20171117

育った街が変わり果てて行く。
新しい電波塔は今の政府の宗教施設のよう、
電車は相変わらず大勢の忍耐を乗せて平行線を滑って行くけれど、皆小さなジョブズをお経を読むように眺めている、
誰もが他を遮断しなければ生きて行けないのだ。
遮断自体が強い関係性を有しているとはしらずに。
駅前を急ぎ足で歩く女性は話してはいけない罰を受けているかのようにマスクをしていて、
女子高校生はパンを咥えて無理やり引き伸ばした髪をなびかせている。
クラブチームのジュニアだろうか、クラブのマークの入ったジャージを着て、長い足を通路の真ん中まで伸ばして、口からはチョコレートの臭いを吐き出している。
こんな街、くたばっちまえとうそぶく衝動を堪えるのがやっとだ。

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