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それでもやっぱり私は、水溜りボンドを応援する

このニュースは、YouTuberを好んで見ている人ならみんな知っていると思う。

YouTuberのあやなんさんのお誕生日会ということで、YouTuber31人が恵比寿のとあるお店で、緊急事態宣言下にも関わらず、深夜3時まで飲めや歌えの大騒ぎをしたそうだ。

それだけでやっちまったなあという感じなのに、路上喫煙している人や、外で立ちションしている人、また主役のあやなんさん(自分の力で立てない程に泥酔)に至っては、夫ではない男性YouTuberの足にコアラのようにまとわりついてる写真まで撮られていて、なんかもうアララーなニュース。

多分ほとんどの人は『相変わらずYouTuberやってんなあ』って感じなんだろうけど、私はまあまあショックだった。

私が5年程前から応援している、水溜りボンドのトミーさんがその集まりに参加しており、何ならその“恵比寿のとあるお店”が、そのトミーさんが経営するお店だっていうじゃないか。

そ、そんなあ……。酷いやトミー……。

かつては『YouTube界のNHK』なんて言われた水溜りボンド。まさかこんなニュースが出る日が来るなんて、5年前の私はこれっぽっちも思わなかった。

5年ほど前、体調不良で会社を休んだ私。布団に入って休んでいたがとにかく暇だったから、YouTubeで“ディズニーランド”と検索して適当に夢の国の動画を見ていた。
土日とは違って、行くべき会社を休んでいるとどうしても精神的には休まらないものだが、その動画を見ていると現実から離れられ、いくらか気が休まった。

その関連動画で水溜りボンドが出てきた。水溜りボンドがディズニーランドで様々な企画をしているのを見ているうちに、自然と2人のことが好きになって、それからはひたすら2人の動画を見ていた。当時水溜りボンドは毎日投稿をしていたので、毎日毎日とても楽しみにしていた。忙しくて見れない日があると、次の日は新作を二本見れる。その事が嬉しかった。

大袈裟ではなく、人生に彩りが増えた。

企画力や編集力を褒められることが多い2人だけれど、私は何より2人の仲の良さ、謙虚さ、真面目さ、誠実さが大好きだった。見ていてすごく安心する。

芸人さんで例えるなら、ウッチャンナンチャンのような安心感があった。誰も傷つけない、優しい笑いだった。

もしくは、下ネタを言わないさまぁ~ず。大竹さんと三村さんの仲の良さと通ずるところがあった。水溜りボンドは、お笑いサークルでネタも頑張っていたけれど、一番の強みはトークだった。2人がただ話してるだけで面白かった。それはまるで、さまぁ~ず×さまぁ~ずを見ているようだった。

この5年間、私の人生も色々なことがあった。絶望の淵に立ったこともあるし、今だってたまにある。きっと日々頑張って生きている誰もがそうだ。そんな時も、水溜りボンドの動画に励まされた。

『2人の動画には、マイナスの感情をプラスに変える力がある』と、私は思う。

しかし、ある頃からか、2人はすっかり変わってしまった。

いや2人は、じゃないか。

トミーだ。

カンタくんは登録者が何百万人になっても、本質は変わらなかった。それはトミーもよく言っていた。「こいつは昔からなにも変わっていない。それが凄い」と。

トミーは、いつからかブランド物で身を固めるようになった。お金を使いまくり、それが“オモシロ”だとよく言った。元々少し口が荒いところはあったが、それがどんどん悪化していった。
「ほら、俺って怖いじゃん」とよく言った。ヤンキーとか、怖い人が着そうな派手な服を好んで着ていた。
初対面のとき怖かったっスと後輩に言われると、どこか満足気に笑っているようにも見えた。

どんどん変わっていくトミーにすごく違和感があった。水溜りボンドは、いや、トミーは、どんどん変わっていった。ファンはその変化を敏感に察知し、少しずつ離れていった。動画の再生回数は目に見えて減っていった。

そして数ヵ月前、遂に炎上した。

ほとんどトミーの発言が原因だったと私は思っている。ファンがこれまで思ってきたことを一生懸命にトミーに伝えた。最近は動画から離れていたファンも最後のチャンスだと言わんばかりに久しぶりに戻ってきて、思いを伝えた。あんなに愛がある炎上は初めて見た。

そしてトミーは、トレードマークとも言える外ハネの長髪から、急に坊主になった。

あ、伝わったんだな、これからきっと変わるんだ、元の誠実で謙虚で真面目な二人組に戻るんだ、と思った。きっと多くのファンはそう思った。いや、そこまでは思えなかったかもしれないけれど、明らかに動画にも変化が出てきたので、何かが変わっているかもしれない、とは思っていたと思う。また好きになれるかもしれない、と思った人もいると思う。

そんな矢先の、このニュースだ。

文春の記事を初めて読んだ時、まさか、と思った。きっとトミーはプレゼントだけ持っていったんだ、チラッと顔を出しただけだ。ほら、写真だって一枚も撮られてない。どこにもいないじゃない。良かった。トミーはそこまで変わっていない。良かった。

そう思っていたが、先日の謝罪動画を見て、本当にがっかりした。ショックだった。

そして、辛かった。

トミーは、自己肯定感が異常に低いところがあった。カンタは本当に凄い、けど、俺には何もない、くらいの勢いでよく話していた。

もしかしたら本当はそこまでは思っていないかもしれない。
でもそう話すトミーは、『トミー、そんなことないよ、あなただって凄いんだよ』という言葉を渇望しているように見えた。

あなたが今まで出会った“ヤンキー”を思い出してほしい。

心優しい男の子だったのに、おだやかな男の子だったのに、ある日突然急にヤンキーになった子はいなかったか。ただの恥ずかしがりやの女の子だったのに、ある日突然ヤンキーになった子はいなかったか。真面目な優等生タイプだったのに、急に似合わない茶髪にして、一生懸命チャラチャラしたり、道に背いたことをしだした子はいなかったか。

私はトミーにそんな彼らに似たようなものを感じた。

ヤンキーって、本当にアンポンタンもいるけど(この31人の中にも、生粋のアンポンタンもいるようだ)、ヤンキーの半分くらいは、こういう心優しい子達だった気がする。共通するのは、どこか自分に自信がない印象があった。そんな人達にとって、きっとヤンキーってどこか憧れの対象になる。自分がやりたいことを、自分に自信をもってやっている。自分にはできないやんちゃなことをして、仲間同士でゲラゲラと楽しそうに笑っている。ただ真面目なだけな自分がカッコ悪く思えたりする。

それをこじらせにこじらせた結果が、今回のようなことを招いたのかな、と思う。
うまく言えないけれど。

カンタくんみたいに、才能があるのに人を大きく上回るほどの努力もできて、めちゃくちゃ真面目なのにめちゃくちゃ面白くて、とっても優しい人柄でみんなに愛されるのに自分は孤独を愛していて、そんなめちゃくちゃ魅力的な人間が相方にいたら、そりゃきついと思う。同じ方向では頑張れないと思ってしまうと思う。

でもさ、トミーはトミーのままで、最高に魅力的だったんだよ。カンタくんのことを信頼していて、仲間を大事にしていて、みんなが笑ってくれるのが何より大好きで、とっても優しくて、そして実は根は真面目で。おじいちゃんの家が大好きで、美しい自然が大好きで、飼ってるわんちゃんが大好きで。ちょっぴりさぼっちゃうところもあって。そんなところも人間味があって魅力的だ。カンタくんがあんなに面白いのは、心から信頼できるトミーがいつでもどんな時でも絶対にそばにいるからこそだよ。そんなことを思ったりする。

あ、ここまでつらつら書いていて思った。二人の関係って、私が大好きなビートルズのジョンとポールに似てるかもしれない。

ポールというとんでもない才能を持った人間と一緒にバンドを組んだヤンキーのジョン。
『僕の一番の功績は、ポールを見つけたことだ』と言ったといわれるジョン。
ジョンレノンファンは「そんなことないよぉーー!!!」とジョンの肩を泣きながらガタガタ揺らしたくなると思うけど、そんなところもまたジョンの魅力だった。母性本能くすぐるって言うか。

高級な晩御飯を奢らなくたって、後輩にiPhoneをプレゼントしなくたって、海外旅行に連れていってあげなくたって、あなたはあなたであるだけで十分魅力的なんだよ、と伝えたい。

だからもっと自信をもって、真面目に優しく生きてほしい。たまにサボってしまっても、だらけてしまっても、またやり直して力強く生きてほしい。愛する周りの人を信じて、たまに頼ったりしながら、支えあって生きてほしい。


これをトミーが読んだら『何だコレ全部妄想じゃねえか、キモチャリ』と言うかもしれないけど、『でも、つまり応援してくれてんだな、ありがとうね』って思ってくれるんじゃないかな、と思う。

カンタには、人のマイナスな感情をプラスに変える力がある、とトミーはよく言った。
私は、いやそれ、あなたにもあるよ、と伝えたい。

頑張ってください。
応援しています。


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