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魔法の国エアリス(eAlice in magicland)〜謀(はかりごと)にはご用心〜 仕掛けについて

ClusterGAMEJAM 2022 in Autumn にて、ワールドクラフトを使用し投稿した拙ワールドの解説noteです。どんな考えをもってこんな配置にしたか、などが書かれています。備忘録的なやつです。

できるだけ自力でクリアしたい人のために、ネタバレは進路順にしていますので、必要なところまでお読みください。

リスポーン地点

リスポーン地点、一人称視点
右にある魔法陣は「ここから直接お外に出かけられるよ!」って魔法陣の設定です。エアリスは飛べないのでまだ使えませんね。

最初から見ていきましょう。まずはここ、ほうき小屋です。順路はこの背後なのですが、ある仕掛けのために、この光景を1番先に見てほしくてこの配置にしました。
話す2人に近づくと、テキストが読め、行き止まりであることがわかり、そうなると後ろしかないので振り向きます。

階段が出現
大量に並ぶ可愛いランプ

階段があれば上がりたくなるのが人間というものです笑
すると、左右にほうき乗り場と寮への入り口の魔法陣(という設定)を見つつ、扉の前にくると…

見覚えありまくりな像

と、とみね像だ!
と道が間違ってないことと見覚えある像に安心してくれる…はず。

浮かぶ本!魔法っぽい〜!!!!!

そして扉をくぐると、THE魔法!といった雰囲気の図書館に入るわけです。しかも先程テキストにあった「白鳥の像」これまた見覚えありまくりなスワンマン像がありましたね!
(とみね像やスワンマン像は、目をひく上に見ただけで笑顔になれる魔法のアイテムですね。ほんとありがたいです。)

適当な本も選べますが、それらはすべて不正解。(不正解なのにsitPositionの値にマイナスをつけ忘れたがために、いくつかは天井に乗れちゃって、かなりスキップしつつ正規ルートへと合流できちゃってたので修正しました)
スマンマン像のクチバシが指し示す先をたどると…

一冊だけポツンと浮いてる本が!!!!!
これが禁書庫への入り口です。(ちなみに壁から木の枝が出ちゃってますが、違和感をなくすために入り口付近に木を植えてます。この図書館は魔法の図書館だから木くらい生えてる生えてる笑って感じで。一マスずらせば良いところですが、ただでさえ広いワールドなので、できるだけ詰め詰めにしておきたいです…。)

禁書庫

いよいよ…と言ってもここから冒険が始まるんですが…禁書庫です。広い空間にポツンと本が一冊。特別って感じでいいですよね!床が透明なのは、下から見た時本棚見えたけど、ここ禁書庫だったんだ!?というプチサプライズです。浮いてる感じがおしゃれでしょ?

さあいよいよ冒険の始まりです!
ちなみに東屋が設置されてる理由は、後述するサプライズがバレないようにカモフラージュするためです。一人称だと背後になって見えないんですが、三人称視点だとこのようにうっすら見えちゃうんですよね。

道の脇に長くて高いのが立ってると、迷わずまっすぐ進んでくれるかなって。
ほら、うさぎがいた!ほうきもスタンバってますが、エアリスは乗れないんでしたよね。※2022.11.4現在、quest2単体のジャンプが低いため、デザインを変更しています。
GAMEJAM結果発表ではここを素晴らしいカメラアングルでぐるぐる撮影してくださって、めちゃくちゃ嬉しかったです☺️

そのまま穴を真っ逆さま。穴の中の装飾はモチーフ元のうさぎのイメージでもある時計をたくさん置きました。

さて、ここの何気ない猫ですが、穴から落ちると左前にいるのが見えるんですよね。そして左を向いている。要するに視点誘導と順路誘導をしています。あと可愛い。猫だから。

そのあとも東屋の横に猫がいますね。可愛いですね。そうです、そのままそっちへ向かえばいいんです…。テキストの向こう側にも猫がいますが、こちらはショートカットへの道となっております。アスレチックミスって落ちて、もう一度来た時「そう言えばこっちって何があるんだろう?」と覗いてくれたらそこには…そしてその先には…そこは自分の目で確かめてみてくださいね!

♪歌うピアノ♪

何気に重要なワード「ハートの女王ら蜂蜜と賢い者がお好き」の初出場面となります。

窓は狂気の帽子屋の帽子の形。気づいた人いるかな?
何かメッセージが…!?

知識の館

メタらいおんの謀、その1です。
ワールドクラフトの限界に挑戦したくて、みんなをびっくりさせたくて、頑張りました!!!!!
モチーフ元のネタと同じように、大きくなったり小さくなったり。そのためには部屋と物のサイズを縦横高さを比例させて変更しなくてはなりませんでした。しかも後述するサプライズのために敷地は限られている(容量的にも…笑)。UnityでsitPositionを微調整し、アップロード、配置、落ちる、はい最初から館まで戻ってきて〜、微調整し、アップロード、配置、配置する向き間違えて変なところに出る、落ちるしかない、はい最初から〜…
という作業の繰り返しで心が折れかけました笑
Twitterで愚痴ってたのはここでの苦労が大半だったと思います笑 フレンドさん、フォロワーさんたちには本当に励まされました!

ここで今回のGAMEJAMで挑戦した、自分の限界突破ポイントは2つ。
・ワープ機能的なアイテムを作ること
・プレイヤーに変化をもたらしたと錯覚させること(ワールドクラフトで「できなさそうなこと」を実装すること

です。ワープ機能的なのはもつおさんの超便利神アイテムですでに登場していたので、他の人もそういったアイテムを出してくるだろうな…と考えました。そうなると差別化を図るとしたら2つ目の方です。部屋を変えることで、プレイヤーに変化をもたらすのは、CCKではできていても、ワールドクラフトではまだないんじゃないかな〜と思いました。

クイズの内容ですが、全部うさぎに関係しているクイズにしました。そして、全てを警告文のようにすることにしました。「詐欺師、だます、予想外、逃げ」などのキーワードで、不穏な空気を演出しました。…これは余談ですが、このワールド構想の初期段階で、うさぎは女王の手下で、しかし女王にさえも裏切られて痛い目をみる、というストーリーになっていました。ストーリーを単純化したくて、練り上げていくうちに、うさぎは単に親切で女王のところへエアリスを連れてきた、に変化したんですが、テーマ発表を聞いて速攻で復活しました笑。(さすがに、女王にさえも〜のところは蛇足になると思い削りましたが。)

そんな狭い迷路?と不穏なクイズの中、緩急をつけてくれるのが、チキンがいるトイレとカンファレンス時のしゃちょーです。ずっと暗いままじゃ息が詰まりますね。本来私はみんなに楽しんでほしいので、サプライズにも笑いにも手を抜きたくないんです。あと、同じ調子だと飽きちゃいますし。

ティーパーティーと猫

とっ散らかったティーパーティー会場

たくさんのアイテムを詰め込みました!アイテムストアには美味しそうなアイテムがたくさんですね!!!!!全部は私の👛💸とワールド容量の都合上設置は難しかったので、お気に入りを置かせてもらいました!楽しく見ながら、テキストを読んでリラックス〜というターンです。

ここまでもこのあともそうなのですが、全体的に緩急やテキストを読むターン、クイズやアスレチックで緊張するターンを交互に配置するよう努めました。ただでさえ長いですからね笑セーブもできないですし。

しかし、帽子屋は不穏な言葉を残します。

そして、猫が登場します。エアリスの言われたくないことをズバズバ言ってくる嫌なやつです。反面、良いやつでもあるんです。だってエアリスはここで自分の今までの自分を振り返ることができたから。

ちなみにこのティーパーティーと猫の部分は本当はもっと広く、長く、しかもクイズも挟む予定でした!スクリプトアイテムも入れたかったんですが、容量と時間的に無理そうだったので、必要な部分だけ作ることにしたのでした泣

うさぎと森とメアリーアン

ストーリー
うさぎの小屋に入ると、このあとの目標がはっきりします。メアリーアンを見つけて、ハートの女王に会う。です。ちなみに森というのは、物語において役割があります。それは「森に入った時と出たあとで、主人公に変化が起きている」ことを表すものです。無事に生還して森を抜けることで、主人公は何かを得たり、変化をしていたりするんですね。この森に対する考え方はグリム童話などについて書かれている書籍を読むとたのしいです👍

ここでエアリスが得たものはメアリーアンの会話での「頼るということ、大切にするということ」こんな感じでしょうか。

アスレチックなどの仕掛け
森のアスレチックはかなりこだわりました。森にあって不自然でないもので、しかも楽しめるもの…ですから、色々な角度で考えなくてはなりませんでした。要するに、どんな人でも「やられた/謀られた!」と楽しめるように考えました笑
①きのこの誘導
きのこの誘導は2箇所あります。うさぎの家の裏と、岩の左への道の2つです。1つ目は順路通りですが(ちなみにこの時余裕のある人は顔をあげていて、うさぎの家がうさぎの顔の形をしていることに気づいたと思います笑)、2つ目はニセ誘導です笑。騙されちゃいけませんよ、という警告でもあります。公式の笑顔マークがこ憎たらしく思えたのなら私の思い通りです笑
②砂利の足場?

なんだか足場がよくわからない道があるぞ!?と思って、えいやっと勇気を持って進みましたか?ありがとうございます。あなたは私の罠に騙されてくれました。
そこ、本当は床が張ってあるので、歩けます笑

しかし、この先に似たような場所が出てきます。たくさんのアスレチックを掻い潜り、うさぎとメアリーアンがいる、そう、プレイヤーが油断した、そこです。
そこには床がありません。大きめの石があるので、慎重な人はそこをジャンプして渡ったでしょうが、1つ目で騙された人は落ちます。油断大敵ですよ!

③岩場
岩場のアスレチックは実は、端に、斜めに繋がった場所があるので、難しい!という方はそっちから行けるゆる難易度ルートが用意されています。
そしてここにも仕掛けが。
これも後述のサプライズに関係することなんですが、この道、少しずつ斜めになってるんですよね。気づいた方もいらっしゃるでしょうが、なぜか、なんてこの時点で気づく人はそうそういないでしょう。正直、ここの斜めの部分さえ気づかれなければ、私の企みは成功したと良いと思っています。

④にんじん畑
お疲れ様でした、という緩急のゆる部分です。同時にうさぎのキャラ付けも兼ねています。そしてその先にはまたもやしゃちょーが。ここのしゃちょーがハートマークを出しているのは、可愛いという理由もあるのですが、実はハートの女王の城の方向を指しているんですよね。

⑤スクリプトアイテム
とにかくこの倒れる床を入れたくて!でも森に雰囲気が合わないのは勘弁してください。こればかりは間に合わなかったんです! カンファレンスでJavaScriptが解禁されてまったくの初心者が本を浮かばせて動かせたからそれだけで褒めてもらいたいものです笑。本当は余裕があれば、知識の館を増設して、○×クイズの外れは落ちる〜ってやつやりたくて画像も用意してたんですが無理でした!え〜ん!でも素晴らしい機能です!ありがとうございます!!!!!

さて、このスクリプトアイテムだー!と飛んだ先には、②砂利の足場?の2つ目が待っています。あっこれ見たことあるやつだ!余裕余裕!と思いましたか?(後日、HMDではハードモードすぎることがわかったので、少し修正しました。)

ハートの女王の城

できるだけシンメトリーな城にしたい。だって好きなんだもん。というわけで真ん中から女王の城へ…でかい城とハートのエンブレムデザインはちょっとこだわりました。
うさぎの方へ行ってみるとそこはクロッケー会場。フラミンゴに混じるチキンが笑いを誘います。
メアリーアン的には止めたかったでしょうけど、女王の前で止めたら自分の首が飛ぶかもしれません…さすがにためらっちゃいますよね。彼女のことを責めないであげてくださいね。
そうしてハートのバラの木の道を通るとレッドカーペットがお出迎えしてくれます。しかしそこで聞いた衝撃の真実と、うさぎの笑い顔に驚いてくれたでしょうか?大丈夫です。1番のサプライズはこのあとですから。
ほうきを頼るということを覚えたエアリスはほうきを頼ります。
本当はここでほうきに乗って移動するアイテムを作りたかったんですが間に合いませんでした!泣
きっと女王はほうきで飛べることを知って、すぐに折ったのでしょう、きっと。だから乗れなかったんだよ、うん泣
(現在実装済みです!遊びに来てね!)

ちなみにスクリプトアイテムで黄色の上下するアイテムを使用させていただきました。(hyoromoさん製作 2022.11.6追記)蜂をイメージしてます。
さて、アスレチックを終えると、そこには下へ続く梯子が。消し忘れではなく、視点誘導と動線誘導です。
降りると目の前にあるテキストで、逃げなければならない、と城とは反対の方に走り出します。(ちなみに女王の左へ行くとここと合流するので、アスレチックどうしても無理!な人は矢印に逆らって左に行くこともできます。)
(この城に屋根がないのは理由が2つあります。1つはこのあとにあるサプライズの時のため。もう1つは屋根作ってたら48時間以内に完成させられないと思ったため、です。2022.11.6追記)
そして塗り残しのあるバラの木を横目に、迷路へ!
なぜ迷路に追っ手がこないのかは理由があって、塗り残しのバラをあとからくるであろう女王に見つからないようにするために追いかけられなかったのです。
結局女王に見つかって、首をはねられてしまい、女王はスッキリしてエアリスのことを忘れます。『女王が賢い者の脳みそを食べたがるのは、忘れっぽい自分へのコンプレックスからきている』のです…。

帰還の祠

折られながらもなんとかエアリスを帰還の祠まで運んだほうき。エアリスは階段を登ります。そしてメッセージを見つけます。

その通りに「土下座のエモーション」を使うと…

これまで通ってきた道が、ENDの文字の形になっていたことが判明します!
ここがこのワールドの1番のサプライズ!謀、です!わーい!

しかしまだエアリスは帰れてません。振り返るべし、はこのENDを見て「今まで歩いてきた道を振り返る」とダブルミーニングになっていて、後ろを「振り返る」と、小部屋があります。
そして魔法陣の上に乗ってほうきをタップすると…

なんだかすごーく見覚えのある場所ですね!リスポーン地点がこの場所、この向きでなければいけなかったのは、「ここに帰ってきたことをはっきり示すため」です!

このワールドを作るにあたって『「ついやってしまう」体験のつくりかたー人を動かす「直感・驚き・物語」の仕組み』(著者:玉樹真一郎)(任天堂にいたWiiの企画担当したすごい人)という書籍を読んだのですが、そこに書かれていたことで、スタートとゴールを同じにすることでプレイヤーの成長を実感させる、というものがありました。スタート前の自分と、クリア後の自分。得られた何かを心に残してくれたら嬉しいな、と思い、最後のサプライズとしました。

最後に
サムネが「飛べない魔女なのになぜ飛べているのか」というと、クリア後だからなんです。
ほうきを見てもらえばわかると思いますが、柄の部分が曲がっているのと、テープで直された後があって、最後のENDの時の姿になっているんです。

こんなところで終わりです。長い間お付き合いいただき、ありがとうございました!

追記
このワールドは、ClusterGAMEJAM2022 inAutumnワールドクラフト部門にて総合大賞を受賞いたしました。製作にあたりまして、応援してくださったみなさまに感謝いたします!ありがとうございました!2連覇、やったー!

また、この度2022年12月8日のアドベントカレンダーに登録させていただきました!ワーイ!ありがとうございます!

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