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「外国産馬」と「持込馬」の違い

明日6/21の新ガチャで「ヒシアマゾン」の追加が発表されました。

SNSではヒシアマゾンの性能予想等々の話題で盛り上がっていて、私としては大外一気のクリスタルカップとか、チョウカイと叩き合ったエリ女とか、懐かしいレースを思い出しながら色々拝見していたのですが、その話題の中で、

外国産馬と持込馬の認識がごっちゃになっている

事をたまに見かけます。

あんまり野暮ったい話はしたくないなぁと思っていたので、この手の話題はずっとスルーしてきたのですが、
ここまで競馬そのものの話題が盛り上がるのであれば、細かい話を解説するおっさんの一人くらい居てもいいかな?とも思ったので、たまには解説系の記事を書いてみようと思います。

1.出生の違い

外国産馬「日本国外で生産され、日本で競走馬登録された馬」です。
多くの場合、国外の当歳~1歳馬のセールで購入・輸入し、日本で競走馬として走らせる、というパターンになります。
今回新キャラのヒシアマゾンはこの外国産馬にあたります。

一方、持込馬とは「仔馬を受胎している母馬を輸入し日本国内で出産された馬」を指します。
マルゼンスキーはこれに該当し、ニジンスキーという日本の種牡馬ではない馬の産駒ですが外国産馬ではなく持込馬です。

こうやって改めて説明してみると微妙な違いなので、確かにごっちゃになっても仕方ないかもなぁと思いますね。


2.出走制限の違い

クラシック競争(牡馬のクラシック三冠+牝馬の桜花賞、オークス)には「種牡馬・繁殖牝馬の選定」という意味合いがあり、以前は外国産馬の出走は一切認められていませんでした。

出走できるようになったのは結構最近の話で、2001年から出走可能レースや出走可能頭数が段階的に開放され、現在の外国産馬は外国馬(外国調教馬)と合わせて9頭まで出走が可能となっています。

※外国産馬は制限が完全になくなったわけではなく、国際化した(国際競争になった)という事です。

これに対し持込馬のほうは、実は元々内国産馬と同じ扱いで特に制限はありませんでした。
ところが1971年、馬の輸入自由化と共に「内国産を守る」という方針により、以降の持込馬は外国産馬と同じ扱いを受けることになりました。
マルゼンスキーは運悪く、この時期の持込馬なのです。

その後、持込馬に対する制限は1983年をもって撤廃され、現在は内国産馬と同じ扱いです。


3.ウマ娘に登場する主な外国産馬

ヒシアマゾン、ヒシアケボノ、タイキシャトル、グラスワンダー、エルコンドルパサー、アグネスデジタル、メイショウドトウ


4.ウマ娘に登場する主な持込馬

マルゼンスキー(出走制限期間中)
ニシノフラワー、ビワハヤヒデ、エイシンフラッシュ


5.余談

・ウマ娘は90年代~2000年初期の年代がメインなので、外国産馬が実はかなり多いです。
近年の日本競馬はディープインパクト等のサンデーサイレンス系種牡馬やキングカメハメハ系の種牡馬が非常に優秀な時代になったので、外国産馬の強い競走馬は相対的に減ったように思います。

・かつて「天皇賞の出走制限」というのもクラシック競争とはまた別に存在していて、これがまた非常にややこしい(笑)
詳細は割愛しますが、現在ではクラシック同様外国産馬も出走可能です。

・上に書いた外国産馬はほとんどがアメリカ産馬です。(ドトウだけアイルランド)
アメリカ競馬はダートがメインですが、基本スピードと持久力勝負の世界なので、日本の軽い芝とは合うんでしょうかね。

・エイシンフラッシュはドイツからの持込馬で非常に珍しいです。
はじめて馬柱を見た時に「え!?キングズベスト産駒とかマニアックやな、東京走る読みなのか?」と衝撃を受けたのを今でも覚えています。
(実際に東京のG1を取ったことも含めて)



以上が今回の「外国産馬」と「持込馬」の違い、の話になります。

スマホゲーム(ウマ娘)の話題からこんな話が出来るような時代が来るとは、それ自体に未だに感心しています(笑)

いやーほんとすごいですよねウマ娘。
こうしてたまにはリアルな競馬の知識を深堀しながら、ゲームも競馬も、各々がより一層楽しめるようになっていければなぁと思います。

それでは今回はこの辺で。
ご拝読ありがとうございました。


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