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『グラビアプレス』vol.8 レビュー

昨日は東京も久しぶりの大雨だったが、
視界を遮る水滴に、早くも肌が寒さに震える。
話題の太陽フレアも半球を南下していき、やがて夜空に冷たく光の帯を投げる。極地でやる芸当を今際の際に、全球の堕天使を祝福する
そんなオーロラ見たさはあるが、
まだその神秘に目が潰れることはないだろうと思いつつ
今晩もネカフェでカタカタやってる。(2024年5月14日)

さて、2024年5月6日、
神保町の書泉グランデにて『グラビアプレス』vol.8を購入した。
(発売日2024年5月2日)
沖侑果(元STU48 現タレント)のページをレビューする。

形式をどう転換する?


沖侑果 STU48在籍期間において最後のグラビア撮影写真、
撮り下ろし。(恐らく、2024.3.13撮影)
六角形のW。新天地に向け、岡山広島と遠く離れた東京に旅立つ前に、次のステージが待っている。
『楽園の女王』・・・純粋とは何か。

まず、写真から見ていく。
衣装については2種類。
海外からインポートされた商品を扱う会社が協力していることもあり新鮮なものだ。
青系の襞のあるツーピースだろうか。それにもう1つはワンピースに見えるが襞も含めてリメイク感のあるものだ。
1つ目の衣装だと、椅子に丸まる目をつぶった室内浴がイイ空気感漂う。
青い蝶々のような衣装も彼女の推しカラー紫に、きちっと前で見せる襞だ。藤のような下垂ではなく真ん中の少しだけ牡丹みたいな結びがいい感じ。
メイクも自然だからどこかに飛んで行くのには重そうな印象だ。
また、配信で感じたが個人的にはまゆ毛の濃さが好きだ。目の可愛さが引き立つから。
2つ目の衣装だと、今か今かと伸びようとする庭の緑。この境界に腰掛けて笑っている写真が好きだ。
あと、やや不敵に背の高いコンクリ壁にもたれる格好も嫌いじゃない。黒ジャンパで色々調整したんだろうが、これで落ち着いたのも彼女らしい気がする。
写真集慣れというより、自分らしさはっきり出したいと、伝わってきた。
だからこそ、本誌では前面と後面に次ぐ3番手だが、絶妙な妖精感が出ているのだと思う。蝶々から1度羽をたたんで花を愛でる春の気持ちに合わせている感じが素敵だ。
全ページフルカラー&インタビューで綴るビジュアルマガジンと謳う『グラビアプレス』誌。
インタビューした文章も取材対象の味が出てくる。そのため、本稿のメインは舞台、フィルム写真について、卒業間近の心境を明かしている3点を中心にして考える。




舞台について

芸能界でソロ活動が始まる。
彼女の出演情報は、3月9日から中旬にかけての怒濤の期間(主観だが)を締めくくったSEPT公演後に公表された。主役に抜擢される。
『楽園の女王』(再演)。
初演(2019年)はILLUMINUS公式ホームページからDVDが販売されている。(税込 6000円)
やや高いが、運営会社がメディアミックスの中に舞台を位置づけているからかシリーズもの(女王ステシリーズ)となるので、一連のストーリーを理解する上ではこの選択肢はありがたい。女性アイドルをメイン演者にしているもので未知な領域だー。
詳細は省くが、史実にあるオーストラリアの西の孤島に漂着した人々の悲劇を脚色している。さらに配役のメアリーは、初演では単独主役であり、物語の基層をなす実験に深く関わるヒロインである。
再演はメアリーとリリーのW主役だ。コロナを経た現代も投影できるかもしれない。
「誰も救われない、報われない」。
メアリーは色々背負っているが、どう演技をつくっていくのか。役作りの考えも書かれていた。
【以下『楽園の女王』ネタバレ注意!】
黒々とした過去が語られる際は緊張する。
その積み重ねによって、凄惨さに殺害がクローズアップされる。
倫理観の崩壊が歴史で起こったのも海の孤島の出来事だったから。
作品にすると、自然の力を追い風に出来れば
それがメアリーの変化に繋がるのは説得力がある。
あえて、小動物の登場で島の人間生活に変化が生まれるとすれば、それはより現代的だしジブリの世界にも思える。
ジブリで言うと、例えば、キツネリスは2作にでてくる。ナウシカでは最初は自然界の怒りを指を噛む行為で転換させ、小さな喜びを人間と分かち合うきっかけとなる。やがて戦闘や最後の突進では暴力を受け止める存在にまでならなかったか。
またラピュタでは天空の孤城に、門番の泥人形のお化けに寄り添い生きており、辛うじて保たれる秩序をエンディングでも謳っていた。
このように「人間」以前の状態の、大きな存在の代弁者の役割を小動物に与える考えは、実例がある。難破船の人々を迎える立場になった時、メアリーの心にどれほどの悪の誘いがあるのか。
この役、良心があればそれとの鬩ぎ合いにも注目したい。
舞台経験も小さい頃から長く、またアイドル時代の舞台や朗読経験が思い出深いそうだ。
沖侑果には本作の主役への抜擢について、STU岡田あずみともいいかぶせになればいい。4日8公演の日程の間も、1人で掴んだ主演だからこそ技をどんどん磨いていって欲しい。

フィルム写真について

フィルム写真は、その場で写真を確認できなかったとあって、
でも人見知りだけど素を出せたのは、撮影チームが20代で歳が近く
彼女の意見が通りやすかったからだろうか。
配信では自分のふがいなさを感じたと言うが、気にもむことではない。
思い込みは変えるべきだけど。
スタイリストの方に撮ってもらったのか。すぐ打ち解けられるならば、カメラの前の彼女だと感じる。

卒業を間近にした気持ち

自分のキャラもいい。
メンバーの優しさを受け止められる彼女は成長点をまだ隠している。
選択に色々な気持ちが混じっても、強い自覚がどこかにあるんだろう。

将来の大きな夢も叶えましょう。

only road, only memory and your own life 
歴史の綻びにつけ込もうぜ!


誌にもややネタバレあるが文章と写真は違うの。
悪しからず。




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