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突然始めたひとり暮らしレポート

9月から突然、わたしは念願のひとり暮らしを始めた。
ようやく、だ。二十代最後にやり残していたことを、またひとつ、片づけた。
しかし、以前noteにも書いたことがあるのだけれど、たぶん、ひとりになったら、わたし、死んじゃうかもって思っていた。自殺願望があるわけではない。料理ができないわけでもない。ただただ、さみしくて死んじゃうのだ。うさぎみたいに。そんな気がしてならなかった。
ところがどっこい。はじめてみたら思った以上に快適で、ちっともさみしくなんてない。家族とは電話やLINEで話せばいいし、なんだかんだ仕事に行ったり買い物に行ったりしていたらさみしがっているひまなんてない。コロナ自粛も終わり始めて、家にずっとこもっているわけじゃあないし、まだまだ生活空間の改善、構築に躍起になっているので、さみしさを感じる余裕をもっていないのかもしれない。部屋の決め手になった広いベランダに出て、大好きな赤玉スイートワインを飲みながら煙草を吸い、外のネオンを眺めてみたけど、やっぱりまだ、さみしさは這い寄ってこなかった。実家で、丁寧に珈琲を淹れているときに感じてたあの孤独は、どこにいってしまったんだろう。これからもっと色濃くなって、付きまとって、寄り添って生きていく覚悟だったのに。これから寒くなって、苦手な冬がやってきたら、また孤独も戻ってくるのかしら。少しだけのどの痛みを感じて、体調をくずしたくないなあ、と生姜紅茶を飲みながら、明日にはまた出会えるかもしれない孤独の影を夢見る。おやすみなさい。