも、燐子にとって最も大事なあこが飛び出して行ってしまった直後にもかかわらず、そのことを友希那にぶつけたのです。無論、そこには、「あこだけが悪いんじゃない、メンバー全員に責任があるんだ」という意味合いもあったと思います。しかし、だとしても、「感情」の側面でなく、あくまで「音」の側面から、しかもあの場面で、普通の人にそんな発言ができるでしょうか?

私は、このシーンを見てから、白金燐子というキャラクターを「真に音楽家である」と評価するようになりました。幼少期からピアノに触れていた燐子は、常に音楽が身の回りにある生活を送ってきました。そのような生活が長ければ、自然と「音」が耳に入ってくるのでしょう。だからこそ、彼女にとって「音」は一番理解の深い部分であり、その側面からの指摘が自然と出てくるのです。

話をもとに戻しましょう。バラバラになってしまったRoselia。彼女たちは再びRoseliaの誇りを取り戻すために各々ができることを始めます。次第に結束を取り戻していくメンバーたち。今回の記事は燐子のことを中心に据えているため細かい部分は省きますが、最終的にRoseliaはふたたび一つになり、新たな姿へと成長します。

そして、今回の話のなかで、Roseliaにおいての燐子の立ち位置が明確になっていきます。以前のような空気に戻ってしまったRoseliaを「こんなのRoseliaじゃない」と嘆いたあこ、「誰もみんなの音を聴いてない」と涙ながらに叫んだ燐子。彼女たちは常に「Roselia」というバンドを見つめ続けていた二人です。
そのなかでも燐子は、バンドのみんなの「音」を聴き、正しい「音」の在り方を模索していました。この「音」こそが、バンドをバンドたらしめる最大の要素です。もちろん、バンドの結束のためには対話などのコミュニケーションも重要です。しかし、バンドとは音楽を目的とした集い。その「音」を信じている燐子こそ、精神的支柱であるリサとは異なる意味でのRoseliaの支柱であり、Roseliaを支えていく存在なのです。


番外編 芸術家としての燐子


さて、ここまで音楽の側面から色々お話しましたが、彼女の芸術的センスは音楽にとどまりません。

たとえば、普段からRoseliaの衣装づくりを担当していることから、燐子が羽丘高校演劇部の衣装づくりを手伝うこととなるお話があります。燐子は部員や仲間たちと協力して一度は衣装を完成させます。しかし、本番直前に突然衣装を直したいと申し出ます。それを聞いた麻弥は、徹夜作業になる、と燐子のことを案じて引き止めます。しかし、燐子は、

「お願いします……どうしても……やりたいんです……。わたしは、この舞台の……衣装担当、ですから……。だ、だから……最後まで……こだわり、たい……中途半端に……したく、ないんです……。」

と返しました。また、舞台が完成したときには、

「この景色が……見たかったです……この景色を見るのが……ずっと、楽しみ……でした……」

と漏らしました。芸術に真摯に向き合う燐子だからこそ強いこだわりがあり、その完成を心待ちにしていたのです。

他人からの評価はどうでしょうか。麻弥は、

「薫さんや白金さんのように、0から1を生み出せる人を尊敬しますし、ものすごく憧れます」

と評しています。普段、Roseliaの衣装づくりを担当している燐子は、そのような創作活動で高いスキルを発揮できるのです。

また、友希那はこんなことを言っています。

「一流のアーティストは2種類しかいないと、言われているわ。とにかく1つのことが大好きで、それに没頭して、それしか出来ない。音楽がないと生きていけない人間。そしてもう1種類は、さまざまな芸術的分野の才能を持ち、音楽とそれを合わせ、『自分の世界』を築ける人間。燐子。あなたは後者かもしれない。」
「あなたは相当な読書家でもある。バンド内で一番、クリエイティブな視点を持っているのかもしれない。」

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燐子と同じく友希那も高い芸術的センスを持っています。しかし、同じセンスでも、友希那と燐子で大きく方向性が異なります。だからこそ、友希那は燐子の芸術的センスを見極め、信頼しているのだと思います。

まとめ

さて、第1部は以上になります。
最初は臆病で一人でいることが好きだった燐子。しかし、あこと出会い、Roseliaと出会い、彼女は少しずつ変わっていきました。自分を変えようと努力を始めました。そして、少しずつなりたい自分に近づいていきました。

第2部は、体験入部を通じて決心したコンクールへの出場のお話です。そこで、彼女は過去を取り戻し、未来への道を見つけます。
燐子にとって最も重要な話なので、記事も丁寧に書いていこうと思います。またお時間を頂くかもしれませんが、どうか長い目で待ってやってください。

ここまで読んでくださいありがとうございました。それでは、また。

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