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iMAGINE展3

展示作品

今回地元川越の狐伝説を題材に写真を撮りました。
川越には狐伝説が沢山あり、今回の展示では主に「久太郎狐」「狐に化かされた岩右衛門」などをテーマにしました。


久太郎狐

久太郎狐は川越の六軒町というところに昔出たと言われる狐で、当時六軒町の周りには6軒しか家がなく狐が沢山住んでいたそうです。(今の妙養寺周辺だと言われています。)

妙養寺
現在ではたくさん家のある妙養寺前
妙養寺近くの菓子屋横丁


久太郎狐は人を騙すのが好きで、人が通ると偽物を売りつけたり、餅が好きだったようで餅を買って代金をタニシのフタをお金に見せかけて払ったと言われています。

タニシのフタを使えないので近くのドライフラワー屋さんで売っていた木の実(八角)を使用
人が増えるにつれて久太郎狐は姿を現さなくなり、人々は塚を作って祀ったと言われています。(現在塚のあった場所は分かっていないとのこと)
川越蔵の町の時の鐘
川越では狐のお面がお土産にあちこちで売られていたり、ガチャなどでも狐のグッズがあります。



狐に化かされた岩右衛門

岩右衛門は川越に人を騙す狐が出るという話を聞いて、自分は騙されないと狐退治に出かけますが、騙されて田んぼの中を這い回ることになる話です。

内容

ある時狐退治に出かけた岩右衛門は、急に周りに光が漂いだして背後に気配を感じて刀で斬りかかるも誰もおらず鞘を落としてなくしてしまい、刀を抜き身のまま帰れないので田んぼの中を探しだした。

近くにあるはずなのに見つからず時間が経ってここがどこだかも分からなくなり助けを呼んでいるところを発見されたが、泥だらけで田んぼの中を元の位置から500mばかりも移動していたという。


袖引き小僧

袖引き小僧は川越の隣の川島町に出ると言われた妖怪で、歩いていると背後から袖を引かれたような気がするが振り返っても誰もいないというものです。

川島町は川越のすぐそばで、「狐に化かされた岩右衛門」では狐は人の背後に立って人を化かすと言われているという話があり、また川越の他の狐伝説の「雪塚稲荷神社」では、東松山の箭弓稲荷神社から東京の王子稲荷までお使いに行った狐が川越を通りかかる話があるので、もしかすると正体は狐なのかもしれないと思い取り上げました。

雪塚稲荷神社

今回の展示ではこのような話をテーマに写真を撮りましたが、他にも川越には狐の伝説がいくつもあり、また狐以外にもたくさん面白い話があるので今後またそういった話も題材に写真を撮ってみたいなと思います。

参考文献
・「埼玉県の民話と伝説 川越編」 新井博編 有峰出版 昭和52年
・「続 川越の伝説」 川越市教育委員会編 昭和59年
・「日本妖怪大辞典」 村上健司編著 角川書店 平成17年

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