【ネタバレ有】 江水散花雪 問わず語り


多量のネタバレを含みますので、うっかり開いた人はそっ閉じ。

まず、この公演。
前から長船派なら小竜くん!と、騒いでいた私にはもう、メンタルがバランスブレイク!!
なんなの、お前。雷神シドなの?
公式サイトのキャストご挨拶では、ガチガチのピヨピヨだった小竜くん。
ピヨらないね、きみ。
いや、探せば所々でピヨピヨしてたけども。
2部ヤバかった。ウィンク余裕だし、お手振りできるし、スマイル0円も完璧です。

さて、内容ね。
所謂、特命調査の世界。ざっくりと。
心覚では、誰も居なくなった世界をやりましたが、江水では任務失敗から政府がその時間軸を放棄し、閉じられた世界が描かれた。

吉田松陰と井伊直弼が出合い、意気投合し、安政の大獄も桜田門外の変も起こらない。
新選組もおらず、戊辰戦争も起こらず、諸外国と対等な条約を結び、慶喜より天皇に平和に攘夷がなされた。

母の腕に抱かれ、安心して子守唄を聞いて眠る。
そんな太平の世を守れ。
初代藩主 井伊直弼の遺言通りの世界。
何があっても、戦をしてはいけない。
それが守られた世界。

しかし、これは正しくない歴史。
あるべきで無い姿。
政府は歴史修正は不可能と判断し、この時間軸を切り離し隔離する。
放棄された歴史の出来上がりである。
放棄された歴史は流れず淀み濁り。
そして腐る。
世界の全てが、人間が。
腐り、狂っていく。
それまでの安寧が絶望に変わり、太平がインフェルノへと様変わりする。

衝撃だった。
特に夜公演は、ラストを知ってるので。
井伊直政の遺言を聞いたとき、ぐっときた。
井伊直政=村正が、家康や信康を思って託した子守唄を守りたいと願った井伊直弼の。
行き着く先がアレなのか。
小竜は、劇中では松蔭について回るが、直弼のことをいつも気にかけていた。
それは芝居にはっきり出てた。
だからこそツラかった。
正しい歴史を知っていても、目の前にある松蔭と直弼が手を取り合う歴史を、何をもって見ていたのか。
死した松蔭と直弼に、一礼をする姿が。
最後に崩折れる姿が。
その全てだった。
沢山いた、主の一人。
主の数だけ物語があり、主の数だけ別れがある。
主が多ければそれだけ、辛い思いをする事も多いのかもしれない。
なんて刀だ、小竜景光。

そして、正しい歴史の中で、また花が手向けられました。
調べたところ、有識者により橘とのことです。

客席についた時から、これはヤバいなと思ってはいた。
開演前に流れてるインスト曲がに、美しい曲があったからだ。
パライソの時が静かの海インストだったので、あぁ、今回もこの美しさだとインフェルノだろうなとは思ってはいた。
ただ何というか。見終わっての感想は。
美しかった。
人として、刀剣男士として、生きて戦う姿が。
なんて美しいんだと思った。
悲しくて、美しい。
悲しくても、美しい。

今回の月は満月だった。
三日月は登らなかったな。

さて、この作品では刀ミュ本丸における、始まりの刀、つまり初期刀とは誰なのか?が問われた。
山姥切では無いのは確定。
まだ出て来てないのは歌仙。
ミュ本丸的には、歌仙が初期刀なのはありえる気がする。
しかし、和泉守は之定の話をしたことがあっだろうか?

なお、この本丸では折れた刀があることも明らかになった。

加州も蜂須賀も古参。
三日月と鶴丸もどうやらそうらしい。
さて。
初期刀は誰なのか?
折れた刀とは誰なのか?
二振り目は顕現されているのか?等など。
謎が謎を呼ぶストーリーが、浮かび上がってきた。
心覚では、三日月は月となっていた。
三日月が折れてた可能性もあるのか?
しかし、パライソでは鶴丸が帰って直接返さないと、と言ってもいる。
加州も怪しいところで、和泉守が『帰ってきたのが自分が一番早かったからだが、国広・安定・長曽祢でも駆けつけた』と言っていた。
加州と蜂須賀は修行に出てないからとはいえ、新選組の加州が入っていないのはやや不自然。
そして、2部のラストに漢道。
あつかしか、幕天どちらかに出た刀が折れた。
もしくは、どちらにも出ている唯一の刀が。
作品それぞれが、個々で上手く纏っているので、時系列が分かりにくいのも、こうなってくると作者の思惑としか思えない。
この本丸、花丸同様に顕現順が明確に決まってる可能性すらありそう。

なにより、まだまだ楽しめそうだ。
なにせ、この本丸。
間違いなく長義がいるし、たぶん鶯丸もいる。
と言うか、山姥切が長義のハードルをぶち上げた気がしてならない。

ちなみに、私には珍しく、南泉に関してはやや解釈違いかもしれない。
まぁ、あーゆー南泉が居てもいいし、物語としては大変レベルが高い作品だったので問題ない。
私のよりやや子供っぽく、徳川に疎い。
って感じ。
うちの南泉は[福岡一文字の漢]としてのプライドがめちゃくちゃ高いので。
でも、刀ミュの個もやる時はやる漢だったわ。
刀ミュの南泉は、かなり素直。
パンフを見る限り、徳川の事に言及されていなかったので、この本丸の南泉は一文字の末っ子感が強いのかもしれない。
大包平は、生真面目な部分がよく出ていて大変良かった。
声がでかいバカ真面目と、ややネタにされがちだが、プライドと実直さと冷静さを持つすごい奴だった。
なる程どうして、あの状況でも審神者から隊長を任されるわけだ。
大包平でなければ、山姥切は救えなかったかもしれない。
肥前に関しては、ストーリーラインは大変分かりやすく、幕末の刀として むすはじ のラインがきれいに出ていた。
和泉守は、保護者。
え?かねさんが?もともと面倒見は良さそうではあったな、うん。
山姥切は、もう、凄いね。
どんな捻くれ方だよ!!って思ったけど。凄い捻くれてる。
1080度くらい捻くれてる。
見ていて面白いけど、長義はこれに振り回されてるのか、それ以上に捻くれてるのか。
大変気になるので早く出陣しろ。

最後に、推しの小竜景光。
微笑むことが多く、可愛さ綺麗さがわかりやすく出てくるが、ちゃんと格好良さもある。
そして、2部になるとエロさも出してくる。
何なんだこいつは。
感情を割と顔に出すタイプなので、それに釣られて見てると後半から2周目で死ぬ。
今回間違いなく、一番つらい刀。
松蔭も直弼も、死ぬ運命しかない。
しかも放棄された歴史では、松蔭を切る。
史実では松蔭は直弼による弾圧で処断される。
もう、悲しすぎるだろ。
そして、最後に正しい歴史で直弼が死ぬ。
一部通しで見て、とにかく直弼のことは好きなんだなと思う。
最初の方で、自分が囮になると言う松蔭に直弼が『若者が命を粗末にするな』的な事を言うと、すごく嬉しそうにしてて、『囮はおっさんの役割』と言うと、表情を曇らせる。
ここで直弼が死ぬのは史実では無いし、なんとかしないと元の主が危ない目にあっちゃう!!何とかしないと!って感じだった。 
直弼の言葉にニコニコするのがめっちゃ可愛い。
しかしながら、長船派の太刀としての華やかさと格好良さも兼ね備えている。
報連相もちゃんと出来るし、状況もキチンと見れるし伝えられる。
エライぞ!三条は見習ったほうがいいのでは?
狂った人間に襲われてる時にいち早く南泉がいない事に気付くが、人間の中に松蔭と直弼がいたらと思ったりしてそう。
でもそーゆーとこは、あんまり前に出さない。
最後に桜田門外の変のシーンに流れてるの、歌ってるの小竜だよね?
松蔭のそばで異国について学んだし、最初からキュートとか横文字知ってる長船派だもんね。
しかし、最後の曲、凄くいい。
早く音源くれよ。
そして2部。
なんなの?カメラめっちゃ捉えるの上手いんだけど??
ウィンクも投げキスもお手の物。
雄みもだせて、エロも出せる。
ヤバい刀をまた生み出したな、刀ミュ本丸。
なお下手よりは最高でした。
ばっちり目が合う位置に居ました。
死にました。

大阪公演は残念ではありますが、身体は大事にして欲しい。
芝居もライブも凄くいい小竜景光だった。
見れて本当に良かったと思ってるし、また会いたいと思う。
私の中での評価はうなぎ登りで、最推しの狐に迫る勢い。
東京で戻ってこれますように。
そして、祭で。また会おう。

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