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モバエムがサ終したから家を買った話

 家と言っても、一軒家じゃなくてマンションの一室なんだけど。
 自分の人生を救ったゲームから強制的に切り離されたアラサーオタクが、現実逃避に家を買った話。



 2023年1月5日、私は失意のどん底にいた。
2014年7月からずっと続けてきたソーシャルゲーム、アイドルマスターSideMーー通称モバエムがサービスを終了したからだった。

 ゲームを始めた当初の私は「形のない残らないものにお金を使うなんて」と、ゲームへの課金に否定的だった。しかし、それから3〜4ヶ月後には「これだけ楽しく遊んでいるんだから月額制だと思って……」と1イベント100円ほどの課金をし始め、その1ヶ月後のイベントでは担当アイドルのあまりの可愛さに狼狽え職場から帰る道すがら同居人に電話を掛けて泣き出し、1500円ほどのガシャを回した。
そうして気がついた頃には、収入のうち家賃と生活費を除いたほとんどをSideMに費やすいちプロデューサーとなっていたのだった。


 そんな私がモバエムのサ終を期にマンション購入に至り、引っ越しまでの経緯を綴ったのがこの記事だ。
単なるマンション購入記ではなく、所謂お気持ち表明的な部分もあるので、それを承知の上で興味と時間のある人だけお付き合いいただければと思う。




きっかけ

「モバエムが終わっちゃったから、やっとちゃんと部屋の片付けができるね」
 落ち込んでたってしょうがないから、やるべきことをしよう。もうミニバー集めをすることもゼリー走りをすることも誕生日特攻をかき集めて慌てて育成することもないんだから。

 そう同居人と話していたのが1月上旬だった。恥ずかしいことに私達2人はどちらも片付けがろくにできず、一昨年9月にうさぎを家族に迎えるにあたってなんとかそのためのスペースを捻り出したくらいだ。
 そろそろ片付けをしようかと整理を始めた頃にいつも担当たちのイベントが来てしまって、部屋の片付けを放り投げてはイベントを走っていた。しかしそんな日々はもう来ない。
 私は自前のモバエムログを整理しながら、CDの山を崩すところから少しずつ片付けを始めたが、私よりも現状のひどい同居人のスペースは一向に変化を見せなかった。

 うさぎと遊んだりモバエムを想って泣いたりしながら迎えた2月(うさぎがいなかったらここまで生きてたかもわからん)。やっぱり同居人の荷物に変化はない。言うほど私の荷物も変わっていないけれど。あまりにも片付けの姿勢を見せない同居人に、いっそ引っ越しをすれば片付けるしかないだろうと私は考え始めた。
 思えばこれもモバエムと片付けからの現実逃避だったのかもしれない。私は試しに希望の条件を入れて近所の賃貸物件を探してみた。すると、ほとんどヒットしない。私達はあまりにも自分達に都合のいい条件の家に住んでいたのだった。
 ならばいっそ、分譲ではどうか。家に住むのは2人と1匹、それと担当の等身大パネル。住宅地のファミリー向けなら賃貸より探しやすいのではないだろうか。そんな考えで興味本位に分譲マンションを検索した私は、あまりのヒット数にひっくり返った。そして、「返済月○万から!」と手の届きそうな金額の売り文句が書かれた分譲マンションのチラシを思い出す。

 もしかしてこれ、ワンチャンあるんじゃない?
 
 興味と現実逃避と希望をごちゃまぜにした私は、その日からマンション購入の情報を集め始めた。


棚からぼたもち

 家を買うなら親にも一応報告しておくか。もしかしたらちょっと資金援助してくれるかもしれんし。
 そんな若干の下心を抱えながら、うさぎの爪切りの送迎を頼んだついでに両親に報告してみた。一人で(とは言っても返済の頭数に同居人も入れてるけど)家を買うならそれは結婚しないのとほぼ同義でもあると思うし、家を買った経験のある親の話は聞いておきたかった。
 車の中でしれっと報告したところ、「いいんじゃない? でもあんた貯金ないでしょ、貯金頑張りなさいね」と親の反応は予想通りだった。なにしろ数年前うちの向かいにマンションが建ったときに「買えば?」と冗談めかして言ってきたのは親のほうだったから、こうなることは予想できていた。
その日はそれで終了。

 ぼたもちが降ってきたのは、それから数日後のことだった。
LINEで父から「結婚式しないなら、めりの(私)名義の預金があるよ」と連絡がきたのだ。いきなりでっかいぼたもちが降ってきた。詳細を聞いたら私がまだ実家に住んでいた頃生活費として渡していたお金を貯めていてくれたらしく、私が使っていいのだという。しかも、定期預金にしてくれていたのでおもいっきり増えていた。
 でも親にあまり頼るのは……とこのときはまだ思っていたので、自分でもきちんと貯金をしてから、このお金を合わせて購入資金にしよう。と思っていた。(しかし自分に甘い私がそうできるはずもなく……!!)

 ちなみにこの預金、あとで確認したら手付金にしても余るくらいの額があった。母上様様……!
 ※手付金:物件価格の5%くらい。買いたい家が決まったらわりとすぐ現金で必要になる。絶対に現金で必要。持ち歩くのめっちゃ怖かった。
 ※金額は贈与税が非課税になる範囲に収まっています。


セミナーに参加してみる

 分譲マンションやら一軒家やらを調べているとそこかしこに見かける「頭金ゼロでも買える!」を鵜呑みにしていた私は、インスタの広告で見かけた無料セミナーに申し込んでみた。zoomで参加できてその後の勧誘やら営業はなくて、さらに後日ファイナンシャルプランナーに相談して予算を組めるというのだ。

※のちに頭金ゼロ=貯金ゼロではないことを知るし、結局頭金(物件価格のうち、ローンにしない部分の金額)は親に借りた
※私が参加したやつは大丈夫だったけど、個人情報収集目的の変な業者とかじゃないかとかはよく調べて参加してね

 物件の選び方とか予算の組み方とかリノベーションとかをセミナーでなんとなく学び、ファイナンシャルプランナーさんに相談して出てきた予算もまあだいたい予想通りだった。
 ファイナンシャルプランナーに相談しなくても予算は組めるのだけれど、私はお金におおざっぱな自覚がおおいにあるのでプロに見てもらうほうが安心できたのでそうした。そこまでせんでも……って人は不動産業者やら銀行やらのホームページにある自動計算ツールでもいいと思う。実際そこから大きく外れてはいなかったし。

 私はその後、他の業者のセミナーにも参加した。ひとつの業者の言うことを鵜呑みにするのは抵抗があるし、いくつか聞いておけば情報の信憑性みたいなのも上がるだろうという考えだった。ふたつめの業者のセミナーでも、ファイナンシャルプランナーではないけれど資金計画を算出できる面談を受けられるという。こちらはzoomではなく、ビルの一室で行われる対面型のセミナーだった。慣れた地域での開催は一ヶ月ほど先にしかなくて、申込締切が迫った一番近い開催日は普段は行かない土地。でも、思い立ったが吉日という言葉もあるし、できるだけ早いほうがいいだろう。

 どうやら女性をメインターゲットにしている業者らしく、扱っている物件は新築が多かったけれど中古でも全然問題なく相談に乗ってもらえるそうだ。
 これは私の偏見なのだけれど、女性をターゲットにした業者はなんだかちょっと怪しい気がしてしまって、当日も警戒しながら行って警戒しながら話を聞いてきた。ネットで検索をかけると微妙な話も出てきたし。
 そんなやる気があるんだかないんだかな感じでセミナーの申込締切間際に滑り込んだ私は、都内に出るならついでにと普段行かない献血センターで献血の予約もした。だいぶギリギリの時間に予約を入れてしまったせいで、セミナー終了後に行えたはずの面談を後日別所で改めてしてもらうことにして、私は会場を飛び出して献血に向かう羽目になった。

 面談を後日にしたのが良かったのかはわからないが、私は結果ここで仲介をしてもらうことになる。


面談に行く

 仕事終わりに面談の予定を入れたため、会社を出てからせっせと歩いて面談場所へ向かう。着いた面談場所には、施工に関わった新築マンションの情報がたくさん貼ってあった。私は間取りを見ているだけでも好きなので、とても購入検討にはならないそれらを眺めて案内されるまで待つ。
 少しして面談相手の準備が整ったのか呼ばれると、面談相手かつ私の担当になるだろう人はセミナーで講師をしていたその人だった

 向かい合って座り、セミナーに参加した経緯やマンション購入検討の動機やらを話す。動機は「入れ込んでたゲームがなくなって……」なんて言ってもしょうがないので、うさぎに広いスペースをあげたいことや片付けを兼ねたいこと、分譲マンションに引っ越すことで設備を良くしたいことなんかをメインに話したような気がする。

 私達が元々住んでいたマンションは築30年を超えていて賃貸専用(たぶん)だったので、水回りやキッチンはファミリータイプとしては最低限だったように思う。これは物件探しをしているうちに気付いたことだ。
 同じ築30年オーバーの物件でも分譲物件なら最近の流行りでリノベ物件としてきれいに改装されて売られていたりなんかしていて、 そこで10年20年と住むのを前提に室内が整えられている。
 どれだけ掃除をして換気扇を回してもカビが顔を出すようなお風呂よりも浴室乾燥機がついていて湯船では脚の伸ばせるお風呂がよかったし、水切りかごを置いたらまな板を出すだけで精一杯のキッチンよりも手際の悪い私がどれだけ散らかしてもなんとかご飯が作れる広々したキッチンがよかった。ついでに宅配BOXもほしかった。あと畳よりもフローリングが好きだった。
 きれいな分譲マンションの売り広告を見ているうちに出た欲だと言われれば否定できないが、引っ越してきてからお風呂に入るのも楽しくなったし自炊も前よりはするようになったので、私にとっては正解の選択だったと確信している。

 そんな話ののちに資産計画を算出してもらって予算を出すと、以前ファイナンシャルプランナーに出してもらったのとほとんど同じだった。たぶん計算の方法は決まっていて、何に重きを置くかで若干変わってくる程度なのだろう。
 そうやって物件を探す条件を決めると、いくつかの物件を探してくれることに。条件がしっかり決まっているのを褒められたのはちょっと嬉しかった。ふわっとしたまま色々な物件を見て、あれもいいなこれもいいなとなって結局条件を絞れずにめちゃめちゃ難航する人もいるらしい。
 購入は数年先にしたいことは話していたけれど、不動産業者さんなので他に行かれる前に物件を紹介して繋いでおきたいのはそれはそう。あまり押しが強くはなかったのでそれは助かった。

 実は私、この時点で「今すぐ買えるならこの家がいいな〜」という物件がひとつだけあった。

 私の希望条件は以下!

  • 駅近

  • ペット可

  • 近くにうさぎを診られる動物病院がある

  • 間取りは2LDK以上

  • 築20年未満

  • 4階以上

 駅近と動物病院と築年数がまぁまぁネックで、これの何れかを外せばないことはないけど正直ほぼなくて、1件だけ奇跡的に条件フルコンボの物件があったのだ。
 駅近と築年数はこれから長く住むことを考えたら譲れないし(そもそも私が実家を出た理由は実家が駅から遠いからなので)、動物病院がないのは本末転倒になってしまう。上記の条件はひとつも譲れない最低限で、でも予算を考えるとすべてを満たすのはなかなか贅沢な条件だった。

私「実は気になってる物件があるんです……」
担当さん「えっ、そうなんですか? URLとかわかります?」
私「条件全部当てはまっててギリギリ予算内なんです」
担当さん「そんなところあるんですか!? すぐ内見予約入れましょう!」

 引っ越しシーズンのたびに話題に上がるのでご存知の方も多いかもしれないが、ネットに出てる物件はどこの不動産業者でも仲介ができる。不動産業者専用のデータベースみたいなものがあるらしくて、そこに登録されていれば大丈夫らしい。
 私が見つけた物件ももちろんそれに当てはまるので、すぐに調べて見てもらった。プロの目から見ても問題なさそうな物件らしい。
 見るだけはタダだし、行かずに諦めればきっとモヤモヤするだろう。もし絶対にここがいい! になってしまったら、親からもらった棚ぼたでなんとかなる。
 そうして、約2週間後に内見の予約を入れてもらったのだった。

 ちなみにこの内見の日は、超学の朗読劇の日だった。自分が万が一にでも気が向いて現地に行ったり配信を買ったりしないように、内見で頭がいっぱいになるようにわざと予定を被せた。それくらい、この頃の私は全力でSideMを避けていた。


いざ内見!

 内見に行くことが決まった。でもその前に、やることがあった。

 ネットで調べた情報によると、内見をしてからすぐに購入申込みができるらしい。もし購入申込みが複数あったら、売り主にとって条件のいい人を選んで売ることができる。買い主が値切ることもできるし、この人はちゃんとお金が払えるか信用できないなんて売り主が思えば断られることだってある。
 どうやって信用してもらうかというと、住宅ローンの仮審査(事前審査とも言う)を通すのだ。

 私は独身で年収は多いとは言えない。家族で家を買う人よりは優先度を下げられてしまう可能性が高かった。
 そうなると、住宅ローンの仮審査を通しておくことで「私この家のお金ちゃんと払えます!」ということをアピールする必要がある。家族で家を買う人でもやることだけど、私の立場では必須だった。

 ローンをどこで組むか決めるにあたって、調べてるとめちゃめちゃよく見かけるこのサイトを使った。

 金利の低いところから手当たり次第に審査申し込みをしたいところだったけど、あまりたくさん申し込むのも審査に響くらしい。色々調べて結局5,6箇所くらい最終的には申し込んでたような気がする。
 金利の低そうなメガバンクいくつかと、ネットバンクと、フラット35も薦められたのでフラット35も。結局希望金額で通ったのはメインバンクにしているメガバンクと、担当さんから薦められたネットバンクだったと思う。過去のメールを見ながらこれを書いてるけど、ダメだった銀行のメールは消してしまってたのであんまり覚えていない。

 そんなこんなでなんとか仮審査が通って安心したところで内見に向かう。

 売主さんはまだ住んでいて、家具も全部ある状態での内見だった。
 室内の状態はかなり綺麗で、リフォームは必要ない感じ。リビングのアクセントクロスがちょっと主張が激しくて気に入らなかったけど、そんなのは上から別の壁紙を貼ってしまえばいい。ベランダ側に大きな建物が立つ雰囲気はなくて、西日はちょっとキツそうだけど眺めも良かった。
 引っ越し予定は7月とのことで、内見時点は3月。3ヶ月以上もあれば大量の荷物を片付けながら荷造りをするのにちょうどいいと思った

 ……という感想でお察しのとおり、このとき私はすっかりここを買う気になっていた。私の直後にも大手不動産経由の内見が入っていると言われて少し焦ったことは否定できないけれど。
 買う気になったのは焦りからだったとしても、ここを気に入ったのは本当だし、ここを逃せば同じ条件の物件はほとんどないことは明らかだった。マンションの購入を思いついたことも親からお金をもらえたこともセミナーに滑り込んだことも相性のいい担当さんが当たったことも運良く条件ぴったりの物件が見つかったことも、全部が全部私への追い風に思えた。私の人生を振り返ってみると、なんだか調子良く物事が進んでるなと感じたときには大抵良い結果がついてきて、このときもそれと全く同じ感覚だった。そうなればもう、このまま買っていいのかという迷いよりも、このままいっちゃえって気持ちになるのは当然だった。

「私、ここがいいです」

 担当さんにそう言って、売主さん側の不動産屋さんへ連絡してもらって、そのあとは担当さんと一緒に近場のカフェに入って購入申込書を書いて、これからの作戦会議だ。


担当さんと作戦会議

 作戦会議とは言ってもその内容は、書類を書いたり、今後の流れや必要なものの確認をしたりとかする。

 まずは購入申込書。
 用紙は担当さんが用意してきてくれたので、私はただ記入するだけ。
ここで家の購入希望金額を記入しておいて交渉することができる。端数(数十万)を切るとかするのが普通ってネットでは見た。でも私の場合は売主さん側の不動産屋さんから「希望金額を下げるなら二番手にする(優先度を下げる)」と釘を刺されていたので、売主さんが出していた売却金額を仕方なくそのまま書く。
(家の購入だと何千万って数字を見まくっているので感覚がバグるけど、端数の数十万だって家電をまるっと一新できるくらいの金額なんだから端数を切れるもんなら切りたかった!)
 他には手付金はいくら払いますとかローンはいくら借りる予定ですとかそんな内容。どこどこの銀行で仮審査通ってますとかも書いたっけ……? ほんとは金額交渉ができるんだよな〜ってことしか正直覚えてない。今思えば、向こうの不動産屋さんから言われた「他にも購入希望が入りそう」ってことすらハッタリだったかもしれない(不動産あるある)(他の人は「二番手になるなら申込みやめる」って言って申し込みしなかったってあとから聞いた)。

 購入申込書が書けたら、ローンについての相談。
 ローンの本審査を申し込むにあたって、いろんな手数料とか引渡時に精算する税金とかそういうのをぜーんぶひっくるめて担当さんが計算してくれた。少し余裕を持った金額でローンを申し込んでおいて、残ったら引っ越し資金とかに充てるのだ。このとき出した金額は物件の金額より少し多いくらいだったと思う。
 それから、仮審査が2箇所しか通ってないのは少し心許ないとのことで、担当さんのツテがあるフラット35にもう一度審査を申し込むことに。担当さんの見立てでは私の年収やら何やらならフラット35の審査を通るはずなので、なんらかの理由で落ちる場合でもツテがあったらなんとか通してもらえることもあるらしい。う〜ん横の繋がり(?)はつよい。フラット35の金利は高いので、私はあんまりフラット35にはしたくなくてマジマジの大マジの最終手段としか思ってなかった。
 書類を書いたあとは購入申込が通った場合の流れとか必要な書類とかを教えてもらって、作戦会議はそれで終了。

 その日の夜、担当さんから電話があった。
 売主さん側の不動産屋さんが、地銀でも仮審査を通してくれと言ってきたらしい。たぶんそこも担当さんのツテがあるフラット35と同じで、不動産屋さんとお付き合いがあるから多少難アリでもローンを通してくれるってことなのだろう。滑り止めが増えるのは悪いことじゃないので、アポも取ってくれたらしいし面倒だけど地銀でも仮審査をすることになった。
 指定された地銀はめちゃ近所だったので昼休みを使って2回くらい行って、金利はあんまり安くないけど結果的には仮審査が通った
 転職歴とか今の会社の勤続証明書とか出さなきゃいけなかったり、分割払いにしてたカードの支払いを全部繰り上げて払わなきゃいけなかったりで地銀メンドクセ〜!ってなったけど、たぶん本審査も通すことを前提とした仮審査だったんだと思う。本審査落ちたら不動産屋さんがわざわざ紹介してくる意味ないもんね。

 地銀の仮審査が通って、そこでやっと契約の日取りを決めましょうってなった。
 日程調整のメールが来るまでは購入申込がちゃんと受理されてるのかもわからなくて、ずっと不安だったのを覚えてる。キープはされてるんだろうけど、もっと高く買いますって人が横から出てきたらどうしようとか、やっぱコイツやめとこっかーって話されてるんじゃないかとか。
 担当さんから日程調整のメールをもらったときはめちゃくちゃ安心した。


契約をする

 作戦会議で教えてもらったとおりに必要なものを準備して、やっと契約に漕ぎ着けた。人生で一番デカい契約だ。

 準備したものは、実印・身分証・手付金(現金)・印紙代1万円。
 実印は二十歳になったときに親戚のおじさんがプレゼントしてくれたちゃんとしたやつがあったので、印鑑登録はまだしていなかったけどそれを使った。
 手付金は最初のほうでも少し話した物件価格の5%のやつ。たとえば物件価格が2000万だったら現金で100万用意する必要がある。なんで現金なのかわかんないけど持ち歩くのこわいから現金やめたらいいのにね……。これは親からのぼたもちの中から用意したので、契約日の数日前に母にも付き添ってもらって全部下ろして(というか定期預金だったから解約して)きた。体から離れるカバンはこわかったから契約の当日はリュックで行った。
 印紙代は、契約書に貼る印紙の分。収入印紙自体は担当さんが用意してくれたので私は担当さんにお金だけ渡した。売主さんは自分で持ってきてたので業者さんとか人によるんだと思う。

 本来は契約の日に重要事項説明っていうのをするんだけど、この日は売主さんがあんまり時間が取れないらしくて私は前日に重要事項説明をしてもらっていた。売主さんは自分が買うときに聞いている説明なので、聞かなくてもいいものらしい。
 売買する物件はこういう土地に建ってて、こういう仕様の物件です。みたいな説明をしてくれるのが重要事項説明。難しい言葉だらけだけど、担当さんと二人だったので都度質問できたし噛み砕いて解説してもらえた。たぶん売主さんもいる場だったらよくわかんなくても流しちゃってただろうな。

 契約書の内容を読み合わせて、私が一番気にしていたのは、ローンの本審査が通らなかったときに契約を白紙にできるかどうかとその期日
 滑り止めがあるとはいえ何があるかわかんないし、もしその期日が来てローンが通らなかったらマジで詰む。親に頼るとかはできない金額なので本当に詰む。その期日が一ヶ月以上先なことをちゃんと確認した。

 いろんな説明が終わったら、売主さんと私とでひたすら書類に住所と名前を書いて印鑑を押す作業。契約書と重要事項説明書と手付金の領収書がそれぞれ2人分だから計6枚? なぐり書きにするわけにはいかないけど時間もあんまりないしで慌てて書いた。そして必要な手続きが全部終わると、用事があるという売主さんは急いで不動産屋さんを出ていった。

 そうして一世一代の契約を終えた私は、急いでローンの本審査を申し込むのだった。……と書きたかったけど、実際は不動産屋さんの目の前にコメダがあったので、うきうきしながらモーニングとシロノワールを食べたあとで美容院に行った(次の日は推し声優の現場があった)。
 担当さんから書類のスキャンをもらわないとローンの本審査は申し込めなかったからね!しょうがないよね!


果たしてローンは通るのか?

 数日と経たないうちにしごでき担当さんがローン申し込みに必要な書類を送ってくれたので、本命の銀行にネットから本審査を申し込んだ
 最近はだいたいなんでもネット経由で申し込みができるので、このときにはすでに自分の源泉徴収票とか運転免許証とか住民税額通知書とかをスキャンしてPCに保存していた。セキュリティ的にはよろしくないけど、あちこちで必要な都度スキャンを取るよりも楽だったので、セキュリティあんまり気にしないとか完璧に管理できるって人にはおすすめ。保存する端末には必ずパスワードかけようね。
 担当さんとも相談して、まずは本命の銀行に申し込んで、2週間くらい待って連絡がなければ追って地銀(売主さん側の不動産屋さんから紹介されたところ)にも申し込みをする予定に。ローンの本審査は2〜3週間くらいで結果が出るのが普通で、ダメならダメですぐ連絡があるって銀行勤めの友達が言ってた。

 本命銀行のローン申し込みは、アカウントが発行されて専用ページにログインしてそこから必要書類をアップロードする、って形だったんだけど、書類をアップロードしたあと数日経っても画面がなんにも変わらなかったので不安になって電話で問い合わせをした。不備とかあるせいで進んでないとかだったら困るし。
 問い合わせの結果は不備はなく、でも混んでるので時間かかりそうです〜って言われた。言うて3週間以内には結果来るでしょ〜と思っていたんだけど、これが盛大なフラグになるとは全く思っていなかった……。

 そこから約2週間。本命銀行からの連絡はうんともすんともまったくない。
 仮審査が通ったあと本審査を申し込める期間は決まっているので、地銀も並行して申し込むことに。この期間を過ぎると、せっかく通った仮審査もパァになってしまうからだ。
 必要書類は準備してたので、書類を全部持って地銀へ。なぜか当初話してた金利よりも0.2%ほど下げてもらえることになってた。ほんとになんでかは全然わかんないけど。仮審査をかなりしっかりやってくれたので、やっぱりよっぽどのことがない限りはこちらは通るらしい。
※よっぽどのこと=実は隠してた借金があった、とか

 ローンが通らなくて家の契約が白紙になる、なんてことはこれでほぼなくなったけれど、どっちの銀行で借りられるかでこれから35年間毎月払う金額が変わってくる。出ていくお金は少ないに越したことはないのでできれば金利が安い本命銀行で借りたい。
 あとついでに、本命銀行はローンを組んでいる間ちょっとした特典があるのでそっちがいいなとも思っていた。

 それからまた1週間が経っても、まだ本命銀行からの連絡はなかった。
担当さんの勧めもあり、催促も込めて一度電話をしてみることに。

 電話をかけると丁寧だけど堅苦しくなく対応をしてくれて、電話が苦手な私はちょっと安心をした。時間がかかっていることについてのお詫びを挟んで、前にも聞いたように申し込みが多くて時間がかかってしまっているとの理由説明。それをふんふんと聞いていると、「みなさんに伺っていることがありまして……」とちょっと申し訳無さそうにあることを尋ねられた
 尋ねられたのは、物件の購入動機だった。平たく言えば、投資用にマンションを買うのではないかと疑われていたのだ。
 私が申し込んでいたローンは、自分が住むための家を購入するというのが条件になっていた。自分は安い賃貸とか実家に住んで、安い金利でローンを借りてマンションを買って、それを他の人に貸して家賃収入を得る。ということをする人がいるらしい。だからそれができないように、自分が住むためというのが条件に入っている。

 私は実家が同じ市内なので実際住んでいたマンションには住民票を移していなくて、住民票上は実家に住んでいることになっていた。だから、なぜ近くに実家があるのにわざわざ別に家を買う? と疑われたというわけだ。
 実はこの話は前から担当さんにも言われていて、聞かれたときの返答を決めておきましょう、とあらかじめ一緒に考えていた。
 「実家は駅から遠いので駅に近い場所に移り住みたい。また、両親が高齢になったら一緒に住むことも考えている」
 実家は駅から歩くにはちょっと遠くて、バス停も近くにない。もともとはそれが私が実家を出ていた理由の一つだ。それと、ファミリータイプの家を買うけれどローンも購入も私一人なので、将来親を呼び寄せるとしたほうが銀行側への印象もいいのでは、というのは担当さんの案だった。
 決めていたことを私がスラスラ話すと、銀行の人は納得とともに安堵したような声色だった

 理由も伺えたので審査を進めますね、と電話越しに言われたのが夕方。
ここから時間がかからないといいなと思っていたら、翌朝には審査結果のお知らせが届いた。リモート勤務中にもかかわらずすぐに開いて、承認の文字を見て小躍り……はしなかったものの、喜んですぐ担当さんに連絡した。
 これでやっと、家を買えることが確定した。


火災保険を決める

 ローンを組むなら、火災保険に入らないといけない。なぜなら家を抵当に入れるので、保険がないとお金を貸した銀行が困るから。というか保険は入っといたほうがいい。

 というわけで、どこの保険会社で火災保険及び地震保険に入るかを決める。家を買えることが決まってもそれで終わりじゃなくて、まだまだやることがあった。むしろここからが大変のような気もする。ここから引き渡しまで、あと2ヶ月くらい。

 ローンを組む銀行とほかの保険代理店でそれぞれ話を聞いて何社か見積もりをとって、保険の内容を色々カスタムできて安めのところにした。結局は掛け捨てなので、人間の生命保険と同じで安くていい、というのが私の方針。あとは何も起こってほしくないという一種の願掛け。
 でも、あんまり安いところはいざなにかあったときになんだかんだ基準に達しなくて保険が下りないってケースもあるらしいので、そのあたりはよく確認したつもり。
 マンションだと地震があったときでもマンションが頑丈で建物に対しての保険はほぼ下りないらしいので、建物よりも家財をだいぶ厚くした。なにしろオタクの家にはすでに生産終了になって中古でしか手に入らないものだらけなので……。

 あと、どうしようか迷って私は付けるのをやめてしまったんだけど、不慮の事故で家の中とか家具が壊れたときに修理費が出るっていうやつを付けるといいらしい。なにか重いものを落として床がへこんじゃったとか、ぶつけて壁紙が剥がれたとか、子供が物投げてテレビ画面割っちゃったとか。そういうのに対しての補償があるらしい。付けたらよかったかな〜と思ったけど、引っ越してきてみたらフローリングがめちゃくちゃ固かったので付けなくて正解だった。


引越し業者を決める

 オタクは荷物が多い。本当に多い!公式グッズや円盤に漫画小説写真集ぬいぐるみ、同人誌にコスプレ衣装。ミニマリストが見たら卒倒するレベル。

 そんなわけで、適当に引越会社を選んだらとんでもない金額になる。
さすがに複数社見積もり取りたいな〜と思っていたら見つけたのがこれ。

 ここにZoomで荷物量とか希望とか把握してもらって、その情報をもとに複数の業者に見積もりを取ってくれるサービス。ただし大手引越会社は対象外なので、大手は自分で見積もりを取らないといけない。
 業者別や条件別で合計6種類までの見積もりが上限らしいので、私は3社×午前or時間指定なしで6種類の見積もりをもらった。同居人は全然片付いてなくて荷物の量がわからなかったので、私の物と家具家電で5〜7万代だった。それとエアコンの脱着工事が別料金で1万6千円ちょっと。相場より高いのは荷物が多いので仕方ないとはいえ、大手で見積もりとったらこれより上がるだろうな……と思ったのでこの見積もりの中で一番安いところにした。

 値段だけで決めたわけじゃなくて、もちろん評判調べたりサイト見たりもして決めた。段ボールに柄が入っててそれが可愛かったのもまぁまぁ決め手になった。荷物詰めてて気分良いほうがいいじゃん? それに引っ越したあとしばらく開けない箱とかありそうだし……置いとくなら可愛いほうがいいよなって……。(案の定1年経っても開けてない箱があるよ!)

 だんだん見積もりが面倒になってきたのと費用を抑えたかったので小さい業者にしちゃったけど、大手のほうが人数多く来てくれて短時間で済みそうなので荷物が多いならもしかしたら大手のほうがいいかもしれない。けど引越し当日とくにトラブルもなかったので、依頼したところは悪くはなかったと思う。


そのほか細々したこと

・住所変更
 登記をするには現住所と物件住所を同じにしておかないといけなかったので、引き渡しの一ヶ月くらい前に新しい住所に変更して住民票を何通かもらっておいた。登記用と免許証の変更用で2通だったかな。
・印鑑登録
 実印の印鑑登録をしていなかったので、これもどこかのタイミングでした。一旦前の住所で登録しておいて、そのあと住所変更のときに一緒に登録住所を変えたはず。
・郵便の転送手配
 アマゾンとか楽天とか各種サイトの登録住所は変えたけど、それでも変え忘れてたものはあったのでとりあえず転送はやっておいたほうがいい!歯科定期検診のお知らせとかはがきで送ってくれるんだけど、めちゃめちゃ盲点だった。郵便局行かないといけないと思ってたんだけど、オンラインでできるんだねぇ。
・ガス電気水道
 もともと住んでた家は同居人名義だったので、全部解約してもらって全部私の名義で新規で契約。電気はガスと同じ会社にするとちょっと安くなるので、手続き増えるのも面倒だったし同じとこでまるっとやった。
 書いてて思い出したけど、同居人が電気かなにかの解約のときに新しい住所を聞かれたので伝えたとか言って、「それ絶対解約になってないからちゃんと確認して解約にして!!!!!!」って怒ったことがあったのを思い出した。同居人ふわふわしすぎ。

 いろんな契約があったり決めることがいっぱいあったりで、これを書きながらメールを見返していると私よくこなしたな……って思うんだけど、都度担当さんが必要書類を箇条書きにまとめてくれたり、金融機関とかは必ず書類リストを作ってくれてるのでそれに沿って準備していけば不備とかなく大丈夫だったよ! みんなお仕事なので優しく教えてくれた。


引き渡し〜引っ越し

 引き渡しは平日の午前中から、メンバーは売主さんと売主さんの不動産屋さん、銀行から手配された司法書士さん、担当さんと私の5名。
 銀行の融資実行の都合と、司法書士さんにその日のうちに登記手続きをしてもらうので、引き渡しは平日の午前中にすることが基本らしい。私は引越しは後日だけど、免許証の住所変更とかも行きたかったので丸一日休みにした。
 引き渡しについては一週間前に担当さんが準備しておくもののリストと当日の流れをメールしてくれていたので何も心配なく、仕切ってくれる司法書士さんの指示に従って書類を書いたりスマホで融資の着金確認をしたりする。
 契約の日に手付金は払ったけれど、それ以外のお金の精算をするのが引き渡しの当日だ。いくら払うとかは全部事前に銀行に伝えてあってこの日に合わせて振込の予定をしてもらっているので、私はスマホで残高を眺めているだけでお金が各所に払われていく。売主さんに物件代金の残りと固定資産税・管理費・修繕積立金の日割り分、仲介してくれた担当さんの会社へ仲介手数料、司法書士さんへ登記費用と手数料、銀行へ融資保証料と手数料。何千万っていう金額のお金が私の口座に入って、一瞬にしてほとんど消えてったのはちょっとだけ面白かった。今まで口にもしなかったような金額なので全然現実味がない。紛うことなき現実なんだけど。

 お金の精算が終わると、司法書士さんは諸々の手続きがあるのでサクッと出ていった。このときにしか会ってないけど、登記とか色々よろしくお願いしますって挨拶した。
 そのあとは売主さんから鍵をもらって、引き渡しされましたって書類にサインと判子を押して、管理会社に出す書類にその場でいろいろ記入した。管理費と修繕積立金は口座引き落としになるので、引き落としにしてもらうための書類もこのとき書いた。

 そして晴れて、私は一国一城の主となった。

 担当さんにもお世話になりましたって挨拶して、浮かれたその足でそのまま新居に向かったような覚えがある。新居の玄関を開けて全部の部屋をぐるりと廻る動画を撮って、ウキウキでインスタの友達限定ストーリーにぶん投げた。しばらくしたらそのうち泊まりに来る予定の友達がいいねをつけてくれてた。
 しかし、この日はそうキャッキャと遊んではいられない。
 私は引越しを数日後に設定していたので、それに向けて事前に準備することのリストも作っていた。

  • 免許証住所変更

  • 蛇口の品番を見て浄水フィルター手配

  • 床がフローリングかどうか(シートじゃないか)見てワックス手配

  • ほかに手配必要なものあるか確認

  • ガスの開栓立ち会い

  • リビングの壁紙を貼る

  • お風呂にくん煙剤する

 これがこの日のうちにやりたいタスク。今考えると詰め込みすぎた。
 母が新居の見学兼手伝いに来てくれることになってはいたけれど、それはそれ。主導は私である。

 まずは免許証の住所変更に警察署。行ったらちょうどお昼の時間になってしまったので1時間自分もお昼をどっかで食べて時間を潰す。午後の受付時間に合わせて行ったら、裏に新しい住所を追記してもらうだけなのですぐ済んだ。

 そのあとは新居の掃除に使うものとかリビングに貼る壁紙とか、引越しよりも先に移動しておきたいものを運んだ。
 内見のときにかなり綺麗だったのでハウスクリーニングをケチってしまったんだけど、結果としてはクリーニングはお金に余裕あるならプロに任せたほうが良いと思う。うちは両親がめちゃめちゃ面倒見よくてそれに甘えてしまったので、引越しまでの数日の間に来てくれて私が仕事をしている間にめっちゃ掃除をしてくれたんだけど、水回りだけでもクリーニング入れたほうがよかったなと思っている。食洗機が備え付けなんだけど、売り主さんはそれを食器置き場にしていたらしくカビっぽい汚れになってたりとか、シンクの白いモヤモヤとか、お風呂の鏡のウロコ汚れとか、フローリングのワックスとカーペットの滑り止めがくっついちゃったみたいでよく見ると床が点々模様になってたりとか。このへんみんな綺麗にしてくれたのに両親にはお礼をのらりくらりと躱され続けている……。

 当日の話に戻るけど、母が来てくれたあとはあれがいるこれがいるってアマゾンをポチポチしたりフローリングに這いつくばって「ねぇ母さんこのフローリングってちゃんと木のやつだよねぇ! なんちゃってフローリングシートじゃないよねぇ!」とかやったりしていた(賃貸のときはフローリングが木じゃなくてシートだった)。母は次の日以降に掃除のため実家から持ってくる洗剤とかを考えてた。
 夕方頃に在宅仕事を終えた父も合流して、内見時には主張が強くて気に食わなかったリビングの壁を真っ白に貼った。母が壁紙を切る担当、父が押さえる担当、私が貼る担当。壁紙は多少貼り直しの効くやつで、貼るときに傾いたりとかしなければ貼りやすかった。スキージーでおさえたり上下の余りをカッターで切ったりとか、父もやりたがってたけど父は不器用だったので私が半分キレながらやってた。「そうじゃないってば父さん! ほらシワになるじゃん〜!!」

 ちなみに電気水道は引き渡しの日にはもう私の名義に切り替わっていて、朝まで家に居た売り主さんが「電気(扇風機)少し使ってます、すみません」と申し訳無さそうに言っていた。引越したらうさぎのために24時間エアコンをつけるのでそんなのは誤差です、誤差。

 それから数日後、引越し。
 引越しの3日前には引越し業者から時間の連絡があったんだけど、それを何故かこっち経由でエアコン業者に伝えてくれとか言われてちょっとモメた。エアコン業者は私の手配じゃないから(引越し業者もエアコン業者も引越しナビ経由の手配)そちらでうまいこと連絡取ってくれます?? つって向こうで連絡してもらった。

 引越し業者が来るのは午後2時半以降ってことになったので、朝起きて生活必需品をまとめる時間に余裕ができたのはまぁよかった。朝は苦手なので。
 ところがどっこい。引越し業者よりもちょっと早めに来るはずのエアコン業者が、「前の現場早く終わったのでこれから行ってもいいすか?」と。昼くらいになるという。そういうことならエアコンと同時にうさぎを運ぶことにして、引越し業者が来たときの対応は同居人にやってもらうことにした。
 幸いにもエアコン業者さんが気を利かせてくれて、本来は引越し業者が荷物を運んだあとにエアコンを取り付けという流れだったところを、取り外しが済んだらすぐ新居へ移動して取り付けをしてくれることになった。
 うさぎのケージは引越し業者が来ないと運べないので、最低限必要なものだけ持ってうさぎをひと足早く新居へ連れていった。

「ここどこ?」と言わんばかりに新居を見回すうさぎ
前の人がエアコン置いてってくれてたのでバテる時間が短くて済んだ

 エアコンの取り付けが終わると、引越し業者への指示やら確認やらのために旧居へ戻る。引越し業者はお兄さん2人で、積み込みに2時間くらいかかっていたような気がする。家族とのLINEを見返したら、引越し業者は15時ごろに来て終わったのが18時半ごろだった
 先述したとおり、引越し業者自体には特に不満なし。大手も見積もり取ってみても良かったな〜とは思うけど、もう次はないからなぁ。

 とにかく無事に引越しが終わって、私は新生活をスタートさせた。
引越しに合わせて買った仕事とゲーム兼用のモニターとかゲーミングチェアとかキッチンカウンターとか、受け取ったそばから組み立ててめちゃめちゃ充実した生活になった。父がPS4を貸してくれたので大きい画面で原神ができて嬉しい。最近PS5を買ったのでPS4は父に返す。
 うさぎも今までは夜の数時間だけケージの外に出て遊んでいたけど、夜寝るときと人間が出かけているとき以外の時間はいつでも外で遊べるようになった。のびのびごろごろ寝たりボールを咥えて走り回ってるのがかわいい。

これはうさぎの部屋(リビングの一部)の最新版
床をフローリングよりも滑りにくいシートにしたので、掃除が楽になった

 ※余談だけど、同居人は結局最後まで荷物が片付かなくて、旧居の退去日に新居と何往復もして荷物を運び込んでいた。旧居は同居人名義だったのでほっといたけど、さすがにそこまでとは思わなかった。ドン引いた。ちなみに新居に来てからも部屋は片付いていない。同居人に会った人は是非「片付けした?」と圧をかけてあげてください。


さいごに

 引越してから本当に本当に生活が快適になったので、家にいる時間が長い人は家の購入、ほんとうにおすすめです。自分の家ならDIYだってできる!リフォームもできる!

よかったこと↓

  • 単純に広くなった。一度リセットしたことで部屋も片付いてる。場所も向きも気にしないで大の字で寝転がれる。

  • キッチンも広くて快適なので前よりも自炊をするようになった。

  • ベランダが広くなったからベランダ菜園ができるようになった。最近は私がベランダで水やりして戻ると、うさぎが「ぼくのおやつ(大葉)は?」という顔でこっちを見てる。かわいい。

  • お風呂の湯船が大きくなったので前よりもちゃんと湯船に浸かるようになった。ぬるめにして携帯持ち込んでのびのび浸かってる。浴室乾燥機もあるからお風呂場がカビない。

  • 家の設備が壊れたら自分でなんとかしないといけないので、お金の使い方を意識するようになった。たとえば冬頃にコンロが調子悪いところに浴室乾燥機がデカい音出すようになったので、まとめて交換した。20万くらい飛んでった。天井3回分くらいか……。

  • 引越し後にロボット掃除機を導入したので、床にものを散らかしてはいけないので片付けをわりとするようになった。キッチンカウンターとか棚の上とかみたいな床に関係ないところは散らかってるけど……。

  • リビングが広いしある程度片付いているので友達を呼べるし泊められる。パーティしたり酒クズ合宿したりゲーム大会したりする!

  • 定期的に親に来てもらって、うさぎと遊んでもらえるようになった。うさぎは両親にとっての孫なので、かわいがってもらうのが親孝行になってると私は思っている。

 そんな感じで、引越してきて1年経ったけどとても楽しく暮らしています。

 セミナーも仲介業者さんもローンの銀行も火災保険も引越し業者も名前は伏せているけど、個人的に聞いてもらえば教えるので必要な人は聞いてください。さすがにおおっぴらに書くと身バレしそう。
 特に仲介業者さんは紹介すると私も紹介された人も1000円分のクオカードがもらえるのでお気軽にお問い合わせください!笑 東京と大阪とオンラインでセミナーをやってたはず。

 以上、自分の人生を救ったゲームから強制的に切り離されたアラサーオタクが現実逃避に家を買った話でした。最後までご高覧いただきありがとうございました。



#Mマス10周年思い出メモ企画 https://note.com/reishi/n/n2bace12bd0d0


追記(2024/8/2)

引越したあとのやらかしたことと思い出したことを書いておきます。
ふたつある。

①不動産取得税のはなし
 文字通り、不動産を取得したときに発生する税金のこと。
いろいろ条件があるけどこの金額を軽減してくれる制度があって、軽減してもらうには自分から申請しなきゃいけないらしいってインスタで見ていた。
私はこの軽減制度で取得税がゼロになる計算だったので、納付書が届いたら申請しよ〜って思ってた。けど、待てど暮らせど納付書は来ない。
不安になって調べてみたら、軽減申請は期限があるとか出てきた。かなりギリギリだったので、慌てて必要な書類を集めて県税事務所に駆け込んだ。
そしたらどうやら、うちの県は軽減対象なら勝手に軽減してくれるから納付書も送られて来なかったらしい。親切すぎる。
というわけで、めちゃくちゃ焦ったけど大丈夫だったよ〜っていうのが不動産取得税のはなし。

②固定資産税・都市計画税のはなし
 毎年1月1日時点で不動産を持ってると、固定資産税・都市計画税ってのを払わないといけない。車とかもそうなんだっけ?
これが5月に納付書が届いて、全部5月末に払うか、4回に分けて払うか好きな方で払える。金額がガシャ天井をサクッと超える金額なのでちょっと日和って、4回に分けて払うことにした。1回目が5月末、2回目が7月末、3回目10月末、4回目翌年1月末とかが期限だった気がする。一括でも分けても最終的に払う金額は変わらない。
で、この2回目をすっかり忘れていて、今日の昼休みに慌てて市役所に行ってきて結局4回目の分まで全部払った……というのが固定資産税・都市計画税のはなし。
来年は口座引き落としにしまーす!……って思ったんだけど引き落としにする申込書をまた出しに行かないといけなくて……めんどくさ……。

と、いうふうに、家を買ったあともなんだかんだあるので皆さんはお忘れなく。
私は忘れなかったけど家を買った年は確定申告必須なので普段確定申告しない人は頑張ろうね。住宅ローン控除とふるさと納税くらいなら難しくなかったよ。

















以下はお気持ちポエムです。
書いて出しなのでなんかおかしくても許して。なんでも許せる人向けです。







もともと、エムステがあまりにも受け入れられなかった時点で、モバがなくなったら一緒に引退するつもりでいた。とか言いつつなんだかんだ離れられないんだろうなと思っていたけど、ずるずる残り続けて文句しか言わない亡霊にはなりたくなかったのでできる限りの情報をシャットアウトして無理やり離れた。推し声優のフォローを外すとき、ものすごく悔しかった。なんで私がこんな思いしなきゃなんないんだろって。
SideMに触れる前からずっと使ってたTwitterアカウントも、もうSideMで仲良くなった人が多すぎてTLはとても見られなかった。担当アイドルの名前を聞くのさえしんどい時期があったし、担当の顔を見ればついていけなかった自分が情けなくて申し訳なくて涙が出たし、曲は泣いてしまって辛くて聞けなかった。初期から7年くらい、機種変してもずっと携帯に付け続けていた布ストラップも外した。目に付くものは全部隠した。直視できたのは6年一緒にいたぴたぬいだけ。
どうにかSideMに残っている同居人がリビングで曲を流せば癇癪を起こしてやめてくれと叫ぶような日もあったし、プロナイトはイヤホンで聞いてもらった。8thライブの日にはとうとう耐えられなくなって手癖で開いてしまうTwitterアカウントを消した。

アイドルに対しての気持ちは残ってた。なんなら今でも残ってる。

でも、何度も何度も期待をしては裏切られたので、もうそんな思いをしたくない。勝手にこっちが期待しただけと言われればそうだけど、今までに良いものをもらっていたら信頼をしてしまうから、信頼した分だけ期待しちゃう。それが一度や二度ならアテが外れたな、公式側にもなんか事情があるのかも、なんて考え方もできるけど、それが積み重なれば信頼なんてなくなってく。

私の場合、一度信頼がほぼゼロになったのが4thライブの頃だった。
私はユニット単位でのアイドルがとても好きで、担当は一人だけどユニットの中にいる担当が一番好きだった。SideMの好きなところのひとつはユニット制であるところだった。それを、ユニットでの新曲がないのに越境をメインにされたのがかなり堪えた。ついでに、アニメにアイドルが半分も出てないのにいつまで経っても続報がまったくないのもしんどかった。
その頃は同人活動が楽しかったので、公式とはちょっと距離を起きつつ気持ち的には同人をメインにしてなんとかSideMに残ってた。この辺から徐々に周りのPが引退していって、私もいつか気持ちがプツンと途切れて辞めるのかも、って思ってそうなる前にってプラトロとった。初めて担当に特別なトロフィーをあげられて安心したのか、いつの間にかモチベは回復してた。飲み込めないことはある程度見ないふりしよう、って付き合ってく覚悟ができたのかもしれない。

そうやって一度ギリギリを繋いだ私が、モバとは別の世界線(無理だったエムステと同じ)のサイスタを受け入れられないのは当然で、これからもしモバがなくなったとしてサイスタが正史になったらどうしようって考えたら気が狂いそうだった。そのことだけはどうしたって見ないふりできそうになかったから。
モバはゲーム形式的に今の時代にそぐわないのは十分理解していたし、いつか終わると腹は括っていたけどそのあとにサイスタが残るのはどうしても許せなかった。このあたりでだいぶ亡霊になっているのは自覚していたから、SideMを嫌いになりたくなくてどうにかしていい落とし所で繋げていってほしいって公式に期待をしてしまった。この期待が大間違いだった。

ちなみにクラファは嫌いじゃない。モバにだけでも後輩として追加されてたら普通に好きだったと思う。(できることならぴぃちゃんになりたかったので、百々人が二人の呼び方を変えたって聞いたときには私も現役で見たかったって泣いた)

本当に最後に心が折れたのは7th愛知かな。グリツア以外で初めて担当ユニットがいるのにチケット申し込みをしなかった公演だった。円盤も買ってない。SideM7thじゃなくてサイスタ1stなら最初からそう言ってよって。更新停止したその日のライブでそんな仕打ちあるかよって。

最後に見納めの気持ちで12月の横浜に行って、ライブは良かったけどこれはキャストの頑張りのおかげだからって思って気持ちが持ち直すことはやっぱりなかった。

そのあと4月、モバを潰したのにサイスタまで潰すって運営は言う。もうSideMは見放されたんだ、じゃあもうこのままコンテンツとしても終わりにしてくれって思った。私はブランドが正直言えば嫌いなほうだったので、女性をターゲットにしたコンテンツからはもう手を引いてほしかった。別ジャンルでも偉いおじさんがちょうど燃えたところだったし。
そう簡単に手は引いてくれなかったけど、今残っている人たちが楽しそうなので楽しいならそのほうがいいと思う。どうかこれ以上亡霊を生まないでほしい。

あと、最後のパ大めちゃくちゃがんばったのに公約達成されずにモバなくなっちゃったのすごい効いたね。私はモバの超学続編が見たくて頑張ったんだよ。超学本編とカードのボイス聴きたかったね。


最近は、サービス終了から一年以上経ってやっとのことで踏ん切りがついたのか、新しく描き下ろされた担当の顔がちゃんと見られるようになって、ついていけない罪悪感がちょっとだけ薄れた。
曲はまだ聴けそうにない。既存曲も、ここ1年くらいの新しい曲も。
8thのダイジェストはちょっとだけ見た。まぶしくて泣いちゃった。


ずっとずっとその先へ、私も一緒に行きたかったよ。今も大好きなのは変わらないよ。
不甲斐ないプロデューサーちゃんでごめんね。今までありがとう。
バイバイシュー☆