暑さへの耐性がない
10月末に生まれた。半世紀前の10月はさほど気温も高くない、春夏秋冬の「秋」といえる季節だった。それからどんどん寒くなっていく時期というわけで、生まれて数か月で「世界は寒いところ」と学習した。
6年半経って、地元の小学校に入学した。昔よくあった「半袖登校」の学校で、「子どもを丈夫にするため」という触れ込みで、冬でも半袖と、膝を出した半ズボンかスカートで登校することが決められていた。
それをとくにつらいとも思わず6年間過ごしたのだから、やはり寒さには耐性があったのだろう。
中学生から大人になるにつれて長袖を来たり、足首まであるボトムスを穿くようにはなった。
それでも、20代のときから、電車に乗ったりビルに入るときにはコートを脱ぐようになった。自分が寒さに強い分、暑さには敏感であることはわかっていたが、周りの人は誰もやっていないのが不思議だった。
加齢と地球温暖化に伴って、年々、夏がどんどんつらくなっていった。ここ数年は、手持ち扇風機で風を送ったり濡れタオルを持ち歩いたりしていたが、それでもやっぱり夏は耐えられないほど暑い。
昨年の夏までは出版社に常駐していたが、エアコンの設定温度28℃というのは自分には高すぎ、頭が働かず仕事にならない。仕方なく机上に扇風機を置いていた。社員ではなく単なる外注者なので、パワハラに遭いかねない目立つ言動は避けたかった。けれど、あまりにも暑くてまったく物が考えられないので、どうしようもなかった。
それほど「寒さに強く暑さに弱い」のである。完全フリーランスとなった今年はどうしたかというと、6月から9月は自宅でエアコンを1日中フル稼働して仕事していた。
では外出はどうかというと、5月から10月、つまり半年間、半袖Tシャツとぺなぺなの綿の長ズボンの生活だった。もはやブラウスすら暑く感じて着られない。気の張る相手との会議や会食でもない限り、どこへ行くにもTシャツで通した。自分のスタイル云々というのではなく、こうしないと生活できないのである。
今年はとくに気温が高かった。11月に新潟へ行った日もフェーン現象で気温が上がり、上着もはおらず半袖Tシャツで街を歩いた。
そんなことをしている間に12月になりそうだ。だんだん気温が下がってきたが、室内ではまだ「ユニフォーム」の半袖Tシャツで過ごしている。
世の中に、「暑がりで寒さに強い」人は多数存在するはずだ。SNSでも時々見かける。だが、まだ自分よりもその程度が極端だという人には会ったことがない。もしもどなたかいらしたら、ぜひコメントで教えてほしい。これまでの苦労と、半年後に来る夏をどうやり過ごすかという方法などを分かち合いたいものである。
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