ひとり暮らしレポート そののち
ひとり暮らしを始めて、1か月たち、気づけばもうすぐ2か月になる。その後、いまだ孤独は這い寄るところを知らず。いまのところさみしさをあまり感じずに生活している。ただすこし、昨日夕餉を食したのち、突如吐き気に襲われ、直前まで食していたカレーをすべて戻してしまった。便器に顔を突っ込みながら、どうしたことかと少し不安がよぎった。誰にもいたわってもらえないし、もしこのまましんでしまっても、わたしはちゃんと誰かに発見されるのだろうか、という一抹の不安がちらちらと目の端あたりをうろついた。体調を崩した時、どうにもならない精神状態に陥った時、それがひとりの時に起こったら、と、孤独死、という切ないワードを思い浮かべてしまった。ああ、これは、いままであんまり感じてこなかったタイプのほうの孤独だ。それと重なるように、すこし嫌なこともあった。友人関係というのはほんとうに煩わしい。わたしは昔から逃げ癖がひどいので、今回もちょこまかちょこまかと逃げるに徹していたが、おめでたい話なのでそうもいかん。しかし、自分に非がないのに、向こうの、笑顔で刃物を突き付けながら話してくる物言いには、相変わらず逆毛が立つような気分で心底不愉快だ。もうお互いいい大人なんだからさ、と思うが、あいかわらず逃げるわたしに言えたこっちゃない。そんなこんなで、精神のバランスがすこしずつ崩れていく。
このレポートは、わたしの精神状態の記録である。ひとりでも生きていけるか、いけているか、大丈夫という言葉を使うときの度合いとか、正気を保っているか、また逃げているのか、ちゃんと確認するための記録である。