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ガガガの歌が沁みるとは。

 『ボヘミアン・ラプソディ』は素晴らしい映画だ。人並みに好きだったクイーンの聞こえ方がまるで変わってしまった。書かれた状況を知り、感情移入することで音楽の力は何倍にも膨らむ。そんな私が今最も揺さぶられる歌は、ガガガSPの「卒業」だ。

 ガガガSPは不器用な男のダサい人生ばかりを歌う。進路で悩んでいた頃は「日暮し」の「金がなくて、フラフラしてても、ずっとそこに居れればそれでいいんじゃないか」なんて詞に慰められた。ガガガSPの、熱い男の歌が好きだった。だがそれとは別に笑って聴いていたダサい失恋の歌を、こんなにも理解してしまえる日が来るとは思ってもみなかった。詳しくは書くまい。だが、人生どう転ぶかわからないものだ。

 映画を観て、「ボヘミアン・ラプソディ」という歌が本物だったことを知った。ダサい片思いとダサい失恋をして、「告白」「卒業」が本物だったことを知った。本物は良い。理解できなくても心に引っかかる。惹き付けるものがあるし、理解したときには何よりも沁みる。そうやって音楽のエネルギーが前を向かせてくれる。音楽の力を何よりも感じる。

 でもさ、別にそんな気持ち知らなくてよかったんだけどな。

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