2歳の言葉のつかいかた

息子、この文章を書いている時点では2歳1ヶ月、使える言葉がどんどん増えていく。それも最近は正しいシーンで使う。言葉が出始めた頃は、「へえ、そういうふうに覚えているのか、そういうときに君は使うのかあ」と感心することもあった。大人と違う使い方をする彼のフレーズを、記録しておきたい。

あっちいった、を現在の状態につかう

大人たちが言う「あっちいった」は、話し手が現在いる地点からどこか見えないところへ移動する様子である。大人たちは動作が完了したタイミングで言う。息子は、現在見えていないのであれば使う。電車が通過してしばらくして、駅に静けさが訪れているときに「あっちいった」と言う。妻が出かけて、1−2時間経っていきなり「あっちいった」と言う。居る居ない、にニュアンスが近い。2歳になる前から言えた、わりと初期の言葉である。

あった、を人に対してつかう

細かいことであるが、人や動物は「いた」である。息子に対して絵本を見せながら「アンパンマンはどこかな」と聞くと指差して「あったー」と言う。家族写真を見せて、お母さんはどれだい、と聞くと妻を指差して「あったー」という。無意識のうちに、我々が「おもちゃあったねー」とか「ヨーグルトあったね」と話しかけていたのかもしれない。存在する、の意か。

まって、を自分から離れていくときにつかう

これ気づいたときは面白かった。大人が使う「待って」は話し手から見て、動いている誰かに止まってほしいときである。息子は例えば抱っこで移動する際に何かつかみたいとき、手を伸ばして「まってー」という。微動だにしていないおもちゃに向かって、まってーという姿はとてもかわいい。息子にはおもちゃが離れていっているように感じられているのかもしれない。

いたい、をかゆいときにつかう

これは単純に言い表せられないのかもしれないけど、あせもや乾燥で湿疹になってしまったとき、かゆそうにしながら「いたいーいたいー」と言う。

みぎ、を履くときにつかう

靴を履くとき、「みぎっ」というものだから右左がわかるようになったのかと感動していた。よくよく観察すると左足から履くときも「みぎっ」と言っている。ズボンを履くときも「みぎっ」と言う。右足がうまく入って次は左足、ってときも続けて「みぎっ」と言っている。右足が2つあるのか、「みぎ」が何か履くときの効果音、掛け声のようなものだと思っているのか。

舌足らずで言えない言葉はたくさんあるけれど、大人とちょっと違う使い方しているな、ってのは言葉を習得する過程を見ているようで面白い。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?