テアトロ・ガットネーロの感想
はいどうも、メタバースなにもしない人ことdateyakiyaです。
普段は自分の存在を貸し出す「メタバースなにもしない人」という活動しています。
10日に行われたテアトロ・ガットネーロ -The Auction-に招待されたので、その感想を書いていきます。
あくまで一個人の感想なので真に受けすぎないように。
では本編。読みたくない人は最初から読むな。
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テアトロ・ガットネーロが"やらかした事"
かねてからテアトロ・ガットネーロへの印象はあまり良いものではなかった。
テアトロ・ガットネーロの目的はHPにも記載がある通りアバター宣伝だ。だが「演劇」と「アバター販促」が嚙み合っていないと思っていた。
「アバターの魅力を引き出す」為に脚本家や演出家による「ストーリー」。役柄という「イメージ」。役柄とストーリーから連想させる「キャラクター」は本当に必要なのだろうか?
僕は『宣伝目的でお預かりした商品』にそれらを付与するのは絶対に避けるべきだと考える。
アバターに独自のストーリーと役割を持たせ、舞台上でキャラクターを演じさせる。この時点でアバターの販促として成立していない。
『アバターの宣伝をする以上、余計なイメージをつけてはいけません。』を守る為に無言劇を選択し、無改変のアバターを使用していると思われる。
ではなぜ、"女の子を救った主人公は右腕を失い、最終的に女の子に裏切られる"という悲劇のシナリオを書いたのか。
演劇終了後、アクターからアバターの宣伝タイムがあったが、無改変アバターで演技したせいで上演中のキャラクター性が上演後まで観客の脳裏から離れていなかった。
観客から「今は天使なの?悪魔なの?」「今はカワイイ女の子だよね?」など、役のイメージを完全に引きずっていた。
演者も観客もそれを冗談として笑っていたが僕は一切笑えなかった。
その冗談が成立するということは、演劇によってアバターに対するイメージが一度でも改変された事実に他ならない。
たとえ"ストーリー上の演出"であったとしても、無改変アバターのイメージを大きく揺さぶった時点で、テアトロ・ガットネーロ本来の目的(アバターの宣伝)から大きく乖離している。
その笑いは起きてはいけないはずだ。
その冗談を冗談で済ましてはいけないはずだ。
外見ではなく印象を改変した。元とは違うイメージを植え付けられた。
はっきり言って最悪のプロモーションだろう。
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では、演劇としてはどうだったのか
テアトロ・ガットネーロのやりたい事がアバター宣伝ではなく「カソウ舞踏団によるアバターを使った劇」と解釈してみよう。
ていうか、最初からそう言ってくれたほうがまだ分かりやすかった。前項のような揚げ足を取られることもないのに。
一時Twitterを賑わせた「アバターの売り買いはバーチャル上の人身売買」というテーマの脚本は純粋に面白いと思った。ナンバリングを外し「オークション」というサブタイトルにしたのもそういう事だろう。
舞台自体も暗転を多用したカット割りでスピード感があり、役者の立ち位置や舞台道具がパッパッと切り替わる。きっとたくさん練習したんだな。裏方の涙ぐましい努力が見て取れる。
特に目を引いたのがスポットライトの使い方だ。写真撮影OKの公演にした理由はここを切り取ってほしかったんだろう。
僕がVRchatのデフォルトカメラで構図も意識せずテキトーに撮った写真でも、1枚の絵としてのディテールや空気が全然違う。
だがカットが頻繁に入る分、無限歩行の移動速度とストーリー展開の遅さが足を引っ張りテンポの悪さが目立った。
場面転換がスムーズだった分、ここが本当にもったいない。
「アバターそのものがそこにいる」見せ方として無限歩行は確かに効果的だ。だが、理想を全て詰め込むことはできない。あそこまで無限歩行に固執しなくても良かったと思う。劇としての感想はそれくらい。
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総評
正直、がっかりな気分だ。
テアトロ・ガットネーロへの印象は観る前より悪くなった。
招待を受けた際『来てみて、書くに値しないなら全然書かなくてもいい けど、今回の劇はよいかみのすべてを注ぎ込んだ作品で、今後20年この公演を超えるVR劇は登場しない』というビックマウスも最早愛おしい。
今思えばこの時点でアバター宣伝を主としていないのを見抜けなかった僕がマヌケだったんだな。
2/14がラスト公演だと聞いていたが、本文を書いている間に15日の追加公演が決定していた。きっと彼らは隠し玉を持っていると睨んでいる。なにかしらの仕掛けを用意してラスト公演を大団円で締めるのだろう。
まだまだ書きたい事は山ほどあるがこれ以上は本文から逸れてしまうので今はしまっておく。聞きたい人はDMしてくれ。
※ 3/13 「まだまだ書きたい事」を追記。
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