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BONDプロジェクトのブログを読んでその軌跡をたどってみた 上(2010年4月~2011年2月)

1.はじめに

昨秋から始まったWBPC問題は、共産党と強い繋がりのあるcolabo代表仁藤夢乃さんが東京都から公金の不正会計を指摘され、2023年度の東京都からの委託事業から外されたことがわかった。

暇空茜さんによる住民監査請求は、colaboだけに止まらず、若草プロジェクト、BONDプロジェクト、ぱっぷす、についても監査委員による監査が行われる運びとなった。

今回は、WBPC序列二位「BONDプロジェクト」について、彼女らのブログ記事を元にその活動の軌跡を追ってみた。ブログは2010年4月30日から2017年1月12日まで付けられており、今回は、2010年4月から2011年2月までの分を紹介する。

ただこのブログ記事、内容や構成が、日記、活動報告、告知、ポエムだったりして非常に読みにくい。そのため、①関係した人物、②関係した団体、③活動内容、④BONDプロジェクトの運営状態、などを切り口として、関係のありそうな記事を時系列的に見ていくこととする。


2.2010年4月(「漂流少女」執筆、真宗大谷派、ピースボート)

ブログは、2010年4月30日から始まります。
「ブログを引っ越しした」と書いてあるので、別のサイトにさらに古いブログがあったのでしょうね(見つけることができませんでした)。

この頃の橘ジュンさんは、著作の執筆活動に精を出しているように見えます。

最近の私はもっぱら原稿書きです。
4月に(太郎次郎社エディタス)発行予定だった時期が少し遅れまして、6月初めになりそうです。
ごめんなさい。
編集者のSさまに無理を言って、こんな時期になっても書きまくっています。
書いては直し、の繰り返しで、しかももっともっと、と欲深くなってしまい、キリがないのですが‥。
でもやっと一冊になるという実感が湧いてきました。「あの子と私の物語」が、たくさん詰まっています。
楽しみにしていて下さい。
よし、もうひとふんばりだ。

ちなみに執筆中の著作はこちらの模様。

2010年4月の記事では、渋谷の「cafe MELT」について言及されていました(現在はすでに閉鎖済み)。

小学生のお子さんの記事もチラホラと掲載されています。2023年現在では、大学卒業くらいの年齢ですかねえ。

さてブログによると、2010年5月9日に、中下大樹さんと「いのちのフォーラム」を開催していました。こちらの方、「真宗大谷派祐光寺僧侶」だそうです。

またこの頃には、渋谷の cafe MELT にて、「アタシたちがみつけた居場所」が開催されています。BONDプロジェクトのスタッフ 竹下奈都子さんが登壇しています。ちなみに竹下さんは、2023年3月現在でもBONDプロジェクトのスタッフのようです。古参ですね。

http://fitforcharity.org/ja/previous-runs/2015/2015_interview_bond.html


もう1名の登壇者は、NGO「ピースボート」の恩田夏絵さん。現在では、ピースボートのグローバルスクール・コーディネーターで「ひきこもりUX会議」という団体を主宰しているようです。

3.2010年5~6月(小野さやか、山本雄一朗)

2010年5月、「友人でもあり、取材対象者」でもある、小野さやか(映画監督)さんと、彼女の監督作品「アヒルの子」の紹介があります。

2010年5月29日に、cafe MELT で、「闇に響く声」というイベントを開催しています。講師は、玉利裕子さん。現在では、グループホームのホーム長を務められているようです。

2010年5月22日~6月18日にかけて、上記「アヒルの子」のトークショーが開催されています。登壇者は以下の通り。

5月27日木曜日
菅原哲男/児童養護施設「光の子どもの家」スーパーバイザー

5月28日金曜日
いまおかしんじ/映画監督

6月2日水曜日
阿倍嘉昭/評論家

6月4日金曜日
内田春菊/漫画家(予定)

6月5日土曜日
松本直次/幸福会ヤマギシ会・東京事務局長
橘ジュン/フリーペーパー『VOICES』編集長

6月6日日曜日
園子温/映画監督(予定)

6月9日水曜日
小林美佳/性犯罪被害にあうということ

6月11日金曜日
ほたる/女優

6月12日土曜日
原一男/映画監督

6月13日日曜日
芹沢俊介/評論家

性犯罪被害を訴えた小林美佳さんと、後に性犯罪で訴えられる園子温さんが、同じイベントに参加しているのはとても興味深いです。

2010年6月の記事では、「青少年問題に関心あって、Cafe@MELTで月に1~2度ほど無料相談」してくれている、弁護士の山本雄一朗さんが紹介されています。山本さんは、この後も複数回登場してきます。

あと、新宿歌舞伎町ホストクラブ愛の社長と記念撮影も掲載されていました。橘ジュンさんは、顔が広いですね。

4.2010年7~8月(真正会館、奈良ダルク、ウィメンズクリニック かみむら)

2010年7月の記事。NHKのインターネットサイトにてコラムが掲載されたようです。これはうれしいでしょうね。

NHK教育テレビ「ハートをつなごう」の番組特設ページ
「THINK!薬物依存」の中でコラムが掲載されることになりました。

2010年7月3日。橘ジュンさんが、夫のケンさんとともに、イベントに参加しています。タイトルは「ありのままの視点でリアルな声を伝えたい」。
開催場所は、真生会館カトリック学習センター。この真正会館はこの後、何度か登場します

前理事長は、森一弘さん。

現理事長は、レンボ・アンドレアさん。

ホームページの公開講座の情報をみたところ、上智大学との繋がりが深いようです。

2010年7月11日の記事では、名古屋で公演したようです。ヤンキー先生こと義家弘介さんと競演。現在は、自民党の衆議院議員ですね。

名古屋で話してきました。

ヤンキー先生こと義家先生ともご一緒でした。
大変、勉強になりました。
思いを伝えるのがうまい。って、当たり前か。
教師で議員さんだもんね。
ドヘタの私は勉強になりました〈反省〉。

シンポジウム終わった後に義家先生からこんな質問されました。

「お金をもらわないでカラダだけ、なんて男にしてみたらおいしいだけなのに、本当にそんな女の子いるの?」

「いますよ、カラダだけでも必要としてほしいと思って、出会いを繰り返している女の子」

「そうなんだ‥」

「今度、そういう女の子の話を聞いてくれますか?」
「はい、聞かせて下さい」と、言ってくれました。

みんなの声をこれからも伝えなきゃ。

2010年8月になると、奈良ダルク矢澤祐史さんを紹介した記事が掲載されています。

奈良ダルクの説明を詳しくしたいと思います。
こちらの「太陽」のような存在である代表の矢澤さんの言葉を紹介しますね。

「ダルク(DARC)とは、ドラッグ(DRUG=薬物)のD
アディクション(ADDICTION=嗜癖、病的依存)のA
リハビリテーション(REHABIRITATION=回復)のR
センター(CENTER=施設、建物)のCを組み合わせた造語で、覚醒剤、有機溶剤(シンナー等)、市販薬、その他の薬物から開放されるためのプログラムを持つ民間の薬物依存症リハビリ施設です。

現在、奈良ダルクでは欧米の治療プログラムを導入し薬物依存症の他に、アルコール依存症、ギャンブル依存症といった様々な依存症者本人及び、依存症者を持つ家族のプログラムにも力を入れております。

また、自立支援法で定められ認可を受けた指定施設でもあります。
<後略>

ダルクへの言及は、このあとも度々行われます。

2010年8月、「AIDS文化フォーラムInよこはま2010」に参加。

ウィメンズクリニック・かみむら先生の「恋とDV 全ては同じ始まりから」
と、ピア活動中の医学生、遠見才希子さんのメッセージ
と、夜回り先生こと水谷修先生の講演を聞いてきました。

性感染、エイズ、人工妊娠中絶、デートDVは他人ごとだし…と、無関心でいるのではなく、人を自分を守るためにはまずは正しい知識と情報を知ることが大事ですね。
カラダも心も傷つきやすい女の子は特に、めんどくさいと思わずに守ってほしいと思いました。

この「かみむら」さんという人は、「ウィメンズクリニック かみむら」の上村茂仁さんになります。AV男優とコラボしているとかで、最近話題(悪評?)だとか。

ちなみにこの上村さんは、cafe MELTで開催されたBONDプロジェクトのイベント「闇に響く声」に参加されています。記事によると、「先生はうちのホームページでもリンクしてくれていて、女の子たちの性の相談にのってくれています。お時間ある方は、ぜひ参加してくださいね」。

BONDプロジェクトに相談に来る女の子たちの、性の相談相手をされているそうです(こんなおじさんに!?)。

5.2010年9~10月(育て上げネット、カリヨン子どもセンター、坪井節子、富坂キリスト教センター)

2010年9月29日。橘ジュンさんは、「NPO育て上げネット」の代表に活動のことで相談に行っています。

「育て上げネット」の沿革によると、2010年前後の活動実績はこちら。

ちなみに「育て上げネット」は、内閣府孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム、新公益連盟の参加団体です。

2010年10月。cafe MELT にて、「闇に響く声」開催。テーマは「セクシャルマイノリティ」。ゲストは、SOSUKE/DJ電波 さん。


2010年10月13日。橘ジュンさんは、カリヨン子どもセンターを訪れ、理事長の坪井節子さん(弁護士)に会っているようです。

社会福祉法人カリヨン子どもセンターの理事長で弁護士の坪井節子さんにお会いしてきました。
悩みも喜びも同じでした。なんだか元気がでました。

カリヨン子どもセンターはプロテスタント系のキリスト教団体。2004年設立で、場所は東京都北区赤羽。そういえば、若草プロジェクトのイベントでも、このカリヨン子どもセンターは使われていました。WBPCと縁があるんでしょうかね。

現在(2023年)の理事は以下の通り。坪井節子さんは今でも理事ですね。

ちなみにネットでいただいた情報によると、このカリヨン子どもセンターの創設者は、富坂キリスト教センターの出身だとか。

この「富坂キリスト教センター」は、親北朝鮮、反天皇、反米、反原発の思想が感じられます。

「富坂キリスト教センター」のブログ記事は、2011年6月1日を最後に止まっています。

富坂キリスト教センターの研究報告は、かなり左に偏った内容になっています。とても興味深い。

そして、colabo 代表仁藤夢乃さんと繋がりのある、阿蘇敏文さん、松井やよりさんの名前があります。両氏は、「JFCネットワーク」の理事・創設者でもあり、その社員名簿には仁藤夢乃さんの名前もあります。そしてネットから提供していただいた情報によると、この「ODA」研究会は、奥田知志さんの大学院時代の先輩が主催していたとか。間接的ですが、橘ジュンさんと、仁藤夢乃さん、奥田知志さんが繋がりました。


2010年10月26日。駒沢大学内で、NPO活動をしている人たちと交流しています。「居場所研究会」。2015年設立の、「茨城居場所研究会」とは別なのでしょうか。ちょっとよくわかりません。

この月は、奈良ダルクの矢澤さんの訪問があったようです。

6.2010年10~2011年2月(倫理法人会、真正会館、奈良ダルク、幼きイエス会、引越し)

2010年11月6日。「事例研修会」にて、三好洋子さんの自立支援に話に感銘を受けています。こちらの方のようです。


2010年11月10日。橘ジュンさんが参加する座談会についての紹介が掲載されています。テーマは「『みつめよう 子どものこころ』~10代20代のメンタルヘルス~」で、橘ジュンさんは、座談会「子どものこころの叫び~ひきこもり・うつ・リストカット~」のパネリストだそうです。


年が明けて2011年1月。
BONDプロジェクトのメンバーが、浦安の「倫理法人会」で研修を受けています。経営講座ですかね。


2011年1月28日。奈良ダルクの設立5周年記念フォーラムの案内。

全米でもっとも効果のある治療共同体(Therapeutic Community)として注目されているAMITY(アミティ)の創始者であるナヤ・アビータさんが来日されます。
AMITYでは、今までの生き方を見直し、新しい価値観を育み、そして人生に向かい合うために、様々なプログラムやワークショップを行っています。

今回フォーラムでは、
『性虐待・性暴力~トラウマからの回復~』
という演題でお話していただきます。
http://kura-ag.org/pdf/aniv5th.pdf

また、3月20日(日)21日(月)には
『エモーショナルリテラシー~感情についてどのくらい知っていますか?』
というテーマでナヤさんのワークショップを開催します。
http://kura-ag.org/pdf/AmityWorkShop.pdf

性虐待や性暴力について、日本はまだまだ考えや治療が遅れています。
このような機会はなかなかありません。

2011年2月10日。cafe MELT での「闇に響く声」事例研修会に、真正会館理事長の森一弘さんを招いている。テーマ「心を病む人々を支える人のための学び」。

2011年2月20日。カリヨン子どもセンター前田信一さんの著書紹介。

前田さんのインタビュー記事は、こちらにも掲載されていました。


2011年2月23日。BONDプロジェクトのメンバーが、四ッ谷の修道院を訪れています。この修道院は、カトリック女子修道会 幼きイエス会(ニコラ・バレ)。子どものシェルター的な役割を果たしている施設のようです。

この修道院は、この後も複数回登場してきます。

時間が遡りますが、2011年2月15日。
BONDプロジェクトの引越しが行われたようです。道玄坂のサロン、cafe MELT を閉鎖したみたい。記事の内容が結構痛々しい。

おそらく、金銭的にかなり追い込まれていたように見えます。

7.まとめ

以上、BONDプロジェクトのブログのうち、2010年4月から2011年2月までの分を追ってみました。振り返ってみると、他のNPO団体との繋がりはあまり深くなく、連携相手は宗教団体、それもキリスト教団体との連携が多かったようにみえます。その上、カトリック、プロテスタント双方と関係を持っているので、キリスト教団体への接近は、信教的な親近感というよりも単にビジネス上の機能補完的な意味合いが強いように思えます。

この頃のBONDプロジェクトは、colaboやぱっぷすにみられるような、フェミニズムを根底にした、「余所者への一方的な攻撃性」はみられませんでした。若草プロジェクトはまだ創設されていませんが、若草の政界や官公庁とのコネクション・政治性とも無縁な状態です。

次回では、2011年の震災以降のBONDプロジェクトについて、見ていきたいと思います。

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