白金燐子 -「音」と共に進む少女- 第3部

みなさん、こんにちは。Meziroです。
前回、燐子の誕生日に記事を投稿した際に満足してしまい、まだ第3部が残っているのも関わらず、気づけば2か月以上が経っていました。自分で自分を叱ってやりたいです。

というわけで、今回は白金燐子の記事の第3部になります。「再演のプレリュード」でのコンクール出場を経て、燐子は大きく成長しました。ここからのストーリーでは、その成長した姿をたくさん見ることができます。
今回の記事では、その成長した姿を紹介していこうと思います。


生徒会長への挑戦

高校3年生になった燐子。それと同時に彼女は花咲川の生徒会長になりました。この時点で、最初の頃の燐子からは想像もできないほどの成長です。
イベントストーリーの前半では、燐子と生徒会書記となった有咲が親交を深めるために一緒にお昼を食べたり、仕事に勤しむ姿が映し出されます。二人とも生徒会の仕事はまだまだ慣れないようで、苦戦しながらも頑張って仕事をこなしていきます。

そして、後半では、お互いに何故生徒会に入ったのか、燐子の場合は何故生徒会長になったのかを話し始めます。

自分を変えるために少しずつ挑戦を続けていた燐子ですが、コンクール出場を通してより積極的に挑戦するようになりました。今回の場合は、人前に出るのが苦手な性格を克服するために生徒会長に挑戦しました。

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しかし、人前に出るのが苦手な性格を克服するために、生徒会長にまでなるのは、普通の人間にしてみたら相当な挑戦です。これだけ大きなことに挑戦できたことが、コンクールでの経験を通して彼女が大きく成長したことを物語っています。今までの燐子とは本当に様変わりしたことがみなさんにも伝わったのではないでしょうか。
また、前回のコンクール後、友希那が燐子に、自分にはできないと思うことほど挑戦してみればいい、と助言したことも要因になっていると思われます。

そして、生徒会長になった理由は、もう一つあります。それは、「新しいことへ挑戦することで『一歩先に進んでみたい』と思うようになったから」です。

Roseliaに入って一歩踏み出すことを覚えた燐子。「再演のプレリュード」ではかつて失敗して、それ以来避けていたピアノのコンクールにも向き合い、一歩大きく前進しました。ただそれは、今までは自分を変えるため、という目的があって、周りから助けてもらいながら進んだ道でした。
しかし、今回の燐子は、一歩進むことを挑戦と感じる以上に、『一歩先に進んでみたい』という好奇心を原動力にしているのです。

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もはや彼女にとって、一歩踏み出すことは成長のための手段ではありません。自分がそうしたいからそうしている。彼女自身がやりたいことなのです。

また、彼女はこうも言っています。

「この『あと一歩』が、成功するのか……失敗……してしまうのかも、まだわかりません。もしかしたら、とんでもない回り道をしているのかも……。前のわたしなら……そこで、落ち込んで……意味がないことだと、諦めてしまったと思います……。みんなにも迷惑をかけて、結果も出せなくて……そんな自分が、情けなくなって……。」
「今は……何よりも『一歩踏み出せた』ということが嬉しいんです。結果が、出なかったら……ショックだと思います。でも……それならまた新しく、一歩を踏み出せばいいんだって……。その『一歩』を繰り返すことで……歩くことができる……前に、進んでいけるんだって。今では……そう、思うんです。」

かつての彼女は、失敗を恐れ、失敗した自分に自信を持てないでいました。しかし、今の彼女は、失敗という事実よりも、挑戦したという事実を受け止め、そして新たな一歩の先にある未来を見ています。彼女が一歩ずつ進む道の先には、必ず明るい未来が待っているのです。

そして、彼女は仲間への感謝も忘れていません。一歩踏み出したいと思っていても、やはり気持ちだけではなかなか進めないときがあります。そんな時、引っ張ってくれるあこや、支えてくれる紗夜など、みんながいるから彼女は一歩ずつ進めるのです。

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カードエピソードでは、スタジオでの練習中、生徒会長になってから、燐子の奏でる音色に変化が生じたことに友希那が気づくという話が展開されます。そこで友希那は、こう言っています。

「私に伝わってきたのは……強い決意よ。今日の燐子の演奏は、以前の繊細さを残しながらも力強い音色だったわ。」
「あくまでも、芯の部分……Roseliaとしての音色は変わらない。そこから、さらなる高みへと進むんだという決意よ。」

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自分の意思で一歩ずつ踏み出し成長している燐子。だからこそ、Roseliaとしても一歩ずつ高みを目指すことへの決意が音に表れたのでしょう。

このように、このイベントストーリーは、特にコンクール以降の燐子の成長を明確に示す内容でした。


コンテスト、フェス、その先は

しばらくして、Roseliaが目標にしているFUTURE WORLD FES.(以下、FWF)への出場権を懸けたコンテストが近づいてきます。セットリストを考えながら、意欲的に練習に励むメンバーたち。しかし、あこはふと、フェスが終わったあとのRoseliaはどこへ向かうのか、不安になってしまいます。

一方、燐子も、生徒会の活動中に有咲から、フェスが終わったあとRoseliaはどうするのか尋ねられます。すると、燐子は、前回のストーリーでも話したように、一歩踏み出すたびに、さらにもう一歩進んでみようと思うようになったことを伝えたうえで、こう話します。

「だからきっと……フェスにたどり着いても……きっとその先に新しい一歩があるんじゃないかと……。今はそう……信じているんです……。」
「最近は……先のことは……見えるときが来れば必ず見えると……そう思えるようになりました……。楽観的かもしれませんが……これまで、一歩踏み出したことで……。いろいろなものを……見ることができたからだと思います……。だから……今、フェスの先のことがわからなくても……きっと……大丈夫です……。」

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今までより大きく成長した燐子は、一歩進むことによって、その先に新しい道が待っていて、またその道を一歩ずつ進んでいけばいいと思えるようになっています。彼女の今までの一歩一歩の積み重ねは、そう思えるまでに彼女を成長させたのです。

さて、肝心のあこは、まだ答えを見つけられていません。結局、その悩みはコンテスト前日まで引きずってしまいます。
そして、コンテスト前の最後の練習で、あこはついにRoseliaのメンバーに悩みを打ち明けます。
すると、友希那や他のメンバーのみんなも、その先のことはわからないと答えます。その返答に驚くあこ。彼女たちも燐子同様、フェスが終わったあとに新たな道が見えてくると、そう信じていました。
そして、こう続けます。

「あなたと燐子は、ずっとこの五人で奏でる音楽を聴いてきた」
「あなた達はメンバーの中で誰よりブレずにRoseliaを見られる存在だと思っている。だからこそ……。道なき道を進んでいくなかで……もしも、私達が道に迷うそうになった時は、思い出させてほしい。『Roselia』を。そして、私達を導くような存在になってほしい。」

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これは、「Neo-Aspect」ストーリーでの出来事を思い返しての発言でしょう。5人がバラバラになってしまったとき、あこと燐子は、Roseliaを見つめ続け、Roseliaを取り戻すために、色々と努力していました。そして、結果的に彼女たちはRoseliaとして再び歩みを進めました。
だから、今回も、たとえフェスが終わった後に道が見えなくなったとしても、あこや燐子なら、Roseliaの進むべき道を示して導いてくれると、友希那はそう確信しているのです。

その後、コンテストでは見事最優秀賞を獲得。晴れてFWFへの出場が決まります。反省会(という名の打ち上げ)を行い、帰路に就くメンバーたち。あこと燐子は、一緒にRoseliaを導いていこうと気合を入れます。すると、燐子はあこにこんなことを言います。

「わたしにとって……みんなにとって……Roseliaは強さをくれる大切な場所……だから。この場所は……絶対に……なくしたりしない……わたしが……なくさせたり、しないから……!あこちゃんがもし……道に迷ったり、悩んだりしたら……できる限り……わたしが……。あこちゃんを……助けるよ……。」

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『Roselia』というバンドは、メンバーに強さを与えてくれました。もちろん、燐子にとってもそれは例外ではありません。Roseliaがあったからこそ、彼女は前に進む勇気を手に入れました。一歩踏み出すことの大切さを知りました。共に音楽を奏でる楽しさを知りました。だから、Roseliaを守り抜きたい。Roseliaを見守るあこと燐子の間でも、もし道に迷ったら助け合える関係でありたい。そんな思いをこの発言から感じます。燐子にとって、Roseliaも、あこも、それほどまでに大事な存在なのです。


「LOUDER」、「Roselia」への想い

さて、いよいよFWF本番の日が来ます。今回は燐子の話をメインに進めたいので、細かい部分は割愛させていただきます。
セットリストは「LOUDER」・「Neo-Aspect」・「Song I am.」。Roseliaの過去から未来までをつなげる3曲です。
本番の会場に入るRoselia。そこで友希那は他のメンバーにある提案をします。それは、今回のステージで「LOUDER」の演奏を最後にする、というもの。「LOUDER」はRoseliaの「これまで」を形作った曲。もちろん大切な曲だが、フェスを終えた後の新たな道を進んでいくためには、「これまで」を歌う必要はない。それが理由だと話します。
それを聞いた他のメンバーも、その提案に賛成。FWFをもって「LOUDER」はその役目を終えました。

さて、FWFも終わり、Roseliaは反省会に向かいます。走ってファミレスへ向かうリサとあこ。それを追いかける紗夜。友希那と燐子はその後ろを歩いていました。すると、燐子は友希那に「LOUDER」の話を始めます。

以前、「LOUDER」を演奏するか友希那が迷っていたとき、燐子は熱心にやりたいと話していました。それは、「LOUDER」に宿る情熱が、友希那の音楽への情熱と重なっていて、友希那がこの曲を歌うべきだと感じたからです。燐子ははじめから友希那の音楽への情熱を感じ、そして尊敬していました。
燐子は、友希那に限らず、Roseliaという存在を常に信じてきました。友希那は燐子に、今まで不安に感じることはなかったか問います。燐子はたくさん悩みましたし、「Neo-Aspect」のときのように声を荒げることもありました。しかし、それはRoseliaを信じていたからこその行動であり、解散してしまう、というような不安を感じたことはなかったのです。コンテスト前に、フェスが終わったらどうするのかと有咲に尋ねられた際に、未来に不安はないと答えたことも、その証左です。

その話を聞いた友希那は、改めて燐子の芯の強さを尊敬していると伝えます。燐子も、友希那の音楽への純粋さを尊敬していると返します。その尊敬は、「LOUDER」のときからずっと燐子の中にあるものです。だからこそ、今回「LOUDER」を「終える」選択には相応の覚悟があったと思います。しかし、それは新たな未来へ進むための選択。「終える」からこそ次に進むことができるのです。

燐子は、これからもRoseliaと一緒に歩いて行く、ときには友希那を導いていけるように、と伝えます。導くことは、Roseliaの燐子にとっての大切な役目であり、あことの約束でもあります。友希那も、どうか私達を導いてほしい、と返します。

燐子はリサたちのもとへ向かっていきます。1人になった友希那は、最後にこう一言残します。

「燐子。……誰よりも強い人。これからもよろしく。」

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初期のプロフィールをもう一度確認します。
「とてもおとなしく、引っ込み思案な性格。引きこもりで消極的だが、「これ」と決めたものを極めるタイプ。ピアノとオンラインゲームはその賜物。」
燐子は、おとなしく臆病な性格で、人前に出ることや新しいことへの挑戦が苦手な子でした。そんな彼女が、今は「誰よりも強い人」と評されるまでになりました。しかも、あれだけ音楽に対して強い想いを持っている湊友希那から、です。それほどまでに、彼女は成長したのです。Roseliaに入ってからの出来事は、それほどまでに彼女を成長させたのです。

そして、この事実こそが、今までのすべてのストーリーの一つの終着点なのです。一人のおとなしい少女が、仲間とともに、自分を変えていく物語。『Roselia』としてのストーリーとは異なる、『白金燐子』の物語。その物語が、この一言によって、一つのゴールを迎えたのです。
しかし、ゴールを迎えたからといって、これで終わりではありません。Roseliaが新たな道を進むように、燐子も新たな道を進みます。「一歩踏み出す」ことに燐子はもう怯えません。彼女の意志の強さが、仲間との絆が、これからも燐子を先に進めてくれます。

しかし同時に、私は、彼女が「誰よりも強い人」と評されるのは、ある意味当然だったのではないか、とも考えます。
確かに、燐子は人前に出ることや新しいことへの挑戦が苦手です。しかし、そんな彼女でも、今までずっとブレていない軸があります。それは「音楽への想い」です。

燐子は幼いころから音楽に触れ、音楽と共に育ちました。その中で、音から感情を捉えられるようにもなりました。ときにはコンクールで失敗してしまい、怖い思いをすることもありました。しかし、それでも彼女はピアノを弾き続けています。「音」は彼女の一部、いえ、それ以上なのです。
だからこそ、Roseliaの音楽に惹かれ、Roseliaに加入した燐子は、Roseliaの音楽を誰よりも大切に思い、Roseliaを見守り続けました。純粋なRoseliaへの想い、それこそが彼女の強さだったのでしょう。
まだまだ臆病な部分が抜けない彼女ですが、音楽への想い、Roseliaへの想いは、これからもきっと変わりません。誰よりも強く、芯を持って、Roseliaを支えてくれるでしょう。


最後に

さて、これで今回の記事は終わりです。そして、燐子の記事も一旦の区切りを迎えます。
「音」を通して、Roseliaを通して、彼女は大きく前進しました。それは、これからのストーリーでもきっと続きます。そんな彼女の魅力が、今までの記事で伝わっていたなら幸いです。
本当はもっとお話ししたいこともあるのですが、私の文章力不足のせいでこれ以上続けると記事としての体裁を保てなさそうなので、それはまた別の機会に…。


では、また次の機会にお会いしましょう。ここまでお読みくださりありがとうございます。
白金燐子をこれからもよろしくお願いします。


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