分断を生んだのは尾身さん自身。

政府分科会会長の尾身さんから、幅広く声を聞かせて欲しいという呼びかけがありましたので、敢えて書かせていただきますが。

「基本的感染防止策の実施には、長い間、多くの方々がご協力下さっていますが、その考え方の違いから、分断を生む原因になっている側面もあるのではないでしょうか。」

とおっしゃる尾身さん自身が、国民の分断を生んできた張本人であることは間違いありません。その最たるものが、オリンピック・パラリンピックの開催に反対した事実です。

結果として、オリパラでの感染症対策は万全で、選手村は地球上で最もCovid-19感染の恐れの無い場所の一つとなっています。特に懸念された、呼吸器疾患を持つパラリンピアンの大会での感染事例も無く、ボランティアも感染から無縁で活動を行なっています。感染症対策の意味で、開催中止を呼びかけていた専門家の提言は間違っていたわけです。まずは、これを真摯に反省し、謝罪することなしには、専門家としての信頼感を取り戻すことは出来ません。

感染症対策にならなかったばかりでなく、特にパラリンピック開催に反対した事実は、国民の健康増進という日本の医療の目標を損ねる、犯罪的行為でした。医学の専門家に対して私から言うようなことでは無いはずですが、障害者のスポーツ参加というのは非常に大きな問題です。視覚障害の方や、車いす利用者の方、重度障害の方のスポーツ参加は、施設が非協力的だったり、援助者が少なかったりで、障害者にとって経済的・人間関係的・心理的にも非常に負担となっており、今もなお参加する人の割合が健常者に比べて非常に低くなっています。つまり、障害を負っているということで、生活習慣病リスクも同時に高くなってしまっています。15%いる障害者の大部分がこのリスクを抱えている、つまり数百万人に及ぶ問題で、Covid-19の感染者数よりもはるかに大きな数字となります。

このような健康上の重大な問題を生む発言を国会で行なった尾身さんの責任は重大です。人の心があるなら、パラリンピックが終了する期にでも、障害者スポーツへの理解を訴える、援助を呼びかける発言を行なっていただきたい。でなければ、単に自分の感染症専門家としての実績を高めるためだけに、障害者を踏みつけにした人物として、指弾し続けるしかありません。


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