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19世紀、ヨーロッパの貿易船から飛び降りて、漂流してミニチュアの街で逃げていた夢

【読了時間:3分〜6分(1202字)】

私は、どういう状況かは覚えていないけど、大きくて豪華なガレオン船で、女性何人かが捉えられた。これから、この船で下働きをしなければならないらしい。

床掃除をしながら、いつか絶対に逃げ出してやろうと虎視眈々とチャンスを狙っていた。

しかし、海の上では逃げる方法もなかった。

あるとき、同じ時期に下働きに入った女の子が、「いい。これから何かが起こるから、そのチャンスを見逃さないで。逃げて。」と私に言った。

なんだろう。と思いながら、数時間を過ごした。

突然、船内が騒々としはじめる。「下働きが一人、いなくなった」のだと聞いた。もしやと思い、デッキへと走ると、女の子の靴が船の端においてあった。

船から、飛び降りたのだ。

船員が靴を発見し、女が逃げたと船内がざわついている。チャンスは今しかない。私は、皆が女の子の靴に気を取られている隙に、反対側のデッキから海に飛び込んだ。

海に飛び込むことには成功したが、問題があった。陸地が見えない。泳いでいくというか、木につかまって漂流する事になってしまう。

何か無いかと周りを見渡す。船の側面をみると、大きな碇がついていた。

そうだ。これに体をくくりつけて、どこかの陸地までは運んで貰おう。と思い、服の布を引きちぎって、碇に体を巻きつけた。

太陽が西に沈む夕暮れ、碇の上で目を覚ました。目の前には、ミニチュアのような家が沢山並んだ港町が見える。

私は、そこで碇から体を外し、港町の方へと泳いだ。海ではなく、町中の川の方まで泳ぎ、やっと陸地に上がった。

石畳の地面の上に倒れこむ。

細い路地で、飲食店の明かりが並び、霞んだ目で場所を必死に頭で確認していた。

「お前、なんでそんなに服が濡れてるんだ?大丈夫か?」

革のジャケットに緑の帽子をかぶった男が話しかけてきた。手には、今しがた飲んでいたビール瓶を持っている。

「ガレオン船から、逃げてきたんです。」
「ガレオン船?さっき港にとまってたやつか?」

話によると、港に泊まっているガレオン船の特徴が、飛び降りてきたガレオン船の特徴と一緒だった。

しまった。と思った。ガレオン船も、この地に停留をしていたのだ。見つかったら連れ戻される。それだけで済まされれば良いぐらいだ。

「どうしよう。にげなきゃ」
「何処へ逃げるんだ」
「とにかく、見つからない場所へ」

立ち上がり、私は歩き出した。細い水路が街の真ん中をずっと伝っている。とにかく。この水路をひたすら真っすぐすすもう。

「とりあえず、そのままだと寒いのと目立つから、これを着ろ」
男がコートをくれた。

「ここをまっすぐ進むと空いている小屋がある。人気がないってわけじゃないが、全く人気がなくても困るだろ。連れてってやる。走れるか。」

そういって、男は私の右手を引き、石畳の上を走りだした。

そこで、ふわりと目が覚めた。

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