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大泣きするくらい、君に嫉妬してたんだよ

このお話の続き?となります。

端的に言うと、どうやら自分には「焦らず、ゆっくり」という言葉は似合わなかったようだ。


とある木曜。
ディベートの練習をすべく、友達と空き教室に向かう。

教室に着くと、ALTはまだいなかったため、1人が職員室に呼びに行ってくれた。
もう1人の友達と自分の2人きりになった。同じ小学校だった子だ。

その子に、思い切って話をしてみた。
「もし自分がディベート辞めたいって言ったら、殺す?」と。

彼は少し驚いた様子で、それから少し考えるような素振りを見せたあと、目を見ながらこう言った。
「別に殺しはせんけど、何で?とは聞くかな」

理由ねぇ〜、うん。そうだなぁ。

「強いて言えば、なんか向いてないな〜ってね」

何が「強いて言えば」だ。何強がってんだよ。

そんな折、ALTと英語科の先生と呼びに行ってくれていた友達が帰ってきた。

その時自分は、相当最悪な表情を浮かべていたのだろう。「Are you okey?」と心配された。適当に力を込めて、多分ね、と答えておいた。

その瞬間、その場にいることが耐え切れず、英語科の先生に「少し出てきます、すみません」と言い残して教室を飛び出してしまった。

何故か込み上げてくる涙を堪え、逃げ込んだ場所は保健室。

到着するなり、ソファに突っ伏し大号泣をぶちかました。
気が済むまで泣くと、保健室の先生はティッシュを用意してくれた。そして一言、「何があった?」


もう、ディベート出るの、辞めようかなって。

しんどいんですよね、実力差見せつけられてる感じが。本人たちは普通にALTと喋れるし、知識量も半端じゃないからディベートの内容とかにもついていけて、なおかつ呼吸するみたいにポンポン意見出していくし。自分には今言った要素が全部欠けてて、あぁ、この人たちにはついていけんな、って思ってるんですよ。
友達には「強いて言うなら、自分に向いてないから辞めたい」って説明したんですけど、もう明らかに向いて無さすぎなんですよね。


話しながら、理由を問うてきた彼のことを思い出していた。


思えば自分は、小さな頃から自分の勝てるフィールドでしか戦おうとしなかった。
自分よりも秀でた才能を持っている人が現れると、さっさとそのフィールドから手を引いた。ひとつのことにあまり拘らない、と言い換えることもできるだろうが。
要するに、自分が勝てないと分かるとすぐに引く、逃げ癖があってずるい人間。それが自分だ。

しかし、彼は違った。本人曰く、「英語が苦手で」と言いつつ(それがまた嫌味に聞こえてしまう話は今はいい)、ずっと戦い続けている。

そもそも彼は、「自分に才能がある、ない」から「続ける、辞める」という思考で動いていないんだろうなと思う。もちろん直接本人に聞いたことはないから、あくまで想像にすぎないのだが。

そういう人を見ると、死ぬほど羨んで、嫉妬してしまう。

自分は結局、損得勘定でしか動けないんだって、改めて彼に突きつけられた気がした。


彼の才能的な部分はもちろん尊敬しているし、当然嫉妬もしている。「語学」という、自分がもう少し拘りたいフィールドにおいて、せめて彼の隣に並びたいからだ。

それ以前に、損得勘定で動かない彼の人間性に尊敬と嫉妬を抱いた。
どうすればこの感情に折り合いをつけられるのかはまだ分からない。


結局、保健室で散々泣いたあと、何故かあの美術の先生がひょっこりやってきて話を聞いてくれて(激萎えなところを見られてめちゃくちゃ恥ずかしかった)、ディベート担当の先生とも話し合った結果、完全に辞めるのではなく、「しばらく練習を休んでも良いよ」という許可をいただいた。修学旅行が明けて本格的に試合形式で練習するときにおいで、だそうだ。


あたたかい言葉をかけてくれたのは先生だけではない。

帰宅し、少し話をした彼にLINEを送ってみた。

「ごめんやけど、しばらくディベートの練習休むね」

すると一言

「気にせんでゆっくり休め。俺的には◯◯がおってくれた方が心強い」

と返ってきた。


それを見た瞬間、止まっていたはずの涙がまた零れ落ちた。本当に有り難う、なのに嫌な態度とってごめん、勝手に嫉妬してごめんなさい。




最後に、あたたかいLINEを返してくれた貴方へ。



大泣きするくらい、今も君に嫉妬してます。
でも、嫉妬をちゃんと尊敬に変えれるくらい、絶対自分も成長してみせるから。

その時は、こんな自分が貴方の隣に並ぶことを、その大好きなあたたかい笑顔で許してくれますか?





ご清覧ありがとうございました。
自販機のコンポタでした🌽


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