スーパー戦隊の「第三勢力」の定義

最近、気になる書き込みをネットで見かけたので書き記しておきたい。

東映製作のスーパー戦隊シリーズ第9作の『電撃戦隊チェンジマン』に登場する敵キャラクター「女王アハメス」についてである。

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一部の纏めサイト、Twitterなどでもアハメスは、第三勢力に属するキャラだという書き込みをチラホラ見かけた。第三勢力とは、文字通り戦隊ヒーロー側にも敵組織側にも属さないもう一つの勢力。スーパー戦隊シリーズで言えば、第4作の『電子戦隊デンジマン』に登場する「バンリキ魔王」が最初であり第三勢力の代表格と言えるだろう。

第三勢力の立場のキャラは、「外部からの協力者」というような立ち位置であるが、腹の中では戦隊の敵組織のボスを倒して組織の乗っ取りを企んでいる。作品によって多少の違いはあるが大体その位置づけである。さて、このアハメスが第三勢力という認識になるのは、何故なのだろう?と純粋に疑問に思う。

途中から登場した敵キャラだから?いや、途中から登場したというだけで第三勢力になるという認識は正しくないと思う。アハメスは登場した直後はゴズマとは別行動を取っていたものの、早々に星王バズーに対して過去にバズーに抗った非を侘びバズーに忠誠を誓っているのである。バズーの方は許してはいないが。

そもそもゴズマのメンバー(幹部)は、バズーに対する恐怖や故郷を楯に取られ否応なしに従っている面従腹背と言った方がいい。勿論、純粋に破壊や殺戮を楽しむ奴らもいるが、それは宇宙獣士の面々で最終的にギルーク以外皆離散したのだから、やはりゴズマのメンバーはバズーに対する忠誠心はなく面従腹背であることは間違いないと思う。

で、アハメスの話しに戻すが、彼女はシリーズの中盤で指揮官に昇格している。結局指揮官の座を降ろされるが、最後までバズーに対しては忠誠を誓っていたし、立場的には「ゴズマの正式な幹部」で間違いないと思うのだが?

次作の『超新星フラッシュマン』に登場する「サー・カウラー」は、歴とした第三勢力であることが分かる。何しろ36話で勝手に作戦を立てて、しかもワンダやネフェル達まで作戦に投入させたりしている。そして、ケフレンから「貴様はいつからメスの幹部になったのだ。宿無しのハンター風情が身の程を弁えろ。」と怒りを買っている描写があるし、実際反逆しているのでカウラーは間違いなく第三勢力の立ち位置のキャラなのは間違いない。

『高速戦隊ターボレンジャー』に登場する「流れ暴魔ヤミマル」も「流れ暴魔」という呼称や人間と暴魔の間に生まれたという設定があるし、これも分かりやすい。

で、何が言いたいのかと言うと、「途中から登場したから第三勢力に属する」というのは、おかしくないだろうか?ということが言いたい。それとも私の認識が間違っているだろうか?戦隊関連の書籍を多く読んだがアハメスが第三勢力であると紹介されている記述は読んだことがないのだが…。

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