逃げるのは勇敢だから
わたしは1つ目の大学を2年生で辞めた。
入学式の日から、ここは自分の居るべきところではないと感じて、
その違和感を消し切れずに時間だけが過ぎていくことに納得できなくて、
辞めてしまった。
それでも私はあの大学に行って、本当によかったと思う。
一緒に学生団体で活動した仲間は一生物。
数は少ないけど、団体以外でも大切な人に出会えたからだ。
わたしが彼女と話すようになったのは、入寮オリエンテーションの帰りからだった。知り合いなんてほとんどいない時期に、必死に誰かと仲良くなろうと出口でダンゴムシみたいに固まる女たちに嫌気がさして、
さっさと一人で歩いていたら、彼女がいた。
彼女には独特な雰囲気がある。
誰もが羨むほど素敵な笑顔を見せながら、そこには一本すっと通った何かがある。とても暖かくて、でもどこか引き締まったそんな感じ。華やかなだけでなく、人間臭さというか、泥臭さが彼女にはある。それがたまらなく好きなのだ。
決していつもつるんでいるとか、頻繁に遊ぶとかそんな仲ではなかったが、
何かあって相談するのはいつも彼女であった。連絡や会う頻度からは全く想像できないような関係だった。
大学在学中には、毎朝早起きして彼女に生きがいと見えていた部活を辞めた。そして、マレーシアに留学した。
大学を卒業して、沖縄に仕事をしに旅たった。そして、違ったと東京に戻ってきた。
今度は、この仕事は何か違うと辞めようとしている。
わたしは自分の心の声を無視しない人間が大好きだ。
ボーナスをもらってもさほど嬉しくなかったという、そんな人間が大好きだ。
夢を持って生きている人は本当にかっこいい。
でも、しっかり現実と向き合って、自分は今どうしたらいいのか必死に考えている。決して意識高い系とか、夢追いかけ系とかそんな言葉では片付けられない。
ダメなら辞めたっていい。
やらなくても、いい。
自分がどうしてその決断をしたのか、後になっても忘れず、
後悔しなければなんだっていいんだ。
お金はこのくらい、職業はこれがいい、大学はこれくらいのレベル...
みんな好き勝手言うけど、結局それが本当にいいかどうかは自分次第。
さっさとこんなよくわからない価値観から抜け出さなければ、
自分が本当に手にしたいものは得られないと分かっている。
彼女にかける言葉はいつも自分にもはね返ってくる。
せっかく日本に帰るのだから、思う存分自分の生き方をしよう。
Be the first penguin.
辞めたり、始めたりするのは恐怖と不安でいっぱい。
20代とはそんなものなのであろう。
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