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Makuakeと転売と違和感

ツイッターでCCAというメーカーのイヤホンがmakuakeで直接輸入するよりも3倍する値段で販売されているというのを見た。

でもなんだかなぁ・・・なんか引っ掛かって違和感がある。その違和感を書いてみようと思う。

そもそも

自分はすでにこのイヤホンをaliexpress経由で通常の値段で購入して、実物を手に入れている。

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値段の割にはいい音を出している。もの自体は良い。いつの間にかエレクトロスタティック型ドライバーもイヤホンに入るほど小型化されドライブ電圧も通常の電圧帯でいいようになったようだ。時代だなぁ。(エレクトロスタティック型を静電型/コンデンサー型ともいうので個人的にはコンデンサー型ドライバと言われたほうがわかりやすい)

違和感の正体

日本で輸入を代行して仕入れ値に利益を載せて販売することはおかしいことではないし、それが数倍になっててもおかしいわけではない。ぼったくり価格だと思えば客が買わなければいい話だ。それにメーカーと交渉して、日本リージョンには独占的に販売するというのは、まあある話だ。それが値段が数倍になったとしても売れるのであれば問題ではない。さらにメーカーとしても大口のロットで販売できるのであればビジネスとしておいしい。

ここまでの話では特段、おかしい話はない。高い値段を払ってくれる人に大量に売りさばいているのでビジネスが上手い。

ここで問題となるのがmakuakeというプラットフォームだ。makuakeは和製kickstarterともいえる、クラウドファンディングの草分け的存在だ。目標金額を達成してプロジェクトが成立したら出資額に応じてリターンを得られるという仕組みだ。本来ならば金銭体力の少ないメーカー自身がキャッシュを先に確保する目的で使われ、それをもとに新商品を開発するという使われをする。

ここで、今回の違和感が現れる。スタートアップでもメーカーではない自称代理店がこのプラットフォームを使って販売するのはどうなのかという話である。

違和感は一つではなく、もうひとつある。購入する側からすると、異常な状況になっている。

それは実質的に共同購入しているのに値段が上がるというところだ。

共同購入することで値段を下げている生活協同組合連合会(通称coop)や大量に入荷し大勢の客に売るホールセール系(例えばコストコ)などは現実に存在してしてて社会に受け入れられている。それらの全く逆の現象が起きている。これが自分が感じた違和感だ。

つまりMakuakeでは本来1つ買えば通常の値段なのにスタートアップ向けのプラットフォームで共同購入すれば高い値段で買うことができる・・・という亜空間が成立している。

彼らは霞を食っているのか

この謎のギャプをManukeということにしよう。今回のManukeを成立させるためには、

1.購入者がaliexpressで直接中国のセラーを取引できないor知らない

2.値段が高くても支払う余力がある

3.周りが持っていないものを持っている優越感が欲しい

という条件が必要そうだ。3に関しては本当に性能が必要ならばヨドバシカメラに行けば好きなものが必ずそろっている。ヨドバシにはManukeは無い。(※ただし携帯コーナーを除く) 

しかし1と3は本来矛盾する。周りが持っていないものが欲しければ直接中国に発注すればいい。aliexpressには法律に引っ掛からなければ、世界中のすべてが売っている。ドラゴンボールを集めるのならaliexpressならたやすいことだ。数量を7にすればいい。ね。簡単でしょ

だが、1と3は同時に成立している。彼らは新しものは欲しいがaliexpressで買うことはせずmakuakeで買う。amazon でもマーケットプレイスを使えば買えると思うがmakuakeで買う。あるいはaliexressで買えることを知っていても、ファーストステップを踏み出せずに日本語で問い合わせができるmakuake を使う。そこにManukeが生まれるのだろう。

Makuakeでは共同購入モデルであり、そこには集団心理が働くこともあり安心感がある。そこに目を付けた人がManukeをめがけてMakuakeを利用するのだろう。

そろそろMakuakeという名前を変えてGrouponという名前にして、スタートアップおせちを作ってみてはいかがだろう。説にそう思う。


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