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オカマの女子会

『あらすじ』
おかまの友人達が女子会をしていると、オカマ界で有名なアキネさんが現れ…。

性別変更不可

利用契約について https://note.com/merrow15/n/n6802d670f4df

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『キャラ一覧』

《リン》
20代前半。オカマバー勤務。
明るく、ムードメーカー。
見た目可愛く、声も高め。

《ミキ》
30代前半。美容師。
男女関係なく面食い。遊び歩くタイプ。
下品なことは嫌う。

《サクラ》
20代後半。ハンドメイド販売。
見た目はゴツく、声も低め。
女子力が高く、努力家。ネガティブ。

《アキネ》
30代後半。経営者。
とても上品で色気がある。
オカマ界では有名人。

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リン:ミ〜キ〜。おまたせ。待った?

ミキ:リン〜、まったわよ〜。

リン:うふふ、ごめんなさい!

ミキ:別に遅刻したわけじゃないんだし、謝ることでもないんだけど。
 それに、サクラもまだ来てないわよ。

リン:あらぁ、あの子またお手入れに時間かかってるのかしら?

サクラ:おまたせ〜、二人とも、もう来てたんだ。

リン:あ、サクラおはよう!今日も気合入ったメイクしてる。

サクラ:可愛くなりたいんだもん。日々の研究は怠(おこた)らないわ。でも、やっぱりまだまだ腕が足りない気がする。

リン:十分凄いと思うわよ?

ミキ:リンは若さに甘えて努力をしなさすぎなのよ。今はそれでいいかもしれないけど、そのうち、やっときゃよかったぁってなるんだから。

リン:経験上?

ミキ:そ、経験上。

サクラ:ね、私、お腹すいちゃった。

リン:もー!来て早々、それ?まぁ、燃費悪そうだものね、その体。

サクラ:もぉ、やめてよぉ。気にしてるんだから。

リン:見た目はこんなでも、中身は一番乙女なのがサクラだものねぇ。

ミキ:ねね、ちょっと!

リン:なに?今、メニュー選んで…。
 はっ!あっ、ああああっ、あれは…。オカマ界で有名な、美しすぎるアキネさん!?

サクラ:うそ!私、憧れの人なの!

ミキ:私もよ!

リン:この辺のオカマは、大抵があの人のファンでしょうね。

アキネ:あら?あなた達…。

ミキ:きゃー!こっ、声かけられちゃった!どうする?どうする?

リン:はっ、はじめましてぇ、私、リンっていいます。こっちはミキとサクラ。あの、失礼ですが、アキネさん…ですよね?

アキネ:ええ、そうよ。

サクラ:きゃー!本物!

アキネ:ふふっ、そうね。本物よ。

リン:上品かつ優しさで溢れていて、大人の余裕を感じられる…!

アキネ:あら、そんなに褒められると、照れちゃうわよ?

リン:嫌味がない交わし方(かわしかた)、それでいてミステリアスな雰囲気がでていて…。同じオカマまなのに、虜(とりこ)にされそうだわっ!

アキネ:うふふ。ありがとう。

サクラ:ああああっ、あのっ。ずっと、ずっとファンでした!

ミキ:あ!ずるいわよ!私も!私もずっと、アキネさんのファンです!

アキネ:あら、ありがとう。可愛い子たちね。

サクラ:かわっ…!そんなことないです!でもでもっ、アキネさんにそう言われると照れちゃいますよっ。

アキネ:うふふ。照れてる顔も、可愛いわよ?

サクラ:はわわわわわっ!

ミキ:ああああっ、あの!どうしたら、アキネさんのように美しく品と色気のあるオカマになれますか?

アキネ:特に気にしていることはないのだけど…。

リン:あんたの場合、美形食いがみっともないし品がないわよ。

ミキ:ちょっと!人聞きの悪いこと言わないでちょうだい!

アキネ:美形食い?どういうこと?

リン:この子ったらね、美形を見るとそれが男でも女でもオカマでも関係なく、食べちゃいたくなる暴食家なのよ。

ミキ:なによ暴食家って、失礼ね。恋多き乙女と言いなさいよ。

リン:暴食のほうがお似合いよ。

アキネ:美形食いの暴食家ねぇ…。

ミキ:やっ、やっぱり、アキネさんも、反対されますか…?

アキネ:そんなことないわよ。

リン:えぇっ、なんで!?

アキネ:もちろん、無理矢理はよくないことよ。でも、相手の合意の上でなら私達他人がどうこういうことでもないし、なにより、若い子や綺麗な子と付き合うのは、自分の美しさを保つ秘訣にもなるわよ。

リン:なるほど。体型や見た目は、一緒にいる人と似てくるって言いますもんね。

アキネ:そう。だからといって、美形や若いことだけ一緒にいるのも駄目よ。
 一つの世界しか知らないって、歳を重ねるごとの知る機会を失って、つまらない人間になっちゃうもの。

ミキ:なるほど、勉強になります!

リン:その点は、サクラが一番安心かもね。

サクラ:あ、安心?

リン:この中で一番努力家で、ここ数年で見違えるほど可愛くなったもの。

サクラ:そんなことないよ…。だって、今でもたまに笑われるもの。

リン:そんなの、笑うほうが悪いんだっていつも言ってるじゃん。

サクラ:で、でも…。

ミキ:そうそう、それに、そんじゃそこらの女には絶対に負けない程の女子力がサクラにはある。

リン:わかる!
 家事はもちろんのこと、裁縫だって得意だし、整理整頓もできて綺麗好き。いつも身だしなみもばっちりで、可愛いものに目がない!

リン:同じオカマの私から見ても、なかなかの優良物件だと思うわよ。

ミキ:なんていうか、大和撫子って感じよね。

リン:あ、それ超わかる!

サクラ:二人ともぉ、ありがとぉっ。

アキネ:ふふっ。いいお友達をもっているじゃない。

サクラ:はい。私には勿体無いくらいです。

アキネ:あら、それはこの二人に失礼なんじゃないかしら?

サクラ:えっ?

アキネ:先程から聞いていて思ったのだけれど、貴方ちょっと自分を卑下しすぎよ。
 謙虚なのはいいことだけど、自信がなさすぎるのは危ないわ。
 それにね、あなたが自分を卑下すればするほど、あなたの価値は下り、そんなあなたを友人として慕い絶賛する二人も価値観が低いと言われているようなもの。

サクラ:そっ、そんなこと思っていません!

アキネ:思っていなくても言葉に出ているのよ。

サクラ:それにっ、そのっ…二人は、優しい、から…。

アキネ:優しいから?
 …優しいから、価値の低いあなたともお情けで友人をしてくれているとでも言うつもりかしら。

サクラ:そっ、そんなつもりは…。

アキネ:そうね、あなたにはそんなつもりはないでしょうけど、あなたのその言動は、周りからそうとられていても仕方ない、二人の気持ちを疑った行為よ。

サクラ:…っ。

リン:…そっ、そんなこと、わかってる!

ミキ:サクラが私達の事を疑ってるなんて思ってないわよ?

リン:アキネさんの言う通りだわ。

ミキ:そうそう、アキネさんの…って、なんでそうなんのよ!

リン:だって、ずっと思っていたのよ。サクラが自分自身を否定するたび、私の言葉は届いてないんだなぁって。

サクラ:リン、ちゃん。

リン:私はそれが、凄く…悲しくて…。

ミキ:リン…。

リン:今すぐ自信を持てとはいわないけれど、もう少し、私やミキの言葉をちゃんと受け入れてほしい。

ミキ:…そうね、そうよね。私も、そう思うわ。

サクラ:二人共…ありがとう。ごめんね。

リン:わかってくれればいいの。

ミキ:これから、一緒に頑張っていきましょう。

サクラ:うん!

アキネ:うふふ。絆が深まったみたいで、よかったわ。

リン:はい!アキネさんのおかげです、ありがとうございます!

アキネ:あら、私は何もしていないわ。あなた達の絆が、それほど強かっただけよ。

アキネ:でも、そうね…せっかくだから、今日は私も仲間にいれてもらえると嬉しいわ。

ミキ:えっ、いっ、いいんですか?!

サクラ:むしろ大歓迎です!

リン:アキネさんとも友達になれるなんて、日々の努力のおかげね!

ミキ:あんたはそうやってすぐ調子に乗る。

リン:えへへへへ。

アキネ:ね、もっと色んなお話、聞かせてちょうだい。

リン:え。私達の、ですか?

アキネ:ええ。若い子の話を聞いて、私も若くならなくっちゃいけないのよ。

リン:アキネさんは十分にお若いと思うんですが…。

アキネ:うふふ、実はね。

リン:はい、なんでしょう?

アキネ:私、あの店員の彼が好きなの。

ミキ:えっ、ええええっ!?だっ、だって、あの子、確か、大学1年のっ…。

アキネ:そうなの。だから今は見てるだけなのよ。

リン:てかミキ。あんたなんであの子の歳知ってんの。

ミキ:え?直接聞いたに決まってるじゃない。

リン:ちょっ、あんたまた美形だからって!

ミキ:おやおや?そういうリンさんは、バーの常連のイケメンインテリ眼鏡さんのこと、好きなんじゃないのぉ?

リン:そっ、それはっ!

サクラ:え、なになに?それ知らなぁい!

アキネ:うふふ、それじゃあ、女子会、始めちゃう?

ミキ:さんせーい!

サクラ:わぁい!ケーキも食べようねぇ!

リン:ううぅ。
 こうなったら、私も根掘り葉掘り聞いてやるんだからね!覚悟しなさいよぉ!

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