見出し画像

ひとり暮らしレポート 気づけば

空室になっていた同じフロアの部屋に、今日お引越しがあった。朝から外廊下を台車が走る音がして、なんだろうと思っていたら、先日空室になった部屋に新しい人が入るらしい。その様子を買い物に行きがてら横目に見ていた時、そういえばわたしがここに引っ越してきたのも9月第1週の土日だったな、と思い出した。ひとり暮らしをはじめて、もう3年も経ったらしい。
いまでは当たり前になってしまったひとりでの生活も、はじめた当初は慣れないことばかりで、自分のお世話に明け暮れた。食事を作ることも掃除や洗濯をすることも、食料や消耗品を買うことも、すべてが大変で親への感謝の気持ちがふつふつと湧いてきた。仕事も変わったばかりだったからミスも戸惑いも多く、よくあんなバタバタした生活をおくっていたな…と感心してしまう。3年経った今でも未熟者に変わりはないが、あの頃に比べたら上手にできることも、手抜きすることもできていると思う。あの頃はコロナ禍であったから、どこにも旅行に行けないし、イベントやコンサートなどもなかったから、自分の生活に集中できて、逆に良かったのかもしれない。
仕事は相変わらず忙しいままで、余裕は生まれない。それどころか上司にも後輩にも振り回されて疲れ果てている。先月タイへのリベンジ旅行に行って癒されたが、現実に戻るとすぐに汚染される。またあのあたたかい国に行きたい。場所を選ばずに仕事ができるようになりたいと思って、もう何年になるか。近頃はとんとやる気が起きずに、勉強も滞っている。タイでも、あまりにも話すことができなくて、それでも観光客に慣れている現地の人たちは丁寧に優しく接してくれて、自分が情けなかった。頑張りたいけど頑張れない時が、わたしには頻繁になる。必要性に迫られる環境を用意しなければすぐにやる気を失ってしまう。本当に意志が弱い人間だ。立ち上がって向き合う勇気を、絞り出さねば。