数十年ぶりにマリオンクレープ

 秋葉原には、目的地として向かうというより乗り換えで使う機会が多い。
 駅構内や駅チカにいくつか店舗があるので、10~20分くらいの時間調整が容易なターミナルである。
 寄り道のトップはヨドバシカメラ。飲料水も飲めるしトイレもある。商品をただ眺めているだけでもよし。
 だが、「たまには違うことをしてみよう」と思うときもある。たとえば、たまたま小腹が空いているとか。そんなときにも重宝する店もある。銀だこ、マリオンクレープ、ビアードパパが軒を連ね、テーブルも置かれていて、その場で食べられるのである。
 先日は若い人たちの中で銀だこをいただいた。15年ぶりくらいだったが、昔と変わらず美味かった。
 昨日はクレープを試してみようと思った。まずメニューを見るが、生クリーム系ばかり。わたしは昔から、生クリームというのがあまり好きではない。もっとシンプルなのがないのかしらん……昔アーモンドチョコがすごく好きだったんだけど。
 メニューをよくよく探すと、あったあった! 後ろの方にちゃんと存在した。「アーモンドチョコを」と注文すると「生クリーム入りませんが大丈夫ですか」と問われる。予想どおりの質問。みんな生クリームの商品を頼むのだろう。「はい」と答えてしばし待つ。
 クレープは焼いているところを見るのも好き。生地を垂らして中央からトンボと呼ばれる器具を使って薄く伸ばす。アーモンドスライスをぱらぱらっとちらしてチョコスプレーをかける。その間に焼き上がった生地をぱたぱたぱたっとたたみ、くるっと紙に巻いて450円也。
 差し出されたクレープを口に入れる。端は少し焦げていてかりっとした食感がいい感じ。二口目はアーモンドスライスがきた。かりかりした歯ざわりのものが好きなわたしにとって、ピンポイントで攻めてくる食材! そしてチョコの味。やはりアーモンドとの相性がいちばんよい食材はチョコではないか。世の中にアーモンドチョコという商品があれだけ多いのが、それを物語っているではないか。
 カリッと焼けたクレープの生地にアーモンドとチョコ。これだけのシンプルな味がやっぱりいいなぁ。生クリームなしのクレープなら、大好きなんだなと実感。この食感が恋しくなったらまた来よう。

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