12月12日総選挙に向けて動き出す、英国EU離脱

英国は12月12日投開票の総選挙に向けて動き出している。

ジョンソン首相勢8ポイントリード

英調査会社ICMがロイターの委託で実施した最新の世論調査によると、12月12日投開票の総選挙に向け、ジョンソン首相率いる与党保守党の支持率が1%ポイント上昇し39%となった。

一方、野党労働党は31%と変わらず。その他、欧州連合(EU)残留派の自由民主党は15%と横ばい。ブレグジット党は1%ポイント低下し8%だった。
調査は11月8─11日の期間、2035人を対象にオンラインで実施した。

英ブレグジット党、対抗馬擁立見送り

欧州連合(EU)離脱を訴える英ブレグジット党のファラージ党首は11日、来月12日投開票の総選挙(下院定数650)で、ジョンソン首相率いる与党保守党が2年前の選挙で勝利した317の選挙区に候補を擁立しないと表明した。

ブレグジット党と保守党は支持層が重なるが、ファラージ氏はこれまで保守党への対決姿勢をあらわにし、対抗馬擁立も辞さないとしてきた。今回の離脱党の方針はジョンソン首相や保守党にとって追い風となりそうだ。
ファラージ氏はEU離脱の実現が危機に瀕してしているとした上で「17年当時のマニフェスト(政権公約)を完全に破った(野党)労働党の議席を奪うことに集中する」と語った。
ジョンソン氏はファラージ氏の表明を歓迎。一方、労働党のコービン党首は、ファラージ氏とトランプ米大統領は友人同士で、離脱党と保守党との共闘でトランプ氏の願いは叶ったと指摘した。

総括

英国立統計局(ONS)が発表した第3・四半期(7ー9月)の国内総生産(GDP)伸び率は、景気後退(リセッション)を示す2期連続のマイナス成長こそ逃れたものの、前年比の伸びはプラス1.0%にとどまり、2010年第1・四半期以降で最低となった。世界経済の低迷や英国の欧州連合(EU)離脱に対する懸念で設備投資や製造業が打撃を受けた、とされている。

今回の総選挙が英国にとってラストチャンス。

これまで低迷していた英政局を打破し、世界的懸念である合意なき離脱を解決してほしいところ。

出典

ロイター 11/12 英総選挙、保守党支持率が労働党を8ポイントリード=ICM

ロイター 11/12 英ブレグジット党、対抗馬擁立見送り ジョンソン首相に追い風