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若草プロジェクトが創設した「メディカルサポート基金」について調べてみた

1.はじめに

前回の投稿では、若草プロジェクトの「TsunAが〜る」について掘り下げてみた。今回は、同じく若草プロジェクトが展開中の「メディカルサポート基金」について掘り下げてみる。

2.メディカルサポート基金とは

メディカルサポート基金は2018年7月に若草プロジェクトが創設した少女の医療支援ための取り組みである。プレスリリース資料はこう書いてある。

本事業は、性暴力被害に遭遇し、緊急に医療・薬品を必要とする若年女性に対し、支援機関が医薬品の購入、医療費の立て替えなどを行った場合に、当該費用を支弁するという取り組みです。

企業や個人から募った募金を若草プロジェクトが基金としてプールする。助成の申請があった団体や機関を若草プロジェクトが審査して助成先を決める。助成先として選ばれた団体や機関は、「性暴力被害時の診察、性感染症対応、妊娠検査薬、緊急ピル、精神科の受診」などで立て替えた医療費を、若草プロジェクトに申請することで、立て替えた費用を基金から助成という形で戻してもらう、という仕組みのようである。選定の際には、助けた少女を「医療機関に繋ぐ」ことが求められている。

「TsunAが〜る」が物の支援であれば、こちらは医療費の支援である。スタートアップ時は日本産業パートナーズの支援を受け、原資100万円でスタートし、目標額は300万円に設定された。

若草プロジェクトのホームページに、支払いまでのフローが掲載されていたので、貼り付けておく。

ちなみに2018年7月31日のフローは以下の内容である。

そして現在のホームページに掲載されているフローは以下の内容だ。プレスリリース時の資料にあった「費用弁償の申請諸提出」「領収書等を確認して支払い」が消えている。WBPC を追っている身として、領収書の存在には敏感である。

3.基金の支援団体は?

メディカルサポート基金の支援団体については、若草プロジェクトのホームページに掲載されている。2023年3月時点で、以下の団体の名前があった。

3-1. 日本産業パートナーズ

先に述べたように、日本産業パートナーズからは100万円の寄付があった。これがスタートアップ資金である。

支援概要は「今後若草プロジェクトが行う医療面のサポートを支援する」といったもので、基金の構想にそった内容である。

2018年度の決算報告書をみると、受取助成金が3300万円、受取寄付金が974万9422円とある。この中に含まれているのだろうか。

3-2. 杉浦記念財団

つづいて、「スギ薬局」を全国展開している「杉浦記念財団」から2019年度の「第8回 杉浦地域医療振興賞・振興助成」を受けている。杉浦記念財団のサイトには助成額の情報は掲載されていなかった。「CANPAN FIELDS」のサイトには、1件あたりの助成額は最大200万円との記載があった。

若草プロジェクトの2019年度決算報告書をみると、助成金等の箇所に「200万円」の記載があった。

ちなみに「若草プロジェクト」とは直接の繋がりはないのだが、杉浦記念財団の評議員に、高橋紘士さんの名前があった。休眠預金で、パブリックリソース財団にて、colaboへの1億円の助成を決めたとされる人である。高橋さんは居住支援で奥田知志さんとも関係が深い。偶然であろうか。

3-3. 日本生命

「TsunAが〜る」でも支援を受けてきた日本生命からの具体的な寄付額は不明である。ただ、若草プロジェクトの活動報告書によると、「2018年度には2社から計200万円の寄付をいただいて」と書いてある。一社は日本産業パートナーズなので、残りの一社は日本生命だろうか。その場合、額は100万円と思われる。そしてこの年度の受取寄付金の総額は974万9422円だ。両社からの寄付金は、この中に含まれているのだろう。

ちなみに村木厚子氏は日本生命の評議員である。若草プロジェクトと日本生命の絆は深そうである。

3-4. ロート製薬

情報がない。「サステナブル・ブランド・ジャパン」の記事に以下の記述があるだけだ。

LINE相談の実施、シェルターである「若草ハウス」の運営、日本生命保険相互会社やロート製薬などの支援を受けて「若草メディカルサポート基金」を設立した。基金は、虐待や性暴力被害を受けた若年女性の診察・治療やカウンセリングなど医療的ケアの財源となる。村木さんは「今後、医療支援にも力を入れていきたい」と力を込める。

若草プロジェクトの事業報告書、決算報告書に、ロート製薬の記述はない。

ただロート製薬と若草プロジェクトの繋がりを調べていたところ、興味深い事実を見つけた。クラウドファンディング会社「READY FOR」代表取締役の米良はるか氏が、ロート製薬の社外取締役についていたのだ(2020年就任)。

「READY FOR」といえば、村木厚子・太郎夫妻が、自分たちが関わる団体に「税金控除」目的で寄付行為(節税チューチューシステム)していることで注目されているクラファンだ。ロート製薬の米良はるか氏、若草プロジェクトの村木厚子氏、この繋がりは偶然だろうか。


4.助成を受けた団体は?

ではメディカルサポート基金から、医療費の立て替え助成を受けた団体はどこだろうか。
現在判明しているのは、colaboである。2020年度の活動報告書に以下の記載があった。ただし、額まではわからない。


5.活動報告書・決算報告書の記載について

若草プロジェクトの活動報告書、決算報告書を見てみよう。

2018年度の活動報告書の記載。基金立ち上げの報告だけだ。助成先はまだ決まっていなかっのだろう。

2019年度の活動報告書の記載。30施設・団体に対して、妊娠検査薬の提供を行ったと書いてある。医療費の立て替えのための基金だったはずだが、この年度は検査薬の提供になっている。検査薬がロート製薬のものだったりするのだろうか。

なお、2019年度の損益計算書には、メディカルサポート基金の記載はない。

2020 年度の活動報告書の記載。6施設にトライアルを行ったとのことだ。

5施設は上限の15万円を助成した(75万円)。1施設は6000円を助成した。
合計で75万6000円の助成である。colabo の活動報告が正しければ、6施設のうちの1施設が colabo である。

しかし、2020年度の決算報告書を見ると、60万8200円(うち2200円は手数料)とある。おかしい、数字が合わない。謎だ。

2021年度の活動報告書の記載。以下の1行のみだ。

決算報告書をみても、メディカルサポート基金の寄付額は0円、助成額は0円となっていた。

6.まとめ

若草プロジェクトの「メディカルサポート基金」は2018年度に創設された。初回助成の2019年度は、医療費の立て替えではなく、30の施設や団体に妊娠検査薬を提供するといった形で行われた。

2020年度は、トライアルとして6施設に75万円(決算報告では60万8200円と食い違う)の医療費の立て替えを行っている。唯一、助成先として判明しているcolaboへの助成はこの年度だ。

2021年度は、前年度までの「試験的実施の結果を鑑み、検討を行った」せいか、受取寄付金も助成額も0円である。

基金創設からまもなく4年が経過する。その間集まった助成額、助成先の団体名・施設名、立て替えた費用の内容について、何ら情報が公開されていない。若草プロジェクトのホームページには、以下の1行があるのみだ。メディカルサポート基金に支援している、日本産業パートナーズ、杉浦記念財団、日本生命、ロート製薬は、この状態を良しとするのだろうか。

7.メディカルサポート基金とワンストップ支援センターの関係についての憶測

また最後に気になったことがある。メディカルサポート基金を助成する団体に対して、「助けた少女を「医療機関に繋ぐ」こと」を要請している点だ。

WBPC とズブズブな共産党や立憲民主党が、「病院拠点型」の「ワンストップ支援センター」の拡充を求めている。

若草ミドリさんの情報によると、2023年1月16日に開催された「困難女子支援法」の有識者会議において、村木太郎氏(村木厚子さんの夫)が、「ワンストップ支援センター」の重要性を説いている。もしかすると、保護した少女の診療・治療先として、病院拠点型のワンストップ支援センターを想定しているのではないだろうか。


若草プロジェクトが運営しているメディカルサポート基金、病院拠点型のワンストップ支援センター、それを繋ぐ「困難女子支援法」、いずれも村木太郎・厚子夫妻が関わっている。全国の施設が保護した少女は、病院拠点型のワンストップ支援センターで診療・治療を受ける。費用は施設側が支払い、後日、メディカルサポート基金から払い戻してもらう。少女を「長期間」(永久?)保護し続けることができる仕組みとして、メディカルサポート基金が創設されたのではないだろうか。

警察庁の資料

ただし証拠はない。タイトル通りの憶測である。

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