見出し画像

【取材後記】うるるさんに「シンプル思考を軸にしたプロダクト設計」についてお伺いしました。

みなさま、こんにちは!SELECK編集部の吉井(@meru_y1996)です。

画像1

徐々に暖かくなって、春の陽気🌸が感じられるようになってきましたね。とはいえ、首都圏はコロナもまだまだ落ち着かなさそうな雰囲気もあり、春の陽気を存分に満喫できるのか…(何も気せず、花見にいきたい。。。)

そして、個人的には、早くも入社して1年が経とうとしているのだな…と、しみじみしてます。生活がガラッと変わった年でしたが、私はSELECKを通じていろんな知見を学ぶことができ、本当に恵まれていて、心から充実した1年だったなと思います。皆さんはいかがでしたか?

さて、早速ですが、今回の新着記事はうるるさんの「コロナ禍での成長を支えた『シンプル思考』」がテーマです🙌

この「シンプル」というワードを聞いて、もしかしたらお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、リーンスタートアップで語られるMVP(Minimum Viable Product)「どの顧客も欲しがる機能のみを最速・最小価格で提供する仕組み」づくりを徹底して行ったのが、今回ご紹介する、うるるさんの「fondesk(フォンデスク)」の事例です。

では早速、取材の背景からお伝えしていきます!✊

取材の背景

今回の取材は、コロナ禍における「fondesk」急成長の裏側について、広報さんからご紹介いただいたのがきっかけ。

「fondesk」は企業における一次取次に特化した電話代行サービスですが、コロナ禍でリモートワークの普及が加速したことにより需要が急増したのだとか。

実際に、この1年で契約数がなんと10倍!に成長されたとのこと。2019年にローンチされてから約2年ですが、現時点で2,000IDを突破しているそうです。

さらに、その急成長を支えた背景として、リリース当初から徹底してきた「シンプル思考」や、「指名買い」を狙うマーケティング戦略などがあったのだといいます。

そこで、SaaS市場が盛り上がりを見せている中、新たにサービスを開発しようとされている方にはもちろんのこと、昨今、さまざまなSaaSが乱立する中でマーケティングに頭を悩ませている読者のみなさまにも参考になる事例なのではないか? と思い、今回取材させていただく運びとなりました。

本事例のポイント「プロダクト・運営体制まで一貫した『シンプル思考』」

今回のポイントはやはり「シンプル思考」がサービス設計だけでなく、セールスプロセス、そしてオペレーターさんの運営体制にもすべて反映されている点だと思います。

実際に、その「シンプル思考」がどのように反映されているか? について、記事本編ではこのような内容をお伝えさせていただきました。

▼プロダクト設計・セールスプロセス
・「一次取次」にサービス内容を特化
・5分ほどのWeb申し込みで即日、利用開始が可能(請求書の発行なし、申込書の記入も不要、ハンコもなし、解約ボタンも1つ)
・料金体系も月額1万円の基本プランのみ
・カスタマイズを受けない設計
・14日間の無料トライアルを設けた「セルフサーブ型」の営業プロセス

▼運営体制
・トークスクリプトを一律にして、業務の簡素化
・オペレーターさんはフルリモート体制

そしてこちらは、本文ではご紹介できなかったのですが、「シンプル思考」はこんなところにも反映されているよう。

▼【セールスプロセス編】商談時間を15分に短縮
・セルフ商談予約サービスを活用(YouCanBook.Me
・短時間で理解してもらうための資料の量、内容へのこだわり

▼【運営体制編】業務におけるテクノロジー活用
・カスタムBot「Intercom」でよくある質問に回答=CSチームの業務効率化
・オペレーターさんの採用管理に「formrun」を導入
・受電率などのデータは、自社制作した管理ツールで受電状況を可視化

▼【オペレーターさん編】業務・育成環境
・厳しい採用基準(応募から採用まで10%未満)を設け、少人数制でクオリティをコントロール
・オペレーターさんへの自己学習ツールの提供(動画教材やセルフでロールプレイできる環境を用意)
・オペレーターさんへの連絡手段など、裏側の仕組みも自動化・効率化

商談時間を短くできるのも、サービスがシンプルでわかりやすいからこそですよね。脇村さんは、商談においてお客様の時間をとにかく無駄にしないように心がけていらっしゃるのだとか。その心遣いが、資料にも反映されているのだと思います。

▼上記でご紹介した、記事本編で紹介しきれなかった施策に関しては、こちらのnoteで詳細をまとめていらっしゃいます

こちらの記事では、業務効率化のポイントとして

・工数が増えてきた場合、「どうすれば効率化できそうか」「なにが効率化を阻害しているのか」を明らかにした上でツール導入や仕組みの構築を行う(ツールありきで効率化の取り組みをはじめない)

・社内の環境整備は、売上に直結しないため後回しにされがちなものの、早い段階で整備しておくことで、結果として事業にポジティブな影響がでやすい

ということも述べられています。

まさに「社内DX」の事例だと思いますが、テクノロジーを活用してDXを推進しようと考えていらっしゃる方々はぜひ参考にしてみてください✊

取材に含められなかった「こぼれ話」

そして、記事の文量的に、本編には含められなかったお話を少しだけご紹介します。ぜひ、記事本編と一緒にご覧いただけますと幸いです!

1)プロダクトのシンプルさが、顧客理解を促進する

記事本編では「記事広告」について触れさせていただきましたが、記事を見た方はその後Webサイトに移動しますね。

その際に、fondeskがどのようなプロダクトなのか? の便益がわかりやすいよう、サイトの文言など徹底的に見直されたそうなんです。

プロダクトをシンプルにすることで、記事を見ていただいた方の理解促進もスムーズにできたと思っていて。

記事広告の出稿と同時に訴求軸を見直しながら、キャッチコピーやウェブサイトも「サービスの便益」がわかりやすい内容にこだわって、すべて見直しました。

ウェブサイトも、リリースした日は「1文字も無駄がない」くらいの状態で出すために、異常なレベルで校閲してましたね(笑)。

リリース当時の競合さんは、どちらかというと「オペレーターさんの丁寧さ」にフォーカスしたキャッチコピーやウェブサイトが多かったので、差別化するためにも、訴求ポイントを吟味していきました。

(※音起こし原稿から、一部編集して掲載しています。)

以前ご紹介したしたiCAREさんの事例でもプロダクトの訴求メッセージを「健康増進」や「ヘルスケア」よりも、「ストレスチェックをしなければならない」「健康診断を予約しないといけない」といった実務の煩雑さをメッセージにしたことで売上に貢献したというエピソードがありました。

fondeskさんの事例においても、プロダクトの便益をストレートに伝えられるのは、やはりお客さんの本質的なニーズに向き合ってサービス設計をシンプルにしたからこそ、ですよね。

ブログやホワイトペーパー、広告のキャッチコピーやウェブサイトすべてのコンテンツにおいて、「そのプロダクトの便益が何か?」を伝える表現を追求することはやはり重要なポイントかもしれません。

2)開発体制と、ユーザーさんとのコミュニケーション

ヒアリングの際に驚いた話なのですが、実はこれまでに「438回」もプロダクトをリリースされているそうなんです。(想像ができない数字…!)

この数字を聞いた時に、「サービスをシンプルにするためにどんどん機能を削っていったのかな?」と思ったのですが、記事本編でもお伝えしたように、リリース当初からコア機能を絞ってカスタマイズも受けていなかったとのことなので、なぜこんなに回数が多いのか? お伺いしてみました。

大きいプロジェクトだと、2週間に1回ほどの間隔でリリースする開発体制の企業さんも多いと思うのですが、「エンジニア間のコミュニケーションコストが上がった結果、そうせざるを得ない」という要素を含めた選択肢だとも思っていて。

fondeskにはエンジニアが3名しかいないのですが、立ち上げ期はとにかく小さなバグもすぐに解決しないと成長ができないと思っていたので、毎日修正してリリースできる、所謂「アジャイル開発」を志向してきたんですね。

なので、リリース当初から機能のコアな部分はほぼ変わってないんですが、ユーザーさんの使用度合いをみながら不要な機能を削ぎ落としつつ、同時に、機能も少しずつ増やしているのですが、ユーザーさんから見ると、100個も200個も変わったようには絶対見えてないと思うんです。

(※音起こし原稿から、一部編集して掲載しています。)

さらに、機能をなくす場合のコミュニケーションは、事前にアナウンスを行って「なぜその機能をなくすのか」という説明や、もし使っているお客様がいらっしゃれば代案を提案するなどの丁寧なコミュニケーションを心がけていらっしゃるそうで。

「クレームが少ない」ということも本編で触れましたが、きっとこうした日々のコミュニケーションも寄与しているのではないかなと感じますね。

最後に

そして今回、取材の際にfondeskのステッカーをいただいたのですが、それがとても可愛くて…

思わず、脇村さんに「このステッカー、すごく良いですね」とお伝えしたところ、実は新しいステッカーを作る予定があるとのこと。

後日、脇村さんのTwitterを拝見していると……発見してしまいました。

可愛い。欲しい(笑)。

ということで!今回も長くなってしまいましたが、取材させていただきました脇村さん、貴重なお話をありがとうございました!^^

【取材写真】うるる社_脇村様.006

Slackで取材報告をすると、ほとんど毎回「インタビュイーの方が素敵だった」という感想になる(笑)。

スクリーンショット 2021-03-11 15.31.20

ぜひ、記事本編もご覧いただけますと嬉しいです!

では、またお会いしましょう!

▼SELECK編集部マガジンでは、引き続き様々なコンテンツを出していきますので、是非応援よろしくお願いいたします✊

▼SELECK公式SNSもよろしくお願いいたします🌻


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?