To my diary. 39「an ordinary girl」
この言葉が、どうにも忘れられない。
"普通だから好き"
分からない、彼のことが全くと言っていいほど分からない。
でも、彼のことをちょっと大人だと感じた。
なんでなの? 好きな人のことを "普通" って言ったのは──。
私の友達に想いを寄せている彼に、その子のどこが好きなのかを聞てみた。
ドキドキした、とっても。
私の気持ちに気づきもしなかったのは彼が鈍感が過ぎるだけなのか? それか、元から眼中にはないってか?
そう、笑顔で言う彼を見て悪意なんてないのだと思える。
それから、二つの感情が溢れてきた。
"よくも私の友達のことを"普通"だと──"
"そうなのね、だから私じゃなかったのね "
この二つ。
同級生の中には、将来の夢は公務員という安定を望む子が多かった。
イマドキだと言われても仕方ないのだろう。
普通だったら、安定というわけか?
彼の夢は覚えていなかった。
誕生日、家族構成、好きなスポーツブランド、好きな色、癖のあった鉛筆の持ち方や引越し先までも覚えていたというのに。
彼から出た言葉だと信じたくないくらいショックを受けた。
それでも、嫌いになんてなれなくて。
自分に対して" 馬鹿だな、お前 "と言いってやりたくて仕方ない。
可哀想な私、タイムスリップでもできたらいいのにと思うけど、きっと行動に起こせない。
心の底から好きになれて良かったと──。
私にとっての普通とは、一般的で凡庸的なこと──ただ、それだけのことであるけれど──彼にとっての普通とは、それはきっと好きにならざる得ないものだったのかもしれない。
また一つ、思い出せないことを思い出した。
"普通が好き"だと言った彼の声を──。
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