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メンタイーコ 前編

俺がメリノだ
今回、俺は筆を執ったが、別にこの文章を誰かに読ませるつもりはない


メンタイーコイン


俺を高くから見下ろす太陽は容赦なく俺を焼き、横から殴りつける砂嵐は人々からすべてを奪い去る。つまり、常にこの町の人間は乾いている。



他人より多くの水を飲みたければ、そいつを殴り倒し、血で喉を潤せ。
俺がいるメキシコという大地はそういう所だ

俺は今回、高速トロッコに乗りメンタイーコの地に来た。
メキシコとは違う。

理由はない。

新天地を目指すのは男のサガである。

俺は、高速トロッコの乗り合い場で、運命の男たちと出会った。

サブマリ
街で早打ちマックよりも早いと噂される凄腕ガンマン
こいつはサルーンの誰よりも口が回るイカれ男だ

ナメクニ
2メートル半の巨躯を持つ屈強な男。
事あるごとに手にしている巨大なこん棒であらゆる物をなぎ倒すイカれた男だ

アキト
膝腰ほどもある固い有刺鉄線みたいな髪を振り乱しながら、激しくもメロウなギターを奏でるメキシコで人気のマリアッチ。
こいつがダンスし始めると誰も手を付けられないイカれた男


メンタイーコは美しい町だ

メンタイーコに着いた。
メンタイーコは美しい町だ
サルーンのマスターは意味もないのにヘラヘラし、罵声の一つも浴びせてこない。
しかも、道にはお馴染みのゲボや血反吐や死体などもなかった。
俺は一発でこの町が好きになった。

だが俺たちはこの町を血で染めるためにやってきたのだ
そのことを忘れてはならない。

もつ鍋はうまいz


俺はモーテルの隅に荷物を放り投げ、仕事前の食事へと向かった。
サブマリがおすすめする『楽天地』という名のサルーン。
入るとゲボのにおいが立ち込め、俺は懐かしい気持ちになり、唾を吐いた。


噂のもつ鍋を注文する。
聖堂のマリア像のような笑顔のウエイターがもつ鍋を持ってきた。
アキトはニヤニヤとケツを追いかけ、ナメクニはなぜか暴れている。
俺はお前が一番うまそうだと思い、床に唾を吐いた。


結論から言うと、もつ鍋はゲボではなかった。

ニラとかモツとかが鍋の中で縮んでゆき、そいつらが出した旨味が鍋の中で上質なフラメンコを踊る。
そう。この鍋は今、ダンスタイムだ。

旨い!!

俺は太ももに拳を叩きつけ、高らかに吠えた。

俺の遠吠えを聞き、華奢な男が混ざってきた。
そいつがスイカだ。

スイカ
手も足も速い盗賊のようなイカれ男
さわやかな外見で油断させて女を速即する女性用暗殺者

こいつを無視し、俺たちは鍋をぺろりと平らげ酒をあおった。

ここはコンビでやる公園だった


なんやかんやで俺たちはチャンゴを手にし、ケゴの公園に来た。

あそこに赤い字で『ケゴ』と書いてある


KPをしに来たわけではない。狩りに来たのだ。
メンタイーコのクラスタどもも来てくれた。
こいつらはさわやかでいい奴らだ。
こいつらの話によると、ケゴの夜はマライッカの魔の森のごとく、複数で動かないと危険との事だ。
なるほど。俺たちは相槌をうった。



そんな話をしているなか、
一匹の上質なバンビが俺の前を横切った。

俺は動いた。

・・・

俺は息をひそめ、いつものように背後から近づく。
ピンと伸びた背筋、背中まで伸びた艶やかな毛並み、どう見ても上物・・・

声をかける。
驚いてはいない、
だが筋肉は強張っている
群れが近くにあるのだろう。

「いい化粧品見つかった?」と俺はヤツの買い物袋に話しかける。

軽くオープンし、くそみたいなトークをした。
3分くらい話して俺はあることに気がついた。

(心が動いてない?)

打診しても動く気配がない。
仕方ないから観光できたと伝え、おすすめの店を聞いてLゲする。

一通り会話を済ませ、群れに帰った。


???


誰もいない・・・

その時、俺の脳はすごいエンジンのごとくフル回転し、ある結論を導き出した。

(今回の男どもは5人、やつらもコンビをする話をしていた。)
(メンタイクラスタは動向が読めない。)

そう。
俺は孤立したのだ。


ここはどこだ


あいつらがいきり立ってるとろくなことがない。
二度と合流できないなんてのはいつもの事だ。
俺も生まれたときは一人だった。

上等だ・・・

俺は唾を吐き、ケゴの公園でストを始める。

女がばらばらと死体に群がる虫のように円を作るように座っていて、俺はいつものように声をかける。

何人かに声をかける。

一人のバンビの殆どが待ち合わせと用事があるヤツだ。

(冬のメキシコの夜のようにハードだ・・・)

公園を3周し、またチャンゴを飲む。

もっと人の話を聞いていればよかった。真の男である俺は相槌だけで話を全く聞かない時がまれにある。

もっといい場所はないのか?

西通りやら、国際通りやら話は聞いていたが場所が全くわからん。

俺は唇をかみ、血の涙を流し己を呪った

ここから俺の長い旅は始まった。


俺は長風呂はしない

とりあえず見つけたバンビ全員に声をかける。
2人組にも男にも関係なく声をかけた。
俺は孤独に苛まれていた。

もう何時かはわからない…

おそらく12時をゆうに超え、どこかわからんうす暗い路地の真ん中で俺は呟いた。

「・・・帰ろう」

真の男ある俺でも寝床はあり、羽を休める。
だが、察しの良い俺はある重大な事実に気づいた。

「モーテルの場所がわからない・・・」

ルームキーを見る。
ホテルの名前は書いてない・・・
すべてサブマリに任せていたから何も覚えていなかった。
あのアホめ…

俺は世界に取り残された感じになり、拳を地面に叩きつけ唾を吐いた。

俺は悔しかった!目の前にホテルがない事に憤怒したのだ!!

エジソンとかいう男より頭がいいと言われている俺は、ストをしながらスマッホンで仲間たちにモーテルの名前を聞いた。
返事はない・・・こいつらはいつもそうだ・・・

だが、一人だけ反応した男がいた。
そいつがやまもとだ。

やまもと
荒野で一番有名な謎の覆面イカれ男
「ダオンダオン!」と叫ぶサルをいつも肩に乗せている
サルの名は「シーチキン」

奴の情報に嘘はなく、俺はモーテル前に付いた。
やまもとは荒野では珍しい噓吐きではない男だ。

やったのことでモーテル前に着いたら、アキトから連絡が来た。
「女を搬送するから部屋のカギを貸せ」

俺は風呂に入りたかったが、あのアホのために部屋を渡すことにした。
俺はグランマのマッシュポテトのように優しすぎるのだ。
「モーテルの前にいるから取りに来い」
「いや、お前がケゴの公園に来い」
「・・・モーテルの前に来い」


そこで連絡が途切れた

どんな時でも冷静な俺だが、さすがに苛立ちを覚え
「部屋に入っている」と告げ、唾を吐き、風呂に入った


おまえらに言いたい。

風呂はいいぞ。

あのお湯が体を温め、金剛石のように固まった俺の筋肉をメキシコ女の尻のように柔らかくしやがる。


そこで深呼吸をしてみろ。
外気が熱い管をなぞり肺を満たす。「天国はない」が俺の持論だが、おそらくここがそうだ。


お前らも機会があれば入ってみるといい。

俺は自分をマッサージし体を洗う。

その時、俺はきれいな男になった。


・・・?

なんだ?

ドタドタと入り口が騒がしい・・・


やれやれ・・・とおれはこぶしを握りしめ、唾を吐いた。
荒野では、空き巣や盗賊は塩とテキーラを合わせて飲むくらい当たり前に起こる。

だが、風呂を出ようとした時、きき覚えのある声が聞こえてきた。

アキトだ

アキトが女を連れてやってきやがた。
どこでもだ!

あいつの会話の内容から、女と一緒にいて、今俺が出たら破綻するやつだと頭のいい俺は判断し、しばらく待つ事にした。

しばらくキャッキャと声がし、アキトが風呂に来た。
奴は俺に「待ってろ」と指示し俺の前から消えた

俺は待った。

風呂の湯が水になる頃、女の喘ぎ声とそれよりでかいアキトの唸り声が聞こた。

そして頭のトリートメントが干上がる頃、声は止んだ。

ドタドタと二人は出てゆき、俺はトリートメントを流し風呂を出た。
体を拭き、散らかったベッドに腰掛け小さな声で

「パスはよ?」

と呟いた。

一匹狼


ベッドで髪を乾かし鏡を見ると、そこには恋人を殺されたバンデラスのようなひどい形相の男が拳を握りしめ立っていた。

その屈強な男は俺に呟いた。
「全員殺せ」

俺はスマッホンを握り、全員に伝えた。
「お前ら全員死ね」

俺はグループを抜け、酒瓶を投げつけ、ベッドを燃やし、椅子でガラス窓を破り布団に付いた。


俺は一匹狼なのだ。
KPもできないあほに興味はない。
一人で生きていくことに決めた。



朝起きて、スマッホンを見るとスイカから連絡が来ていた。
「パスするからはよ」
俺は急いで服を着、スイカの部屋まで走った。

あいつの部屋にはアキトがおり、俺に服を脱げと指示をする。

ワンワンと女の喘ぎ声が奥から聞こえてくる。

俺は裸になり、激しく動くスイカに目くばせをし、口にナニを突っ込み3pをした。

つつがなく行為は終わり、スイカは女と眠った。
俺とアキトは二人でガラス窓のない部屋にまた戻った。
あとグループにも戻った。

そして俺たちは眠った。


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